2015年12月13日日曜日

人吉の町とヤマセミの関係。 Relationship of The town of Hitoyoshi and Crested Kingfisher.

 人吉城址を行動範囲にもつヤマセミを2日間に亘ってご紹介したが、今日はその流れで街中を飛び交うシーンをご紹介。
 山奥に棲み、人の気配を感ずると逃げ去ってしまうヤマセミの一般的認識でいる方々には「合成画像」に決まっていると思われるだろうがこれが事実。

 市内を流れる川の川面を移動するだけなら、人吉においてはごく普通の生態なのだが、こうして街中の上空を飛ぶ理由が今のところ判っていない。自惚れて言うなら、普段生活している地元の方とは少し違う大きなレンズを着けたカメラを肩に下げた見慣れぬ撮影者が2名自分を視ている様なので、ちょっと様子を伺ってみようか?と「いつもと違う何か」を察知して不審者の上空を旋回したのだろうか?
 もしくは、こちらを認識していて「何でお前が此処に居るんだ?」という感じで見回ったのかもしれない。

 其処までヤマセミは個々の地元生活者を認識していて、観察神経が細かいのだろうか?大変興味が沸いた。もしそうであれば余程人吉の町に溶け込んで共生しているという事に成るのだが・・。

 車の中からカメラのファインダーを通して対峙していても、こちらを意識するヤマセミは何度も見てきている。人間の7~8倍の視力を持ち、色彩認識領域も赤外・紫外エリアまで在り、人間よりはるかに視力の良い鳥類だもの、直径95mm、あるいはそれ以上のレンズの反射に気を取られない訳がない。注目して興味を持って当たり前だと思う。

街中の橋の袂で道路工事をしている濃霧の早朝、胸川の川床から飛び上がってきて、看板の上を行くヤマセミ。

点滅信号機の上を飛び、

こちら2名の撮影者を中心に旋回を始めた。

電信柱を見ればその高さは計算できよう。

頭上、本当に真上(距離8m程)を通過して行った。過去に何度も経験した事だ。

ほぼ1周して、胸川の川面に下っていくヤマセミ。

そのまま、球磨川との合流点へ飛び去って行った。

その時、ひょっとしたら?とは思ったが、我々を意識しての行動以外理由が見当たらない。橋の上からここ数日に亘って、早朝から撮影しているこちらの格好や顔を覚えたのだろうという想像はつく。

撮影スタイル(衣服)は毎日同じなので、こちらを認識しているヤマセミは数羽確認できている。(撮影・辻 正彦先生)