そのお爺さんは写真集を見るまでヤマセミと云う野鳥はただ「白くてせからしか鳥」と思っていたとの事だったが、ヤマセミの写真集を観てからは毎日楽しみにしているそうだ。何かとても嬉しくなった。暑い時は麦茶を振る舞ってくれるし、冬はこちらが魔法瓶の珈琲を振る舞う。土手の草地に車を停める時にはうるさく鳴く番犬を家の裏に回してくれる。望遠レンズを覗いた時の驚き方歓び方は相当なモノだった。
やはり野鳥の観察は通年でその場に居る方が一番よくご存じだ。春夏秋冬、天候の良し悪し、川の水位の増減、水の清濁、すべて野鳥の行動に関係がある事を熟知している。話を聴くだけで非常に参考になる。
今回のヤマセミの採餌は、ちょうどその方と車の横で立ち話の最中に始まった。爺様は「ホレ、其処へ来た。」と後ろを指さすので何かと思ったら土手のすぐ下の大きな岩にヤマセミだった。こちらも顔を覚えられている(たぶん)個体だったのでゆーっくり反転してカメラを構えた。それから一部始終を撮影したのが今日の画像。爺様はいつの間にか家に戻っていた。
午後3時半、まさに立ち話の最中足元の岩に来てくれたここを縄張りとする雄。
いきなりジャンプして
フレームでも追い切れない程飛び上がり
体をひねって急降下に入った
半回転ひねった感じで急降下、採餌シーンは止まっていた岩の影でまるで見えない。
気が付くと見事にカジカ、ドンコ系の茶色い丸い尾びれの底魚をゲットして対岸へ飛ぶ所。
ちょうど背景は真っ暗な木陰で手前の岩に直射日光が当たるという撮影には厳しい環境
岩に叩きつけて完全に息の根が止まるまで繰り返した。
青魚よりは手こずるのだが割にすぐ呑み込んだ。
カジカ系はヌメリが多いのかお浄めの飛び込みは7回を数えた。
身繕いが終わった途端、雌を呼ぶ連続音で鳴き始めた。