2022年1月28日金曜日

国立科学博物館附属自然教育園はなかなかのモノだと再認識した。 I realized again that the Institute for Nature Study attached to the National Science Museum is quite a thing.

 明治神宮22万坪、新宿御苑18万坪に比べれば目黒にある国立科学博物館附属・自然教育園は6万坪で新宿御苑の1/3、代々木公園を加えた明治神宮の1/6程度の緑地帯だ。

 筆者も明治神宮や新宿御苑ほど頻繁に入る機会はなかったのだが、昨日久しぶりに入ってみて、その鳥類の種類の豊富さを再認識したところだ。

 昨日は昼の12時00分頃入園し、色々あって3時間半も滞在することになってしまった。

 今日は野鳥の画像を羅列するのではなく、この自然教育園の特徴を時系列的にご紹介してみたい。

 場所的には首都東京の山手線の内側、白金(=もう死語だがシロガネーゼなる言葉も生まれたエリア)高級住宅街の真ん中、なおかつ首都高がすぐ外を走っているという野鳥にとって果たしていい環境か否か首をかしげる場所に位置している。

庭園美術館と隣り合わせの緑地。後ろは品川駅周辺

夜景、黒い教育園の森の周りは大都会、手前西側を首都高が接して走っている。

 しかし、かっての貝塚や縄文土器が発掘されたり、室町時代の長者(長者丸という町名が戦後まで残っていた)の屋敷跡で土塁が残って居たりする。江戸時代は松平家の屋敷であったり、数々歴史上の価値が高いことから天然記念物に指定されているという。

 歴史や品格が大したもんだ!という一方で、これだけの都心のビル群囲まれていながら明治神宮や新宿御苑同等の野鳥の宝庫であることを今回再確認したのだ。

 入ったのが12:00ころ、野鳥観察にしては遅すぎる時間帯だ。小鳥系は朝の採餌はとうに終わり、体が温まりエンジンが活動を始める猛禽類を警戒して藪でひっそりしているのが当たり前の時間。鳴きながら飛び回るのはメジロとヒヨドリばかり・・、時間的には遅いかも?という状況だった。

 しかし、思惑通り、高い樹の梢の上をノスリとオオタカが飛翔する姿を目視出来たので「予想通り!」と期待に胸膨らむ思いだった。

 ノスリは以前枝留まりを撮影したし、オオタカはこの小さな森で繁殖しているというメディア情報を幾度も認識していた。パンフレットやこの園の常連さん達による野鳥写真展でもルリビタキ、オオタカなどの種が展示されていて、なかなか野鳥が豊富な場所であることは以前から知っていた。

 12:00頃受付を通過(嬉しい事に65歳以上は無料)メインの通路を20歩も進まないうちにいきなりハトの群れに突進された。ヒヨドリも5羽ほど筆者に向かって突進してくる!一体何が?と思いながら「猛禽類が来た!」と直感したが、それらしき姿は見えなかった。

FBに投稿したらヒッチコックを想い出したという友がいた。鳩の群れ!

 だが、その数秒後高い樹々の梢の上をノスリが翼を半分たたんで急降下していく姿を目視出来た。勿論カメラで追ったが撮れる訳がない。この園内に入ったら上を観ても空は10%も見通せないのだ。

 猛禽の行く末を追ったが、判らなかった。そのまま園内を進んだら、ある場所で大きな望遠レンズを装着し迷彩ステッカーでレンズを巻いた人々が約10名ほどいて、丸く刈られた笹薮を取り巻いているではないか?どうやら藪鳥を捜している様だった。

 中高齢者が多い中で、大きなレンズを持った若者が2名ほど居たが、笹薮の脇を行ったり来たりで何かを探している様だった。直感的にルリビタキだろうと想像してしゃがんで笹薮を透かして見ると確かにチョロチョロ動き回る野鳥が居た。ウグイスやアオジ、クロジ、メジロなども同じ動きをする。

 過去の経験値から、こんな大人数で取り囲んでは野鳥も逃げ回るに決まっているので、その場をすぐに離れ、遠巻きにこの人たちを観察することにした。

右の笹薮を取り巻く野鳥撮影者の皆さん。これは1時間の間二回目の人だかり。

 この若者、カメラを構えた人の前に平気で仁王立ちしたり、やたら動き回ったり、持っているカメラや身なりは本格的なのだが、野鳥の撮影をあまり経験したことが無い人と見受けられた。

 数人は立ち話に夢中だし、持っているカメラは大きな望遠レンズを付けているのだが、この距離でこんなに大きなレンズでは細かい野鳥の動きについては行けまいと思えた。

 立話を盗み聞ぎしたら、日吉(目黒線で一本)や恵比寿(自転車で)など近所から来ている様だった。一瞬藪に入り込んだルリビタキを皆が囲んで探していたがシャッター音は聴こえなかった。撮れないのだろう。藪の中の野鳥にAFはまず効かない。MFで撮らなければまず無理だろう。

 この時は筆者も試しにMFで撮影したが、この時はこのように「居るんだがなー」状態の証拠しか撮れていない。

藪鳥は出るまで静かに待って藪の中を撮るのはまず諦めた方が良い。

 この丸く刈られた藪は確かに色々な野鳥が出入りする場所の様だ。

メジロが一番出入りが激しい。

シジュウカラも出入りしていた。

 藪に入ったルリビタキが人の気配が無くならないと出てこないのは、明治神宮や新宿御苑でさんざん学んだ。

 グループ(バラバラの人の塊り)が解けて人がいなくなってから周辺を観察したら10分ほどして、20mほど離れた全く違う藪に動く気配を発見!冬の低い逆光だったが何とか撮影出来た。

人がいなくなって出て来た昨日のルリビタキ・オス、これ以上日なたには出てこなかった。

数年前、新宿御苑で出遭ったルリビタキ・オス、薄日の射す日で好条件だった。

 一騒ぎの場所を離れて、先には進まず元来た道を戻り最低部の池でカワセミを撮影。強い西日で構造色の色の変化が面白く感じられた。

池のほとりで青く見えたが・・。

ちょっと移動すると緑色に、白い斑点が目立った。

で、ダイブするとセーラムグリーンに!

 池を離れて入口ゲートへ進もうとした瞬間!何とオオタカが陽を浴びて枝留まりしているのに遭遇。ノスリは数度遭遇して撮影したが、オオタカがきちんと見られたのは今回が初めて。明治神宮での遭遇頻度には適わないが、今回はしっかりと観察できた。

やはり近かったのか、1分程度で飛び去って行った。

カラスも何やら獲物を咥えていた。猛禽が捉えて残した獲物の野鳥なのか?人間の昼ごはんの残りなのか?カラスの餌は何でも有りなので判断しかねた。