2014年6月27日金曜日

野鳥撮影における自分の立ち位置確認マトリックス。 This is everyone's standing position of matrix in the wild bird photographing .

 今日はちょっといつもとは違う内容だが、非常に重要な事だと思っている。

 野鳥を観察したり撮影したりしていると、色々な人に出遭う。こういう状況で良く有る事だが、相手も自分と同じ考えで、あるいは同じ目的で対象野鳥、あるいは被写体に接するものだと思い込んでしまう事が有る。たとえば、渡り鳥で非常に珍しい種が飛来した時に、とにかくこれはラッキーとばかりに出来るだけ接近してクリヤな画像で仲間に自慢できる画像を撮影したい・・・という野鳥撮影専門の人も居よう。一方で滅多に出遭えないその野鳥がどのような行動をするのか、今まで観察データが無いので自分で観察を続けて、その生態を証拠として記録する為に撮影する人も居よう。

 また一方で、素晴らしい風景や被写体を撮って、あちこちの写真コンテストに出して入選を狙うアマチュアカメラマンも居よう。そうして、その被写体が野鳥と云う場合もあろう。これはこれでフォトコンと言う一つのジャンルが確立されており、私の小学校時代のクラスメートも連日切磋琢磨して腕を磨いている。既に何度も入選してそれなりに頑張っているようだ。
 しかし、野鳥撮影においては、この写真撮影が命のアマチュアカメラマン達と野鳥観察・調査の為の撮影者の間で時折問題が起きる事が有るようだ。

 勿論、ケースバイケースで、それぞれ原因も内容も異なっているようだ。ちょうど仲の良い友人がこのアマチュアカメラマンでコンテスト荒らしを自認する20年選手なのだが、野鳥撮影に関して話をして色々な意見・考えやアイディアが出て来たので、自分たちなりに一緒に何が出来るか考えてみた。やはり、しっくり話し合ってみるとそれぞれの狙いと、目的達成のための手段に対する考え方が随分異なっている事をお互い認識できた。

 詳細は省くが、まず野鳥撮影をしている人種がどう云うジャンルに分布しているのかを視てみようと云う事に成り、1970年代発行の米国のNational Geographic誌(洋書)に出ていた、ネイチャー・カメラマンの色々と言う解説文を参考に、日本の今の状態をマトリックス化してみた。これはあくまで私的なものであり、異論・反論は当然あろう。在って当然だと思う、自分の立ち位置で自分以外の世界を観ればそれぞれ違って見えて当たり前なのだから。

 しかし自分の考え(=自分なりのマトリックス図)をまとめても居ないのに、反論したり否定・非難するのはインターナショナルスタンダードに反する。自分の考えもしくは反論に値する代替え案を提示出来ない者は、他人の考えや意見に反論する資格がない、してはいけないという事を、1980年代にコロラド州デンバーでの国際自然保護会議に出席した時に学んだ。この時はまさに目から鱗だった。

 そのデンバー環境会議の時はスノーボ―ドのスキー場エリア外滑走をするマナー・ルール違反者を、どの様に注意し減らそうかと言うテーマだった。スノーボーダーがコース外滑走で、樹木にぶつかり、枝が折られ植物が枯れるのを防ぐというモノだった。髪の毛を染めて目立つ格好をした有名なプロライダーが、声高に「こう云う事をして良いのか?撲滅すべし!」とアジった。

 そうしたら、スポーツ・ジャーナリストが落ち着いた声で「じゃあ、君はどう言う方法で止めさせれば良いと思うのか?当然プランは有るよね?」と訊いたらアジった本人黙って座ってしまった。おまけにそのプロライダーのプロモーション・ビデオには林間コースを木の枝をへし折りながら滑っている姿が沢山映っていたのだった。彼は翌日その会議から追放されてしまった。自分のやっている事を棚に上げて人を声高に非難するのが、恥ずかしい行為だと云う事も世界共通のようだ。

 本題に入ろう。

 前置きはこの程度にして、野鳥撮影をする人間がどのくらいのグループに分かれているか、その立ち位置を図表化してみたのがこのマトリックスだ。これは、広告代理店時代に散々行ったクラスター分類、あるいはターゲット・マトリックス図表のごく初歩的なものと同じもの。マトリックスは2次元図で作成したが実際はカメラ機材のレベル軸が加わって3次元の立体図表になると思う。しかしここではそこまでは触れない。動画などが入って来て、そこまで来ている4K動画カメラでの画像収録が始まると、さらに複雑になると思われるから。
撮影に限らず野鳥観察・撮影に関わる全体マトリックス、まだ未完成なので今後の調査やヒヤリングなどで完成させていきたいと思っている。時代とともに変化するので終わりはないかもしれない。

いわゆるアマチュアカメラマン、最近団塊世代中心に急増しルール・マナー無視、自己都合による自然破壊、競争意識・他人への迷惑配慮に欠ける行為など全国で問題を起こしている。

 このアマチュアカメラマンが被写体を野鳥に向けるとまず入門野鳥としてカワセミへの執着が始まる。人工的な止まり木を設置、季節感を出すため、あるいは綺麗でユニークな画像に仕上げる為、ヤラセで止まり木にそこいらでへし折ってきた桜の小枝をくくりつけたりする現場を、熊本の江津湖で観た事が有る。呆れてしまってその人たち全体を撮影したが掲載はしない。

 これが、同じカワセミを撮るにしても、野鳥の生態などをベースに撮影する人は撮影するための場所を演出したりせず、手持ちで歩いて被写体を捜すだろう。此処で一つの線引きが出来ると思う。もっとも残念な事にこの撮影者はとうとうこの目の前のカワセミに気が付かなかったが・・・。

 だが煙草を吸いながら歩行で野鳥を探し、吸殻をそこいらに落としながら野鳥撮影を続けているので、やさしく丁寧に注意はしたものの「チッ!」という感じだった。アマチュアカメラマン達を非難する前に野鳥探究側にも目を向ける必要は大いに有ると思う。しかしこの場合は野鳥関係以前に人間性の問題だが。

 アマチュアカメラマン側の友人に言わせると、とにかく野鳥専門の撮影者たちは高圧的な言動が多いという。やたらと声を掛けると直ぐに「あっち行け!」と言われるという。不評なようだ。特に野鳥関連の団体に入っている人々の上から目線的な話し方、野鳥は全て自分たちが保護・管理しているのだと言わんばかりの排他的な態度など、目に余るという。この私も野鳥関連の団体に所属しているし同意できない部分も多いので、こればかりは聞き捨てならず、しっかりと意見を聴いておいた。それによると野鳥を観察・あるいは撮影している時の人間の思考や懸命さが一般のアマチュアカメラマンには理解できていない事が良く判った。

 一番顕著なのが、「今このチャンスを逃したら一生出遭えないかもしれない!」という瞬間に「何してんですか?なんか居るんですか?」と訊かれても対応できない・・・と言うケースが多いようで、その必死さ、集中度合がなかなか判らないそうだ。要はコミュニケーション不足に気が付き、他人は自分とは違うのだ、野鳥撮影するにしても色々な人種がいるのだと云う事の整理をつける役に立てば、マトリックス図を作ったのは成功かもしれない。

 とりあえず、自分以外の人間で野鳥にレンズを向けている人種がこれだけ色々な種類、違う目的で存在するのだと云う事をまとめてみた。もちろん野鳥に関わる人間に貴賤は無いし、間違っても上下関係が在ってはいけない。