2016年4月30日土曜日

団塊世代が考える野鳥観察・写真撮影とルール・マナー考察。 

 鉄道ファンがカメラを抱えて線路際やホームの端に鈴なりになってシャッターを切り、大きな問題になっているメディア報道は皆さんも良くご存じの事だろう。昭和40年頃から昭和50年の蒸気機関車全廃までの10年間全国的にSLブームだった事を知っている方は団塊世代が一番多いだろうと思う。
鉄道写真ファン Google画像

 このブームの頃、有名撮影地ではファン同士の場所争いなどのトラブルが多発してマスコミを騒がせた。同時に地元民との間でもトラブルが発生し、21世紀に入ってからの最近の「鉄子・鉄男」の一部鉄道撮影ファン達の度を越した行動の原点になっているという。

 鉄道に止まらず、カメラ愛好家、撮影趣味人たちの熱中のあまり常軌を逸脱した行為が問題になっている。野鳥撮影に関しても全く同様の事が多発しているが、この10年、色々なケースを視てきたので少しまとめてみたい。
一般的なアマチュアカメラマン

 野鳥関係の団体でも撮影時のマナー、ルールについては色々な意見が出たり討論が行われているが、最終的には規制だとか罰則だとかいう前に、個人個人の自主的な抑制が基本となるのだろう。これは色々な団体内での申し合わせの落ち着き所などの状況を14か所ヒヤリングしてそう感じた。
野鳥撮影のアマチュアカメラマン

野鳥撮影のアマチュアカメラマン

本格的な野鳥観察・生態撮影者

その中で、気に入って時々覗いている野鳥ブログの主宰者のプロフィールに載っていた考え方に共感を覚えたので、一部をご紹介したい。

 最近、野鳥撮影に対して色々考えます。
野鳥が好きだから、動物が好きだから、綺麗な姿を手元に残したい。
でも、その綺麗・・・が問題。
綺麗に撮りたいがために、野鳥に迷惑をかけていないか?
そこで、私自身に『野鳥撮影の掟』を定めることにしました。
1.野鳥に危害を与えない
2.他人に迷惑をかけない
3.繁殖を邪魔しない
4.自然を壊さない
5.野鳥に迷惑をかけそうなら撮影を諦める
バードウォッチャーの方々には野鳥撮影をする人を毛嫌いしている人がいます。それも多く。
それは上の事柄より、綺麗に撮ることを優先する人がいるからなのでしょう。
枝が邪魔だと折ったり、
近くで撮りたいとエサを撒いたり、
暗いからとフラッシュを焚いたり、
フクロウが目を開けないと石を投げたり、
近くで撮りたいと遊歩道を越えて、貴重な花を踏んだり、
悲しい話をたくさん聞きます。
野鳥を撮影しようという人は元々は自然が好きだったのでしょう。
しかし、いつのまにか
『綺麗に撮りたい』
『みんなに褒められたい』
と言う誘惑に負けてしまったのかと思います。
自分だけでも『野鳥撮影の掟』を守り
胸を張って、
『野鳥が好きだ!』『自然が好きだ!』
と言いたいと思います。」


この方の自分で自分にルール!は野鳥撮影家一人一人が当然持っていて良い「決め事」だと思う、大賛成だ。

 筆者も「綺麗に撮る事」より普段観られない生態を詳細に記録レポートする、その証拠を撮影する流派なので綺麗に撮る事にはあまり執着が無い。何処まで当てはまるか判らないがそれなり厳しいルールを決めて守っている。

 しかし最近、このルール・マナーを守る自分の行動より、自分とマナーの守り方が違う!など、やみくもに他人を非難したり攻撃したりする自称バーダーが増えているという話が地方からいくつか入って来た。
 そういう攻撃をする自称バーダーは攻撃する相手の状況を良く調べもせずに攻撃をするとの事。しかも自分の仲間に声を掛けて「そうだそうだ」と数名で集中攻撃をするという酷い話まで入って来た。まるで一人では話も交渉もできない、数を頼みの江戸の昔の百姓一揆や漁民騒動のようだ。

 詳細を訊いてみたら、そのきっかけが殆どレベルの低い羨ましがり、妬み、やっかみの類い、あるいは排他的な村社会の因習だという事らしい。ライバルが野鳥写真コンテストで入賞し自分が落選した、あるいは自分の作品が入選出来なかった地元の写真展に、県外から応募したカメラマンの作品が上位入賞した・・・等、嫉妬や排他的地元意識がすべての原因だったりするというから驚きだ!
探鳥会での観察者達

 しかし、それに止まらず、自分が撮影できなかった珍鳥を撮影した人に、自分がそのチャンスを得られなかったからと難癖を付けたり、野鳥の珍しい生態を撮影する偶然を得た人を「先を越された」と攻撃する野鳥団体のメンバーも決して少なく無いそうだ。なおかつ調べてみるとその殆どが団塊世代を中心とした年代だというのだからまさに筆者の世代そのものではないか!恥ずかしい。

これはすべて嫉妬や羨ましさからの意趣返しの様な行為で、ごく一部の人に負けず嫌いの頑固なバーダーに見られる特徴の様だ頑固者である事を美徳とするような地域に、特にこの手の御仁が多いらしい。
このブログで2年前から週末連載の「団塊世代のヤマセミ狂い外伝」にも書いた通り団塊世代に特に強い「他より常に優れていたい優越感」を得たいが為の結果なのだろう。前出のブログ主宰者の方の仰る通りだ。

優越感について= http://yamasemiweb.blogspot.jp/2014/01/this-is-real-story-of-japanese-baby.html


 人吉市の球磨川に飛来したオオハクチョウに群がる見物人達、実は地元県内の野鳥の会のメンバーだと後で聞いて驚いてしまった。この後オオハクチョウは脅威を感じて筆者の上を二羽で飛び去って行ってしまった。右下にオオハクチョウのつがいが居る。自然相手の観察撮影に、野鳥関係の団体構成員が平気でこれほど群がり、脅威を与えて飛ばしてしまうのが現状なのだ。

自分のマナー違反(ブログにマナー違反画像をアップ)を棚に上げて、他の撮影者の行動をマナー違反と決めつけ非難する者。野鳥関連団体にこの手の御仁が多いのも本当の所だろう。
その一方で営巣中の巣の中をストロボ撮影をし、野鳥の繁殖を阻害している画像を数多く掲載した仲間の出版物を「良い本だ」と平気で薦めたりする。

自分の住んでいるエリアに飛来した珍鳥は自分のモノ、利権だと勘違いし、他のエリア、特に県外ナンバーの車で観察や撮影に来た人たちに見せまい撮影させまいと排除したり、恫喝して追い出したりしようとする排他的なエゴイスト。思いの外自己中心的なバーダーが居る様だ。まるで好物の骨を咥えた犬に近づくと盗られるのではないかと警戒し「ウ~ッ」と唸るのと同じだ。

筆者がお付き合いさせて頂いている野鳥観察者、野鳥撮影者の殆どは尊敬すべき人物ばかりなのに、やはり野鳥界は広いようで、探鳥に行く全国先々で色々な人種に出遭う。これも試練と考え、排他的、攻撃的な御仁とは闘わず自分の研究実績・成果で無言の反論をして行くのが正しい姿と心得ている。男女関係と同じで嫉妬に狂った人間はいくら説得しても討論しても無理、無視するしかないだろう。

※なお今日のブログに掲載された画像は本文と直接的な関係は無い。