2017年9月28日木曜日

団塊世代の野鳥好きは奈良で進められている緑地を壊すリゾート計画に反対する! We wild bird lovers of baby-boomer oppose the resort development plan which destroys green spaces being advanced in Nara!

 奈良公園の飛火野(鹿苑)へ行かれたことがあるだろうか?そう東大寺大仏殿から真南に1000mほど行った所にある道路の東側になだらかに傾斜した広い草地だ。今は真ん中に交通量の多い道路が走り西側の浅茅ヶ原と分離しているが、1961年(昭和36年)ころ東映で製作された「宮本武蔵・般若坂の決闘」のロケで中村錦之助演じる武蔵が闘ったのがこの奈良公園の飛火野・浅茅が原だった。

 筆者は過去5回以上この奈良公園で野鳥の撮影を行っている。特に2012年の名古屋国際航空宇宙展の実施運営の際は海外からのVIPを奈良ホテルにご招待するなど、京都・奈良には一時集中的に訪れた事が在った。チャンスとばかり望遠ズームを装着したデジタル一眼で野鳥を撮影しまくったのは勿論の事だった。

 その野鳥の宝庫の様な奈良公園のそばにある豊富な森林地帯を形成している一角にいきなり周りの環境を無視したようなリゾートホテル開発が計画されていると知ったのはつい最近の事だった。

 春日大社の萬葉植物園から始まって奈良公園から六角形の浮見堂という極めて優雅な演台を持つ鷺池の隣辺りは野鳥たちにとってサンクチュアリに近いエリアなのだ。
 理由は、野鳥にとって餌は豊富で水も通年で確保でき、数多くのシカや観光客のお陰で天敵・猛禽類から身を守れる安全地帯という訳だ。
 そういう理由で実はこの区域は意外に知られていない野鳥観察(バードウォッチング)・撮影の隠れたポイントなのだ。
 
 筆者は過去色々な理由で出張時、奈良ホテルに好んで宿泊したが、実はこのエリアが近いというのが本当の理由なのだ。そういう訳で朝は日の出から出っぱなしなので、有名な奈良ホテルの朝の茶粥は残念ながら未だに頂いた事が無い。

 日本のアウトドア・シーンにおいて専門性が高い商品群をリーズナブルな価格で提供し続けている、あの「モンベル」のオーナー辰野 勇さん(1947年生まれ)が、先頭になってこの貴重な地を無謀なリゾートホテル開発から守ろうとしている。団塊世代の彼が体を張って頑張っているのだから、同じ団塊世代は、それも特に野鳥好き、自然好きは応援しようではないか!
http://www.nara-park-mamoru.jp/
※具体的にはこのサイトをよく読んで理解し署名をすることが第一歩だ!それから先の行動は各自の範疇で是非!

 モンベルのグースダウンの黄色いジャケットは長野オリンピックの頃からもう随分使って来た。リップストップのシェルだが上からマウンテンパーカを着れば真冬の道東・根室の野鳥撮影(オオワシ・オジロワシ)でも全然問題なかった。別に此処でモンベルの宣伝をするつもりはないが、1978年あの倒産したVANに勤務していた際アウトドア・ブランドSCENEを出した際、専門メーカーの商品群とのそのクオリティの差に愕然とした事を思い出す。

 この運動を、辰野さんを応援するには、ただの声掛けだけではなく、同意者、応援者を増やすことが一番だろう。そういう意味で筆者に出来る事と言えば、偶然にも東京から数度行ったホテル予定地界隈での野鳥撮影した画像を提供し、この地はこれほど自然が豊富なのに奈良の行政はそれを潰すのか?という具体的な行動しかないと思う。
Google Mapによる奈良公園エリア

以下の野鳥画像は季節はまちまちだが、全てこのホテル予定地から半径300m以内で撮影したものばかりだ。此処にホテル建設が始まれば、そうして営業が開始されれば、この野鳥たちの生態は間違いなく変わらざるを得ないだろう。
ハイタカ、イカル、アオジ、ビンズイ、ルリビタキなどは奈良県においては希少種だというが、本当にそうなのか?ビンズイなど鷺池~飛火野付近で1日に30羽以上の個体をいつも見受けられたが・・・。ルリビタキは春日大社神苑の萬葉植物園には大概居るし、奈良ホテルの敷地内などでもよく見かける。1回の滞在で数個の個体を撮影している。ハイタカは浮見堂の在る鷺池上空でよく見かける。キクイタダキは結構紅葉が好きなので秋の終わりの紅葉時によく見かけた。日本で一番小さい野鳥の一種でもあるキクイタダキはけっこう貴重だと思うが

こちらのグループは全国どこでも普通に見かける野鳥で奈良県希少種などは居ないが、サメビタキ、コサメビタキなどが現れる場所は限られるので特筆しても良いと思う。上記画像は1羽でのものが多いが、実際は群れで居たり、数羽で小群を成すものも多い事を記しておきたい。

 東京から新幹線で訪れて、1~2泊して撮影しただけでこれだけ撮影出来るのだから、きちんとグループで3日間ほど早朝観察すればこれらの数倍の種類の野鳥データが取れよう。

あの長野オリンピック・バイアスロン予定会場にオオタカが営巣するという事で野沢温泉村に会場を移したという長野県の環境に関して気を遣う姿勢は立派だった。奈良県は国家的行事国際スポーツ大会開催でもない営利を目的とした単なるビジネス開発の為に、貴重な生物環境の破壊をこのまま進めるのだろうか?

 団塊世代は、是非この同じ団塊世代が先頭で推進する運動を応援して欲しいと思うが如何だろう?