2023年10月15日日曜日

団塊世代はジャニーズ問題に関する一番の正論をやっと発見した。 The baby boomer generation has finally discovered the truest dissertation regarding the Johnny's problem.

  今、日本のメディアはウクライナへのロシア侵攻に加え、パレスチナのイスラエル攻撃問題が勃発して、ニュースネタが急速に増えてきた。

 これに乗じて、あれだけ大騒ぎしたジャニーズ問題に関し、自分たちメディアへの「見て見ぬふりをした責任追及」という風当たりが強くなった事をまずいと感じたのか、ぐっと報道量が減ってしまったようだ。

 しかし此処に、それらNHKを中心とした日本のメディアが如何に「報道しない自由」などと屁理屈を掲げ、ジャニーズ問題を闇に葬ってきたかをあからさまに説いた記事を発見したのでご紹介したい。

 筆者は、今のところこれほどジャニーズ問題を公平に事実に基づいて解説している論説は他に無いと思う。

 これを論ずるのは、SNSにいい加減な情報・記事を乱発する自称事情通などではなく、れっきとした頭脳明晰な早稲田大学の教授だ。非常に判り易く事実に則って解説してくれている。

 有馬 哲夫(ありま・てつお)

早稲田大学社会科学部・社会科学総合学術院教授(公文書研究) 1953(昭和28)年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得。2016年オックスフォード大学客員教授。著書に『原発・正力・CIA』『歴史問題の正解』『日本人はなぜ自虐的になったのか』『NHK受信料の研究』(新潮新書)など多数。

 https://news.yahoo.co.jp/articles/4613a8ff6978063953092c2c4a8ccbe6873f1ff5?page=1

 

 個人的に言えば、1960年代前半「NHK総合・夢で逢いましょう」に出てきた初代ジャニーズからフォーリーブス、たのきんトリオくらいまで、つまり1970年代前半までしかジャニーズ事務所のタレントはイメージが残っていない。

 初期のこうしたタレントは動きながら歌を歌う今迄に居なかったエンターテイナーだった。

 しかし、当時すでにヒットし始めていた米国のビーチボーイズやフォーシーズンス、女性ボーカルグループ、ロネッツ、シャングリラス、シフォンズ、などとは違い大したハーモニーもなくユニゾンで同じ旋律を歌うだけという音楽的にはほとんど見るべきものがないタレントだと思った。

 1960年代から70年代へかけてのビートルズを筆頭に旋風が吹きまくった洋楽POPSの劇的な変化と比べると、あまりに寂しいレベルの低い日本の音楽シーンと言って良いだろう。

 興業の仕組みから言えば、戦後の日本のショービジネスの世界は「裏の世界」が仕切っていた時代から、ショービズと呼ばれる「音楽・タレント事務所」つまりプロダクション形式になっていく過程が1960年代~70年代だった。

 で、極端な性癖を持つ経営者ジャニー喜多川氏のジャニーズ事務所・性加害犯罪をNHKを中心としたメディアのほとんどが隠してきた事実を、正面から順序だてて解説しているのが、この早稲田大学の有馬哲夫教授だ。

 特に筆者が共鳴したのがこれらの部分だ。

■マスコミとテレビ業界は『共犯者』である」

 「1988年に北氏が告発したとき、マスコミが今のように騒いでいたら、また、遅くとも1999年に、週刊文春に追随して各メディアがキャンペーンを張っていたら、また、テレビ業界などが真相究明に動き、自粛措置をとっていたら、それ以後の性被害は未然に防げたし、犠牲者の数も減っていた。この意味で、主犯はジャニー氏だが、マスコミとテレビ業界も立派な共犯だ。」

■ジャニーズ記者会見が気持ち悪い理由・・・」

 「マスコミの攻撃の矢面に立たされた藤島ジュリー景子、東山紀之、井ノ原快彦各氏は、ジャニー氏の性被害とどう関係しているのかわからず、もみ消し工作に加担していたのか、あるいは傍観していたのか定かでない。  だが、一方のマスコミやテレビ業界は、あきらかに、もみ消す側、または傍観する側に立っていた。彼らがすべきことをしなかったこと、つまり、テレビ業界がジャニーズ氏との対決も辞さずに自浄作用を働かせようとしなかったこと、マスコミが見て見ぬふりをして報道しなかったこと、それが被害を継続させ、犠牲者を増やした。  そのマスコミとテレビ局のリポーターが、藤島、東山、井ノ原各氏に声を荒らげて、居丈高に、「質問」している。傍目から見ても、非常に気持ちが悪い。彼ら関係者に質問するマスコミとその模様を放送するテレビ業界のほうが、すべきことをしなかったという点で、それによって性被害を拡大させた点で、罪が重いのではないか。」

■なぜアイドルがドラマや映画で重用されるのか?」  「テレビ業界の共犯者のなかでも、特に罪が重いのは、テレビの音楽番組のプロデューサーたちだろう。つまり、音楽番組に誰を出すかをジャニー氏と談合して決める権限をもった人たちだ。彼らがジャニー氏の意向を出演者の人選に反映させたことが、ジャニー氏の絶大な影響力と権力の源となった。  そして、この背景には、日本独特のスターシステムがある。アメリカならば、音楽グループが俳優としてドラマにでることはまずない。彼らが映画に俳優として出てくることはもっとない。イギリスもこれは同じで、アーティストは、曲作りと公演とレコーディングで忙殺される。テレビはテレビで、映画は映画で、若いころから演技を磨き、経験を積み、キャリアアップしてきた俳優がでている。音楽とテレビと映画は別々になっている。  ところが日本は、音楽グループが、人気が出て、CMにでて、大衆に認知されると、ドラマや映画に起用される。いったん大衆に認知されると、歌や踊りが多少下手でも、テレビに出してもらえる。実力はあるが名前の売れていないアーティストを出すより、すでに認知されている音楽グループを出す方が、確実に視聴率がとれるからだ。」

・・・以上「 」内、記事より抜粋。

 実は、この3番目のブロックにある音楽グループ(単独歌手を含む)が俳優として映画やTVドラマに出てくることはない・・と説いているのはほんの少し違う。エルビス・プレスリー、モンキーズなどはけっこう映画やTV番組に出ていた。ジャニーズなどもこのモンキーズに近いスタンスだったのではないだろうか?

そのモンキーズが真似た本家・英国The BEATLESの映画はアニメのイエロー・サブマリンを除くと3本だけだ。同じく英国のThe Dave Clark Five, Gerry & The Pacemakersもそれぞれ1本だけ映画に出ている。全く出なかった訳ではない。
 
 もちろん日本では美空ひばりがトップ歌手でありながら何と162本の映画に出演している。

 しかし、これらは未だTVがその後のテレビ時代ほどまだ普及していなかったし、内容的にも映画にはかなわなかったからだと思うが・・。
 いずれにせよ、有馬教授のこの記事をきちんと読んでから日本のメディアの酷さ、いい加減さ、現在のジャニーズ事件に対する対処報道を注視しなければいけないと思うが、如何だろう?