2018年6月9日土曜日

週末新シリーズ・団塊世代のジジ放談 #2.『最近、人と人のコミュニケーションが危ない!』 Recently communication between human and human is getting bad !.

  昔から日本人の一般生活には数々のコミュニケーション機会が有った。勿論、士農工商制度など幾ら身分の上下・秩序がはっきりとしていても、コミュニケーションの相手を選ぶのは個人の自由で、他人から言われて行うものではなかった。1対多数・1対世間全般、より1対1(個人・家)の交流が多かったのも確かだ。
 具体的なコミュニケーション機会は正月の年賀状、年始の挨拶、節句を中心とした季節の便り、お世話に成った方へのお中元、お歳暮などの贈答。冠婚葬祭や昇進栄転のお祝い。出産・入学・卒業・就職などの祝い事。地元の祭り事(神社礼大祭・豊作祈願)程度だろうか。

 現在のような誕生日の祝い、結婚記念日の祝い、バレンタインデー、クリスマス、ハロウィーンなど異教徒の祭りなど商業的発想に踊らされたコミュニケーションは無かった。

最後まで残るであろう年に一度の宛名手書きの年賀状


 数多くの旅行雑誌で非常に高く評価された熊本県人吉市の老舗旅館から送られてきた崇高な贈り物、棚田米で作られた手作りの餅、プロの匠技、仕事。頂いた側の栄誉は計り知れない。

素人が個人で出来る手作りの贈り物、手剝き無添加天日干しの干し柿。筆者作。贈り始めてとうとう12年が経った。

例えば、昔から贈答品などは老舗百貨店、老舗の名店などへ出向いて自ら選び、店頭から贈答先へ発送するのが定番だった。年賀状や季節の便りも手造り、手書きが多く、ビジネス上の儀礼的年賀状のみが大量印刷で造られていたように思う。
老舗百貨店の三越日本橋本店

もう一つの老舗百貨店日本橋高島屋

日常のコミュニケーションも一般的には音声電話が中心であり、家の固定電話、街頭の公衆電話、喫茶店などの赤電話・ピンク電話が主流だった。
 1990年辺りまでのTVホームドラマ・刑事ドラマなどでは街頭の公衆電話やオフィスの固定電話が片手に持った出演者のタバコの煙と共に「場の雰囲気」を醸し出していたのを想い出す。



要は、殆どのコミュニケーションはアナログで行われており、コミュニケーションの速度は今とは格段の差で遅かった。手紙によるコミュニケーションは往復で4~5日掛かるのが当たり前だし、速達でもその半分は掛かった。1970年代半ばには消え去った「電報」ですら発信依頼して数時間程度掛かるのが当たり前だった。しかし当時としてはそれが当たり前で日常生活においては何のストレスも感じなかった。


 これが、1987年頃NTTがTZ-802型という一般人でも購入できる携帯電話(900gもある)を発売するに至り、大きくコミュニケーション革命が起きたのだ。待ち受け時間6時間、通話時間60分という今考えれば非常に原始的な携帯電話だったが、それまでのコミュニケーション常識に比べれば信じられないほどの「便利さ」とコミュニケーション・スピードを提供したのだ。

発売当時の広告から・・・Googleフリー画像から


 広告代理店の第一線、現場が多かった筆者も業務に必要なため会社から支給されていたが、あまりの重さに出張先でデイパックの底が抜け、この携帯電話を自分の足の上に落してしまい足の指を骨折して大騒ぎした事もあった。


 更に1995年マイクロソフトが新しいOS=Windows95を発売した。これによりパーソナル・コンピューター(=パソコン)が一般の人々に普及し出し、インターネットの急速な普及も相まってEメールが爆発的に蔓延する。このパソコンの一般への普及によって人間のコミュニケーションスピードは、今までの常識を完全に打ち破る、爆発的な速さに変化していくのだ。
このWindows95 というOSのお陰で、コンピューターが一般家庭に普及し、世の中のコミュニケーション方法・ルール・マナー・常識・価値観がガラッと変わってしまった。

 この変化は人類に対して、今まで数百年以上培ってきた人と人のコミュニケーションに関するスピード、常識・マナー・ルール・礼儀を大きく替えてしまった。
 いままで「それが当たり前、普通」とされていた事が「無礼失礼、迷惑をかける行為」に成りかねない状態に今なりつつある。

 これら急速な通信機器の発達、通信インフラ、通信アプリの発展は結果として情報端末(携帯電話・スマホの類)が人類の物理的判断能力の限界を超えた情報量をもたらすという現状を生み出している。

 なおかつそのスピードの速さはコミュニケーション相手のレスポンス(反応)如何で、自分自身の基本的な生活・睡眠・仕事の時間を減らし始めている。

 まだ気が付いていない人の方がはるかに多いが、そのスピードと量は徐々に人間を壊し始めているのではないだろうかと不安を感じている。

  ・・・・・・・・・今日は此処まで。