2025年6月22日日曜日

炎天下のオオタカ営巣見物・撮影者たちの観察日記。 An observation diary of gathered photographers shooting a goshawk nest under the scorching sun.

  今年観察のオオタカが営巣した東京の緑地、2番目の営巣地の幼鳥は既に巣立った頃と察する。低層灌木の葉で遮られてしまう巣の様子が盛夏に向かいますます見えなくなってしまった。したがって鳴き声で判断するしかなくなったため、巣の周辺での撮影確認が出来なくなった。

 したがって夏至を過ぎた今は、最初に偶然出くわしたもう一方の営巣ポイントでしか観察撮影は出来なくなっている。

 カイツブリやカモが行きかう池と園内の樹林帯の水路附近での営巣ポイントは、普段から作業車や公園の巡回自転車が行きかうし、人の往来が多い場所にもかかわらずオオタカはたいして警戒もせず三羽のヒナを順調に育てている。

 しかし、いつの間にか見物人・撮影者(ベテランも、にわかバーダーさんも)達も日に日に増えており炎天下で気分の悪くなる方も増えている様だ。


くれぐれも暑さ対策は充分に行って活動されたい。(画像は炎天下のイメージ)

 何故か営巣している巣の周りにだけ三脚を立て常駐する方が多いようで、親鳥のヒナへの餌獲り・採餌⇒オスからメスへの受け渡し⇒メスのヒナへの「ご飯コール」⇒巣への餌の運び込みなど一連の幅広い給餌行動にはあまり関心がないようだ。

 これ以外でもメスが巣へ木の枝葉を運び込む様、水浴びの様子など繁殖中のオオタカの多岐にわたる生態観察はごく一部のグループ以外なさらないようだ。

 長年野鳥の生態観察をされているベテランの方の行動にくっついて園内を移動し、リーダー格の方と同じアングルで同じ様な写真を撮られる方が殆どと見受けられる。

 この点、現場を走り回る筆者は熊本県の人吉市中心に10年余りヤマセミという希少種の生態を観察撮影した体験が今回のオオタカの観察撮影にまちがいなく役に立っていると思う次第。

 

 筆者は幾度もこのブログで「野鳥の枝留まりなど奇麗な写真は撮らないし撮れない」と言い続けている。その野鳥が「何かをしている瞬間、思いもかけない瞬間」を撮りたい!と思い続けている。

 例えば目黒の自然教育園でカルガモが子育てしている様子を撮るにしても、「可愛い親子」だけではなく、その様子を撮影する人間と一緒に収めたい・・などというへそ曲がりに近い性格なのだ。バーダー道からは相当外れているかもしれないが・・。

普通はこうしたカルガモ親子を望遠レンズでアップで撮るだろう。

 しかし、筆者的には誰もが知っているカルガモの親子連れ、皆さんは望遠でカルガモの親子しかフレーミングしていないから、逆から撮影者・観察者を入れて撮るとバードウォッチングの面白い写真になる。

 皆さん夢中でカルガモ親子を追いかけているから反対側に居る筆者は邪魔にはならない。…とは言うものの4~5カット撮影したらすぐにその場を離れたのは当然だった。

 実はこれ1980年初期の日本ウインドサーフィン協会の会長をされていた報知新聞のカメラマン小林嘉禄氏から伺った話がヒントなのだ。

 その話というのは・・ゴルフのトーナメントの優勝の瞬間を撮っていて、プロゴルファーの背中からピンを狙う瞬間を撮ろうとカメラマン皆は普通ゴルファーの後ろからその瞬間を狙う。

 が、私はグリーンの反対側に回りカメラマンを大勢後ろに引き連れたプロゴルファーを正面から狙ったんだよ…というもの。そのカットは大きな賞をもらい、スポーツカメラマンたちに大きな衝撃を与えたという。

 例えば、プロ野球のピッチャーと打者の写真・映像は球審の後ろから撮るのが普通だったが、今をときめく大谷選手の登板シーンは殆ど大谷選手の後ろからの映像だ。これは機材の進歩、その他多くの理由が在るが、野鳥撮影も色々変化が在っても良いと思う。

 筆者は野鳥撮影に時々これを真似する。更にいろいろ工夫して撮影をしてみたい。

 此処からの数カットは「後ろから、正面真近から」の画像の一部。




 これに近い類似の画像は明治神宮で10年ほど前撮影した目の前のオオタカ画像に匹敵する。しかし今回はさらに近く、オオタカの体臭まで感じそうな距離だった。