今年の桜花見は気温の関係でいつもの年より長く愛でられているように思う。また、メディアもそう報じている。
いつもの通りメディアは大都会の排水溝・コンクリ護岸の目黒川、石神井川、神田川、呑川など、護岸堤防沿いの殆どがソメイヨシノの桜並木へ集まる近隣県人や、インバウンドの外人観光客の花見客の賑わいばかりを報じている。
しかし筆者思うに、相も変わらずメディアが報ずるまま人の集まる所に行きたがる日本人独特の行動が何だか非常に悲しく感じられた今年の花見シーズンだった。
こういう人たちって、「万博行ったぁ?」とか「あの映画観たぁ?」と訊かれて、自分だけまだ行ったり見たりしていないのを負い目に感ずるのが嫌だから行く・・・様なノリに似ているような気がする。
しかし筆者は思うのだ、Facebookでも知り合いが沢山行った先の各種花見、桜の状況を投稿してくれているので、実際そこへ行かずとも雰囲気は充分伝わってくる。
一方で富士山の写真やダイアモンド富士の写真の様に、この手は毎年どんなに違う所の花見写真でも似たり寄ったりのような気もする。
今年も上野恩賜公園の桜を観に行ったが、例年に輪を掛けてインバウンド=外人客が多く、花の蜜に群がるメジロやヒヨドリを盛んに撮影していた。特にヒヨドリは欧米にはいないので外人バーダーさん達はこぞって蜜を吸うヒヨドリを撮っていた。
筆者も桜の蜜を吸うヒヨドリは幾度か今年も投稿した。
https://yamasemiweb.blogspot.com/2025/03/focus-on-brown-eared-bulbuls-which-can.html
そのヒヨドリ、昨日訪れた東大小石川植物園の桜大木で一羽だけ奇妙な動きをしているのを発見!
他の数羽が花の蜜を吸っているのは間違いないのだが、その一羽だけ満開の桜花の中から出たり入ったり、横切ったり、上下に激しく上昇下降するのを見てどうも昆虫をフライングキャッチしているのでは?と過去の野鳥のフライングキャッチから判断した。
花一杯の植物園に仁王立ちして望遠レンズで桜の樹に向かって連写する筆者を見て、花見客の皆さんは一体何だろう?と思ったに違いない。こういう場合の野鳥撮影者は非常に場違いで孤独かもしれない。
100種類近い桜の樹がある東大植物園はそろそろ八重桜に主役が移りつつある
桜の絨毯は今が一番きれいな時
満開の桜の上を一羽のヒヨドリが躍る様に舞っているのに気が付いた。
幾度かキャッチしただろう瞬間にシャッターを切ってはみたが確証は出来なかった。
それが一度大きく花の上に空抜けで飛び出した!
其処からの連写に写っていたのは、明らかに羽虫を追って急ターンし
捕える瞬間が収録されていた
上のカットの拡大がコレ
この場面でも視難いがゲットする瞬間が・・。
このカットでも、赤いくちばしの先にはやはり羽虫がかすかに見えている。
こうした野鳥の生態、行動の瞬間を収録するのがまさに筆者の目指す野鳥撮影だ。
珍しい野鳥種(珍鳥・迷鳥・希少種)を野鳥図鑑さながらにトリミングなしで撮れることを目指し自慢する数多くのバーダーさん達とは目指す方向が全く違うので、あまり注目されないが、こういう野鳥撮影者が居ても良いと思う。
情報を得て⇒現場へ急行し⇒他の撮影者の行動を見て居場所を確認⇒少しでも近づいて⇒撮影する・・パターンが一般的だろう。
しかし筆者の場合「情報を得る」事がまず無い。自分の足で歩いて探すところから始まる。だから鳥見に出る際、何が目的?というモノがあまり無い。ヤマセミやカワセミの場合何をどう撮影するか・・・を決めているのとちょっと違う。
何が出るか判らない楽しみが大きい。昨日の探鳥歩数は2万歩を超えた。カメラ機材の8㎏を背負っての事だからいわば体育会系バーダーかもしれない。
なお余計なことかもしれないが・・。
少しでも楽に長距離を早く歩けるように、ネットで見てナンバ歩きをマスターした。
江戸時代の日本特有の歩行法だ。ただよく言われる歌舞伎の六方のような左右の手足を同じ側同時に前に出すのではない。
矢野竜彦氏の説に近い、両手をだらりと自然状態で下げ、右足が前の際は下げた右手の手のひらを時計回りに前に向け開き、左足が前の場合は左手のひらを反時計回りに進行方向に向けるだけで手は前後に振るというより上下に上げ下げするような感じ。
此の掌の返しは逆動作も可能。慣れた方で行えば良い。
要領的には子供の頃盛んにやった「缶下駄、缶馬」の類の動作に似ている。
これで速足で移動すれば1日の歩行数が増えても以前より楽になった気がする。