2016年5月13日金曜日

ウグイスが藪から出るのは今だけ! That a Japanese nightingale goes out of the thicket, only now!

 もう既に平地でも、あちらこちらでウグイスが囀っている頃だろう。鳴くという漢字はウグイスの場合のみ「啼く」という字を当てることが多い様だ。つまりそれ程日本では古来から特別扱いされてて来た野鳥なのだろう。

 昔から良く「梅に鶯」と言われてきたが、実際梅に来るのはご存知の通りメジロだ。しかし季節を告げる野鳥として人気があるのか、全国の自治体で決めるシンボル的な「県の鳥、市の鳥、あるいは町の鳥」として定められている所が多い様だ。思いつくだけでも以下の通り。

県の鳥=山梨県・福岡県
市の鳥=歌志内市、平川市、白石市、白河市、高崎市、富岡市、牛久市、神栖市、常総市、坂東市、常陸大宮市、ひたちなか市、飯能市、市川市、市原市、匝瑳市、大網白里市、青梅市、東京都大田区、秦野市、三浦郡葉山町、山梨市、裾野市、浜松市、藤枝市、掛川市、本巣市、珠洲市、大野市、熊野市、名張市、湖南市、福知山市、奈良市、宇陀市、宝塚市、新見市、西予市、竹田市
西都市、そうして最後に人吉市。

 人吉市には観光資源としての人吉梅林が在るので、「梅に鶯」とばかりに昔誰かが決めたのだろう。現在ヤマセミを市の鳥に加えてもらうよう運動しているが行政の腰は重たい様だ。隣の相良村や球磨村などに先に決められてしまいかねない。

 この人吉という所は野鳥に関しては非常に面白い場所で、ツバメやイワツバメが越冬をしているので、年中ツバメが街中を飛んでいる。更に晩秋~初春の頃、ウグイスが「ホ~ホケキョ」の出来損ないの声でか細く囀っているのを聴くことが有り驚かされる。いずれも球磨川や川辺川の土手での話だ。その他、球磨川土手付近ではキジの姿が非常に多く、100m四方に一羽くらいは必ずいるのではないだろうか?

 ウグイスに話を戻そう。沢山いるが球磨川の土手でウグイスの姿を撮影するとなると結構難しい。一方で奥日光においてこの時期5月の連休前後は競い合ってウグイスが表に出てくるので非常に観察しやすい。声がデカいうえに明るみに出てくるのだから目立たない訳が無い。湿原の藪の上で鳴きながら飛びまわっている姿は、平地でのウグイスとは少し違う野性味を感じてしまう。