2016年7月24日日曜日

アカショウビン生態観察プロジェクト その4. Ruddy Kingfisher ecological observation project Vol.4

 極端なトランプ候補登場で南北戦争時代と何一つ変わっていない米国の姿や、ゲームアプリと通信端末という小さな機械に操られ、大都会を右往左往する若者の騒ぎから遠く離れた原生林の大自然の中で、人間の五感+アルファを研ぎ澄まし赤い鳥を観察する時間は自分にとっての至福の瞬間だった。

 保護貿易を提唱しTPPに反対を唱え、イスラム系、メキシコ系等自分とは異なる人種を差別し国境に壁を造ろうという排他的な主義主張は、どこか「県外者、よそ者、自分の物差しでは計れない人間」を特別視・目の敵にする井の中の蛙的人間達と同じで、日本もアメリカも同等だと感じる事が多い今日この頃だ。要は昔から言われる「自分の価値観・理念とは異なる者を怖がり排除しようとする田舎者」なのだ。

 それぞれの考え方、価値観、理念を尊重し、協力する所は協力し、助け合えるところは助け合い情報交換して共存共創していくのが頭脳ある動植物の生き様だ。植物だって大きな樹木の上の方の枝葉は日光を均等に得られるように上手く空間を共有しているし、人吉のヤマセミだって人吉市民や川魚漁師と清流球磨川を共有し共存共創している。

 そういう意味からすると、いつの間にか飛来し、山深い人吉の奥地で繁殖し、いつの間にかいなくなるアカショウビンはある種孤高の存在かも知れない。石垣島など南西諸島ではリュウキュウアカショウビンが普通に民家の庭に飛来しヒュルルルル⤵と鳴くという。南九州・人吉では、曇天で今にも雨が降りそうな朝夕情けない声に聴こえるのだが、石垣島現地ではこれが「涼しげな心和む声」と聴こえるのだから、所違えば感じ方も違うものだ。

 今回のアカショウビンのレポートは今日で終了しようと思うが「アカショウビンの綺麗な写真や羨ましい写真は今まで高価な写真集やネット以上で幾らでも見せつけられたが、このブログレポートは非常に現実的で、アカショウビンという鳥の現実が良く判った。同時に近づくには如何に大変で努力と時間が必要か良く判った、感謝しています。」というコメントがメールで届きとても嬉しかった。

 最終的に詳しい画像やデータは年内に完成するヤマセミの論文レポートにヤマセミのそれと比較して付録・参考資料として付加するので、論文レポートを差し上げる一部の方は楽しみにして頂きたい。

 今日の画像はそういう訳で、デジタル一眼レフカメラでの撮影画像および貴重な瞬間のハイビジョン動画切り出し画像。






巣立ち前、最後の給餌と去っていく親を見送るヒナ。無人収録ビデオ動画切り出し画像。

最終給餌から30分も経たない朝方、身を乗り出し巣立つ3秒前のアカショウビンのヒナ。※無人収録ビデオ動画切り出し画像。

 今年は2羽が巣立ったようだ。また来年この森に元気に戻ってきてほしい。大変お世話になったSさんにこの場を借りて改めて感謝と敬意を表したい。彼は既に来年営巣可能な古木を既にリストアップしているという、超人だ。