2018年9月11日火曜日

水鳥ダイゼンの餌・横取り作戦失敗! Black-bellied plover's crab bait preemption failed !

 九州の有明海沿岸の干潟と言えば佐賀空港の西側に在る大授搦(だいじゅがらみ)、東与賀干潟が有名だが、実は熊本県の八代市に在る球磨川河口部にも大きな干潟が在って数多くの水鳥が集まる。

 この干潟にはいわゆる地主のような権威者も居ないし、地回りの様な者が県外ナンバーの車へ高圧的な態度を取る様な排他的な事も無いので、安心して野鳥の観察が出来る。

 球磨川は八代市の三角州地帯を形成し、前川と球磨川に萩原町付近で分かれる。筆者が小学生の頃は今の様な萩原の堰はまだ無く、音を立てて流れる瀬で落ち鮎のガックリ掛け漁をやった記憶がある。

 前川河口部にも球磨川河口部・鼠蔵(そぞう)沖、水島沖の干潟にもクロツラヘラサギを始め数多くの水鳥がやって来る。渡りの季節には集団で色々な種の渡り鳥を観察できる。
 この辺りは八代にお住いのクロツラヘラサギの世界的研究者・高野茂樹博士が良くご存じだ。ほぼ毎日この干潟でデータを取られている。

 今回も八代に一泊した際、高野先生を追いかけて水島沖干潟でご一緒させて頂いた。キアシシギ、アオアシシギ、ソリハシシギ、オグロシギ、オバシギ、トウネン、ダイゼンなどが群れていた。

 高野先生が野鳥の種類・数などをチェック・カウントされている間、筆者は水鳥同士の争いや行動の面白さに注目。蟹を採餌したダイゼンを横から横取りを仕掛けた別のダイゼンとの争いなどを撮影した。

 今日はまずそのダイゼンの争いの模様をご紹介。ダイゼンという名はその昔葉山でウインドサーフィンに狂っていた時代、新逗子にある良く行った食事処「味の大善」が頭に残っていて懐かしい・・・って、超ローカルなお話。

球磨川河口はこの日この時点で、大阪エリアで甚大な被害をもたらしたあの台風21号が東側を通過中で、西寄りの強風が吹いていた。沖は真っ白で水鳥が岸壁近くまで寄って来てくれていた。

そんな中、蟹をゲットした一羽のダイゼン!

其処へ別のダイゼンが鳴きながら急襲。

凄んで「寄こせ!」状態に。

一見右が横取りしたように見えるが、実際は左右が回って入れ替わっているだけ、頭のテッペンの色の差で個体識別が可能。

頭の少し白い方のダイゼンは蟹をしっかり咥えたまま横取りダイゼンを見据えて回り込みながら防御行動。


頭を下げて蟹を欲しがるこのダイゼンはひょっとして幼鳥か?

あまりにうるさいので右のダイゼンが一旦蟹を放した。

ササっと寄って蟹を奪おうとする左のダイゼン!

本気で怒った餌の持ち主がマジで攻撃すると、あっという間に逃げ去る横取りチャレンジャー!

こうして何事も無かったかの様に蟹を運ぶダイゼンだった。