2013年6月10日月曜日

■オリジナル写真集発行の勧め


  YAMASEMI WEBのサイトのGALLERYの項でも勧めているが、団塊の世代の方々はそろそろ自分の生きてきた証でもある「作品」を残す準備をする事をお勧めする。医療技術の発達、情報の進化で我々は長く生きられるようになって来たが所詮100歳までは生きられないし元気でバリバリ動き回れる時間もせいぜいあと10年~15年だろう。

 ちなみに「作品」といっても決して自分の子供の事ではない。「それだったらあちこちに陽の目を見ない作品が有るんだが・・・」と言ったアホな友人がいたがその事ではなく、陶芸品や絵画や写真などのアーティスティックなモノだ。もちろん家を一軒自力で建ててしまった人も知っているし、自分でも物置とガレージの一部は木材を買ってきて日曜大工で建てた。

 しかし、此処でのお勧めはあくまで写真の領域からは逸脱しない「自分だけの写真集」制作のお勧めだ。ズバリ費用は新しい望遠レンズを買うより安い!価格ドットコムで検索してもCANONの場合純性レンズEF600mm一本で100万円は下らない。500mmでも96万円以上だ。これを購入してどれだけ自分の撮影した画像に効果が有るだろうか?APS-Cタイプのデジタル一眼からフルサイズのデジタル一眼に替えた時程の思わず声が出るほどの効果は無いだろう。

 その費用の半分で今まで撮影した自分写真を一つのアナログの印刷物「写真集」にして親類縁者・友人に配る事がどれだけ自分の存在感向上に貢献するか判るだろうか?もちろん一番の狙いは自分の子供たちに「親」として残せる数少ない具体的なオリジナル作品という事になる。

 写真集といえば大きな書店の奥深くにビニールを被せられて中を見られない様なものも多い。野鳥や自然界の生き物を被写体とした写真集は価格も高く立見はするが、買うにはちょっと気が引けるものが多い。で、いつか自分でもこういうの作ってみたいなと思いながら、パソコンの中に撮影した画像データを残したままあの世に旅立っていくアマチュア写真家のなんと多い事か。

 此処で私のお勧めだ、20万円のレンズを買うなら、20万円で生涯たった1つで良いから自分の写真集を創って皆に観てもらおうよ!プロが沢山居る中で、あるいは自分より遥かに高額の上級機種で撮影しているうるさい自慢げな写真仲間がいる中で「私なんかまだまだ早すぎる」と思いながら皆死んでいくのだ。はたしてそれで良いのか?

2007年に自分用に初めて作った写真集インクジェットで7冊だけ作成
 
2011年5月に発行68頁フルカラー 1000部作成熊本県内で無償配布
 
今年2013年5月末発行148頁フルカラー 750部作成現在配布中


 写真の出来・不出来は決して使用している機種の優劣で決まる訳ではない。何をどの様な視点で撮影し訴えるか・・・これに関する要因の優先順位で撮影機材の優劣ははるか下の方に位置する。撮影者の観点・感性・演出力の方が遥かに重要だ。野鳥だけでも良い、祭りでも良い、東京に残る下町風情でも良い、自分が育った日本の田舎の原風景でも良い。テーマを決めて1年間ひたすら撮り続ければ相当な枚数に成ろう。ただやみくもに手当たり次第撮影しまくる手法は好きではない。あまりに撮れた画像の偶然性が高すぎるから次に続かない・・・。

 撮れた画像を分類して構成してゆく、この過程がとても面白い。シャッターを切った瞬間の事は不思議と覚えているもの、だからキャプションを書こうと思えば頭に浮かんだそのままを書けばよい、日記と何ら変わらない。別に一言で良いのだ。

 
 この一連の、思い立つ、撮影する、パソコン処理する(外注可能)、写真集の編集をする、出版する~の作業には、如何に人間を長く健康で生きさせるかの要素が沢山入っている。

 何百人ものサポーターのお蔭でエベレストの頂上に立った三浦雄一郎氏も実際一人になってしまえば我々とあまり変わらないと思う。別にセサミン飲まなくても「目的意識」とそれに向かう「気力」さえあれば彼の様に自分の目標は達成できるだろう。  

 彼に最初に生で会ったのは1966年富士山直滑降成功の記念展示会が東京都内のデパートで行われた時だった。サインをもらって、彼が使用した波多スキーのメタル板に憧れて同じブランドの板を買ったが1シーズンで先のカーブ部分が折れてしまった。しかし彼はスポーツの世界での目立ちたがり屋第1号だったのではないだろうか?80歳までそのテンションを落としていないのは凄いと思う。

 この三浦雄一郎の狙った山の頂点に立つという行動と、我々の撮った画像でオンリーワンの写真集を創って人に配る・・・は底の部分で完全に繋がっているのだ。