2014年9月7日日曜日

「ブログ番外」 2年連続・野鳥の写真集で日本自費出版文化大賞・グラフィック部門の入選を頂いた!

 9月4日に吉報が舞い込んできた。前日の最終審査会で昨年初夏に自費出版した「川辺川・球磨川流域の山翡翠」が日本自費出版文化大賞のグラフィック部門で入選受賞を頂いた。これは一昨年5月にやはり出版した「江津湖の野鳥」に引き続き2年連続受賞となった。少し気恥ずかしいが胸を張ってご報告ブログとしたい。
 
 この日本自費出版文化大賞とは、毎年商業出版とほぼ同数が世に出ると言われている、自費出版された書物に対して、文化促進を狙ったもの。電子書物の活性化もあいまって、ここ10年非常に注目されてきた新しい動きだ。一昨年初めて「江津湖の野鳥」をグラフィック部門で出品したところ、思いもかけず入選を頂き、引き続き昨年ヤマセミの生態観察写真集を応募したところ連続で賞を頂いた。

 本来この賞は、印刷会社や出版会社がスポンサーになり、出版文化促進を目論んで立ち上げたものだけに、その審査基準は内容・中身のクオリティだけではなく、装丁・印刷などを重視したものだと思われる。そういう意味からすれば、最低レベルの印刷、簡単シンプルな装丁でも賞を頂けたというのは中身の評価の比率が高かったものと自負している。

 しかし言うまでもなく、この「川辺川・球磨川流域の山翡翠」は熊本市・人吉市にお住まいの方々の、地道なヤマセミ生態観察・撮影画像のご協力・おかげで出来ているものであって、決して個人の成果ではない。
 現在続編を編集中だが、更に多くの方々からヤマセミの珍しい、あるいは信じられない程ユニークな生態観察レポートならびに画像を提供頂き、現在じっくりと精査・解析中だ。ひょっとすると更に1年ほど精査と確認観察が必要かもしれない課題・案件もあり悩ましいところだ。

 もちろん次回作も無償で配布するが、熊本県内の主要図書館はじめ、佐賀の武雄市図書館など各施設には前回同様寄贈したいと考えている。一般の方に値段をつけて販売する予定は無い。商業出版は出版社と本屋さんと出版者が金銭的利益を上げるものだ。しかし私はお金を得るために本を出版するのではないので販売するつもりは無い。(※寄付を通じて野鳥保護につながる事は別)

 今回は、とにかく入選した事の栄誉より、熊本・人吉の7名の方々と共に作成出版した写真集が評価された事と、熊本発の野鳥の写真集が2年連続で受賞したという、稀有な事が非常に大きいと喜んでいる。他のどの都道府県もこのような動きはしていない。くまモンも頑張っているが、野鳥関連のジャンルでも熊本県が充実している事を全国にアピールできる事が嬉しいと思う。
「日本自費出版文化大賞」2014年度グラフィック部門入選(2年連続受賞)

「日本自費出版文化大賞」2013年度グラフィック部門入選

2012年出版・日本自費出版文化大賞未応募

 今後とも球磨川沿いの仲間と共に野鳥の面白い生態中心の写真集を自費出版続け、生きているうちに10冊の異なった野鳥写真集を残したいと考えている。しかし、より上位の賞を獲れる様に贅沢な装丁や高い紙質で印刷するなどの努力をするつもりはまったく無い。自分の身の丈に合ったレベルで今後も活動を続け、少しでも野鳥に対する人々の認識が深まり、人と野鳥の共創につながれば嬉しい。賞はあくまで結果でご褒美と考えている。

 野鳥の撮影を始めて7年が経った。この間色々な経験をさせて頂いたが、野鳥ファンは基本的にアウトドアの自然に接する機会が多いため、心が広く温厚で付き合い易い極めて常識人が多いと感じている。これは友人の心理学者、精神科医達も認めている話だ。
 もちろん「江津湖の野鳥」「川辺川・球磨川流域の山翡翠」の制作・出版に協力頂いている方々もこの典型の方々ばかり、今後もコツコツとヤマセミのユニークな生態を観察して写真集にまとめたいと思う次第。

 最後に、このブログ上で、雨だろうが霧だろうが毎日欠かさず球磨川のヤマセミの様子・生態をメールで送ってくださる人吉の古江さんと辻先生に特に感謝を申し上げたい。同時に非常に手間の掛かるこの写真集の有効活用に大変骨を折って頂いた、山田龍雄さんにお礼を申し上げたい。