2023年2月25日土曜日

団塊世代は20年前自分が関わった地球環境問題・脱炭素指向を再考する。 The baby boomer generation will reconsider the global environmental issues and decarbonization orientation that they were involved in 20 years ago.

  今からほぼ20年前、2003年大手広告代理店にいた時分、2005年の愛知万博「愛・地球博」に185日間出展するコスモ石油さんのブース展開の仕事を担当した。

 愛知万博はいわゆる万国博覧会として初めて地球環境を全体テーマに取り上げた博覧会だったと思う。新エネルギーの公共交通機関や場内巡回交通機関、天然木材を多用した建造物など「自然に優しい」だの「二酸化炭素を減らす」など新しいテーマが乱立した博覧会だった。

 この翌年2006年、米国元副大領のアル・ゴアが「不都合な真実」という衝撃的な地球環境に関するプロパガンダ本を出版し、現在のヨーロッパ中心の環境ビジネスの波に繋がったのは有識者であればだれもが知っている事だ。内容はあとで分かるのだがあまりにウソが多かった。

出たときは衝撃的だった。自分達の地球の危機という事で話題#1だった。広告代理店社員として読んでいなければ恥とさえ言われた。

 映画の中でワザと脚立に登ってまで説明するという演出でアピールしたホッケースティック(=有名な温暖化による気温上昇の警告。)に始まり、アフリカ・タンザニアのキリマンジャロの雪が融けたのも、南太平洋ツバルが水没しかかっているのも、北極の氷が無くなったのも全て地球温暖化のせい、人類が産業革命以後二酸化炭素を大量に排出したせいだと・・・。

 しかしこれらはすべてエビデンス付きで「嘘・間違い」であることが後に証明されている。ノーベル平和賞を貰ってしまった後ウソがばれても、自己主張を変えない辺り西洋人の「狡さ」が感じられて笑い話もなっているようだ。

 この事やオバマが「原発を失くす!」と出来もしない宣言をしただけで貰うなどがあって以降、ノーベル平和賞というのは「言った者勝ちのご褒美」というのが一般的常識になってしまった。

 ① 実は、かってキリマンジャロの雪は幾度となく無かった年がある。

 ② 沈みゆくとされたツバルは人口増加による地下水の汲み上げ過ぎなどいくつかの要因であることが判明。ツバル以外附近の他の島の水没傾向が報告されていないなどの点も指摘されている。ツバルと同じ海面上昇が世界的に起きていれば、オランダなどはとっくに悲鳴を上げているはずだろう?

 ③ もともと北極海の氷は最大でも厚さ1mもあるかないかで、1958年米国原潜ノーチラス号が北極の氷をぶち破って浮上したことからも、もともと北極の氷は非常に薄く過去幾度も結氷しない北極海が在った事実も発表された。

 これらで判る通り、地球環境変化の危機感を訴える事で利権を伴う「環境ビジネス」がヨーロッパを中心に盛んになったのもちょうど2005年以降だ。

 裏では自国の産業廃棄物をかっての植民地に大量に捨てている事を隠して進めるヨーロッパ各国の環境ビジネスは、ここ最近もメディアを使って鬼の形相で罵っただけで有名になったグレタ・トーンベリなどを裏で操る環境ビジネス企業中心に勢いを失っていないようだ。

 2005年愛知万博からメディアやSNS・ネットを使っての情報発信で「言葉・論調」だけで地球環境の危機感をあおり続けて今や20年が経った。

 地球環境はこの20年間で一体どう変わったのだ?

 低周波音を不気味に出し続けて回る風力発電は雨後の筍のように増え、渡り鳥が数多くプロペラで叩き殺され(地球自然破壊じゃないのか?)、飛行機で移動する際上空から見ても国土の随分多くの森林地帯の野山を破壊してやたら太陽光発電のパネルが広がっている。

 筆者は、どうもこの辺り地球環境保護の行く方向が2005年頃のそれとはずいぶん違ってきているのではないかと最近訝しんでいる。

 単純に二酸化炭素を吸って酸素を出してくれている樹林帯・緑地帯をどんどん潰し、植物を刈り取って太陽光発電パネルを並べる・・これって正しいのだろうか?本末転倒なのではないだろうか?

 

 2005年愛知万博で筆者はコスモ石油さんのブースを企画提案演出・実施運営まですべてに携わった。テーマは「植物の二酸化炭素吸収リアル実験装置」だ。

 これは地球上の酸素の多くを製造してくれている植物が、大気中の二酸化炭素を吸収して酸素をに換えて放出してくれている様子をリアルタイムで子供たち(もちろん大人も)に見せてあげよう・・という目論見から出来上がったものだ。

 紆余曲折・詳細物語は省くが、早稲田大学理工学部機械工学科(当時)の博士課程・修士課程の学生諸君と実験室に泊まり込み(筆者も参加)で作り上げたのがその実験装置だ。

 完成形は愛知万博185日間稼働し、なおかつその後全国各地の環境イベントで引っ張りだこになったものだ。最終的にはお台場の日本科学未来館に長い事展示・実働したもの。

 国や自治体は二酸化炭素排除に関して脱・二酸化炭素だのノーカーボン政策だの色々なヨコ文字を並べて、さも色々な事に努力しているよう広げているが、実際企業を通じて人間が作る「物」、お金を生み出す「製造物」にまつわる炭素低減化の話ばかりで、具体的に二酸化炭素を減らす行動はどうなっているのだろう?

 出てしまう二酸化炭素を低減させる努力だけで満足しているのでは?これじゃ、いつまでたっても地球上の二酸化炭素は減らないとは思わないのだろうか?

 

 つまり事実上一番二酸化炭素を減らし酸素を増やす働きを行ってくれる植物・樹林帯の拡大に関しては殆ど重要な提案・行動実施を行っていないのではないだろうか?

 例えば全国に広がる休耕田(マンパワー不足と余剰米削減のための施策)の常緑広葉樹植林化などは、やればすぐにでも出来るプロジェクトだろう?横浜国大の我が恩師「宮脇昭教授」の植林活動(海外の方が多い)を具体的に国が率先して進めるなどという話は聞いたことが無い。

 この辺り、机上で企画書や○○年プラン「脱炭素・カーボンフリー」と言っているだけのような気がしてならない。

 現状の産業活動を進めながら、環境に配慮する程度の「地球環境保全・カーボンニュートラル施策」などでは世界に向かって宣言した二酸化炭素軽減の約束など守られる訳も無いだろう。筆者はそう確信している。まあ当の昔に宣言を守れない時の言い訳を考えてはいると思うが・・・。(※これはどの国でも一緒だと思うが)


 2005年愛知万博に出展した「植物の二酸化炭素吸収リアル実験装置」の過程を当事者としてここで振り返ってみたい。

発案⇒試作機・実験製造が始まったのが2003年4月

2年後2005年3月初旬に本番用実験機が完成した。

子供たちが電話の受話器を通じて息を吹き込むと植物が二酸化炭素を吸収する様子がPC画面のグラフで判るようになっていた。

連日満員の盛況で列が出来た。当時のケニアの環境副大臣ワンガリ・マータイさんがこれを抱えてケニアに持って帰りたいと言った。(※もたいないの言葉で有名になった方・故人)


早稲田大学の機械工学科の学生諸君

もちろん筆者自身も施工からすべてメンバーと一緒だった。筆者左から二人目

岡山大学農学部の専門家にも参加して頂いた(小学校のクラスメート・左から2人目)

植物研究家でもある作曲家の神津善行先生とコスモ石油の鴇田広報室長(当時)

神津先生の植物本

愛知万博の後全国行脚の後お台場の日本科学未来館へ

 地球に残った最後の植物を育てるガラス張りの宇宙船、同乗管理する乗組員の人間同士が殺し合って死んでしまい、ただロボットが巡回して水遣りをしながら宇宙を飛んでいくという映画。植物と人類のいく先を暗示しているような映画。
 偶然愛知万博で我々が造った「植物の二酸化炭素吸収リアル実験装置」とこの映画のガラス張りの植物宇宙船の形状があまりにも似ているので驚いたことを想い出した。この映画の存在を知ったのは2010年頃の話だもの・・・。※映画製作は1970年頃

 英国イングランドの西の端辺り、セント・オーステルにあるエデン・プロジェクト。自腹を切って行ってみたが、植物と人類の共存解説に関しては世界最大の教育機関だろう。

 驚いたことに、我々の造った「植物の二酸化炭素吸収リアル実験装置」とほとんど同じディスプレーが存在していた。後に早稲田大学のスタッフも一部見学出張している。

装置の原理は殆ど一緒だった。

 ペンタゴンとヘキサゴンのW強化樹脂ドームは天井が非常に高いので、樹木の選定は一人乗りのガス気球で空中から行っていた。

 明日はこの装置を小型化したお話、その他エコプロダクツ展など。