2018年3月26日月曜日

目黒川沿いの桜はメディア報道で大混雑。 Cherry blossoms road along Megro river was crowded too much influenced by noisy media .

 全国でもいち早く桜が開花することで名が知れている東京、お江戸の桜名所は至る所にある。上野の恩賜公園も勿論だが、不忍池の回遊路も浮世絵を見る限り実は明治初期までは桜の名所だったようだ。

 後楽園や六義園の枝垂れ桜をはじめ、井の頭公園や、千鳥ヶ淵、外堀沿いなど江戸周辺には昔から規模の大きな名所が在った。

 しかし最近、神田川沿いや目黒川沿いがネット系メディアの人気ランキングで上位に名を出し始めている。これは桜を愛でるというより「桜を見る人出を見物」するために集中するエリアが人気を上げているだけ・・・という事の裏返しで、観桜という風流とは違う新たな「視点・理由」の様な気がする。いわば大晦日やハロウィーンと言った、ただ騒いで集まる渋谷のスクランブル交差点のような混雑を報道するのと同じだろうか?

 一年にほんの2週間程だけ花をつけ、人々の心を癒す「桜」だが、残りの350日は毛虫の下がるただの樹木なのだ。なぜ日本の河川の土手には桜を植えたのか・・・に関しては諸説存在するが、決して花見が目的ではなく土手の構造的強化だろうとは思う。

 そんな中、ここ数年メディア、特にネット系はやたらと目黒川沿いの桜をアピールしている。で、どんなものか見物に行くことに成った・・・、というのも研究所関係のメンバーのリクエストもあって、いったいどんな状況なのか?一度も行かないでヤイノヤイノ言うのも卑怯だろうという事で実践を試みたのが今日だった。

 気温も上がり、晴天風弱く、しかも日曜日!人が出ない訳がない。混まない訳がない。

 行ってみて驚いた。桜は目黒川沿いに植えられていて、椿山荘脇の神田川状態だ、しかし川幅が広いので、神田川のようにお互い対岸の桜の先端が交差してトンネルのようには成っていない。

 しかも、船から見上げるような観桜船も水面に浮いていて、静かに桜を愛でるような雰囲気ではなく、花火大会の様な大げさな見物体制だ。
 昨今のお花見メディア報道は、桜の見事さ、桜を愛でる環境というより人出の多さで桜名所ランキングを決めているような傾向が高い。極めてミーハー的で許しがたい。
 
 今日行ってみて判ったのは、目黒川沿いは桜を愛でる場所ではなくお花見の人を見る場所だという事。桜の花を逆光の中、下から見上げて歩くだけでその美しさなど判ってたまるか。此処の桜の美しさを愛でるには目黒川沿いのマンションの部屋から見下ろすのが一番だろう?

 やはり、津軽城址の桜や六義園や京都の丸山公園の枝垂れ桜、南阿蘇一心行の一本大桜を周りの景色共々愛でる方がどれだけ良いか、メディアも正しい観桜に関する報道をしてほしい。

誰が撮っても同じようなアングル、ダイアモンド富士や初日の出の写真のようだ。

レンズを通して遠くから撮影は出来るが、目黒川沿いの桜は傍では観られない。




近くで外側から桜を愛でると、こういう見方しかできない。

結局目黒川沿いは、お花見の人々を観に行った感じ?もう行かないと思う。