2014年9月2日火曜日

道東探鳥ツアー その6.春国岱の夏は実はあまり野鳥がいない?

 根室から44号線を釧路方面へ10kmほど走り、温根沼(オンネトー)の橋を渡って最初の左カーブの手前右にあるのが春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター。「春国岱」の地名の由来はアイヌ語の「シュンク・ニタイ」(エゾマツ林)だが、これに漢字を当てたのでいわゆる重箱読みになった模様。

しかし今年の7月の後半はあちこち木道が壊れていたり、順回路の整備不良で50%程が進入禁止や通行不可になっていた。このあたりのタイムリーな告知は不十分だ。遠い所から訪れているのにまったく腹が立つ!しかし、だからと言う訳ではないが、ネイチャーセンターのホームページに出ているような豊富で数多い野鳥の姿は観られなかった。やはり実際は早朝でないと見られないのかもしれない。

 確かに、景観的にはもう廃れてしまった野付半島のトドワラなどに比べれば、草原・湿原にたたずむ枯れ木の残骸集団は絵になるかもしれない。野付半島はトドワラよりもむしろナラワラといわれる部分のほうが遥かに壮観でいかにも北海道!と言う感じがした。

 時代の流れと言うものは景観に関しては残酷な変化を与えてしまう。たとえば札幌農学校、つまり現在の北海道大学農学部の有名なポプラ並木はご存知だろう?バターの缶やビスケット、クッキーの缶に写真が載っているあれだ。しかし実は今はあの立派なポプラ並木は無い。ほとんどが枯れて倒壊し、小さな若木が植わってはいるが昔の壮観さは微塵も感じられない。理由は簡単だ。ポプラ(=西洋ハコヤナギ)の寿命は大体100年。桜(=ソメイヨシノ)が70年ほどである事を考えればまだ長いのだが、かのクラーク博士が「少年よ大志を抱け!」と言いながら植えた1912年から既に100年以上が経っているのだ。
 野鳥を追いながら、こう言った北海道の原生林や湿原をじっくり見るのもいいだろう。しかし昨日も述べたとおり、ヒグマにだけは十分に注意されるよう!地元の人は風評被害で観光客が減少する事を慮って余りヒグマのことは言わないが、間違いなくどこにでも出没するとの事だ。あの札幌の住宅街に囲まれた円山公園にすら一昨年は出没している。今日も釧路空港のフェンス5m位のところにヒグマが出てニュースで盛んに流している。そういう意味からも北海道は外国だと思う必要があるだろう。
春国岱の湿地部分

枯れたエゾ松が林立する広大な湿原。この枯れ木に野鳥が居そうだが居ないのだ。

とにかく晴れた日の昼間は動物の気配が無い。

だんだんエゾ松林が深くなるとクマが気になる、一人では行き難い場所だ。

アオサギが年次集会を開いていた・・・がいつも居るらしい。

風が強いためヒバリも高く飛べずに居た。


目立ったのはこのヒバリばかり。

橋を渡った駐車場にあった看板。「展望塔には登ることができません。休憩舎の展望台には登ることが出来ます。」と在るが地図上に明記されていないので何処の事か全然判らない。あまりに不親切な看板表記だ。木道が壊れていて行けないコースが幾つもあった。これでは遠征してきた者には不評を買うだろう、一生に一度しか来ない者の恨み、口コミは怖いぞ!

これがネイチャーセンター。定休日で誰も居なかった。定休日でも何かしらのインフォメーションは有ってもよかろうに。春国岱側、つまり画面手前側の沼付近でシマセンニュウとコヨシキリ、ハクセキレイ、オオセグロカモメを撮影した。春国岱本体よりよほど野鳥が濃かった。