2025年5月28日水曜日

団塊世代は新たにもう1カ所別のオオタカ繁殖現場を観察した。 The baby boomers observed another new breeding site for northern goshawks.

  約10日前、東京の緑地でオオタカの営巣・繁殖に初めて出遭えた件をこのブログでご紹介したが、アクセス数においても、告知をしているTwitter(現X)でも通常時のYAMASEMI WEB BLOGよりずいぶん反応が高かった。

 NHKの「ダーウィンが来た!」やその他ニュースなどのメディア報道で、都会におけるオオタカの繁殖に関しては皆さん慣れっこになっているものとばかり思ったが、意外にも実際現場に行ってみると、群れを成したバーダーさんがワンワン集まっているという印象は少なかった。

 というより、一部の常連さん以外なかなか自分では営巣の巣を見つけられないようだ。更には常連さんですら親鳥が樹林帯を抜けて飛来し、給餌して再び樹林帯を去っていくのが判らないようだった。キャアキャア♪という猛禽類独特の鳴き声を聴いて初めて「何かが起こっている、親が来た!」と反応されるようだ。

 今回の2番目営巣地は、やはり大きな池のある首都圏東京都の緑地公園。1番目の緑地よりはるかに日常通行人の多いエリアで、比較的通り抜けの散歩や犬の散歩、自転車通行者の多い地区。東京だから仕方がないが、すぐ傍まで民家が迫っているエリア。

 筆者はサギ系、カモ系、その他野鳥の居る池のある方には良く行くのだが、今回のオオタカ営巣地は初めて足を踏み入れる未知の場所だった。

 10日ほど前その緑地を通過した際、間違いなく猛禽類の鳴き声を聴いたのでオオタカ?と思いネットで探ったら、どうやらその緑地のどこかで営巣中らしいという情報を得ただけで、肝心の巣の場所などは全く判らなかった。

 しかし、1.5㎞×1㎞程の広さの緑地で猛禽類が営巣しそうな場所は、筆者ある程度「勘」で判るようになっても居たので、到着して20分も掛からずその場所が判明した。

 そこで高さ20mほどの営巣樹木の周りを遠巻きに3周し、木々の葉の間から巣を見通せるようなポイントをいくつか探し出した。これに30分ほど掛けた。営巣樹木からは40mほど離れての円周。そうでないとあまりに直下から高さ10mほどの巣を見上げては巣の底面しか見えないから・・・。オオタカは決して巣から下を覗いて顔を出してはくれない。

 で、40分ほど経った頃、あるポイントから巣の中にヒナが3羽居るのが見えた。何と3羽揃ってこちらを向いてくれているではないか!これが最初の営巣地とは大きく違う点だった。

 1番目の繁殖地のヒナはまだまだ孵化したかも判らない状態だったので、個体によって繁殖進行状況が随分違うのだと思った。

この状態のヒナはツミ(唯一経験あり)など他の猛禽類と非常に似ていると思った。

左の個体は盛んに羽ばたきの練習をしていた。幼毛が抜ければ巣立ち?

 2021年世田谷区の緑地で観察したツミの繁殖ブログ時と同じようなヒナの姿に、やはり猛禽類のヒナは同じ様な姿なのだと実感した次第。

 野鳥の営巣地を撮影する際は非常に神経を使う。上から見下ろすような撮影はご法度だし、ましてや巣の中に光を当てて撮影するなどもってのほか。しかしこういった都会の人間の生活圏での猛禽類の場合高い樹の上の巣を見上げて撮影するのは短時間であれば問題ない。
 東京での猛禽類営巣下での撮影経験は2021年のツミに続いて今年のオオタカが二度目なのだが、東京で繁殖の邪魔をしたり繁殖を失敗させたという話は今だ聞いたことが無い。都会に住む野鳥は思いのほかしぶといのだろう。野鳥も住む環境で随分状況が違う様だ。

 で、話を戻して・・。

 親鳥が獲物を捕らえて巣に戻ると、少し離れた樹木に留まり甲高い声で何度もキャアキャア♪と何度も鳴く。さすがにこの時は数名のバーダーさんが集まって撮影をした。


獲物は今の時期巣立ちが多いムクドリっぽい気がした。

給餌が終わって巣から離れた親鳥、数羽のカラスの声を聴いて

向きを変え

首をくるくる回してカラスの群れの方向を注視した。

それからしばらくして、くつろぐ姿を発見、相当人慣れしていると感じた。

 またしばらくして、1番目の営巣地と共に巣立ちの頃訪れてみようと思う。

2025年5月24日土曜日

営巣中の樹林地帯を飛び交うオオタカの続き! Report of Goshawks fly over the nesting woodland is continued ! 

  二日間の雨の後、再び首都東京に在る大きな緑地で営巣・繁殖中のオオタカを観察に行った。今の時期カイツブリやカモ類が生息する池からさほど離れていない樹林帯に営巣したオオタカは割に人間慣れしているようで、警戒心はあまり高くないようだ。

 日によっては数名のバーダーさんが巣の様子を撮影しに来るようだが、昨日は他の野鳥の営巣、雛への給餌行為の撮影に夢中でオオタカへの注目度はあまり高くないようだった。

 3回目の訪問で昨日は合計3時間も様子を観察した。路傍の岩に腰を掛けて長時間の観察は人吉市でのヤマセミ観察時に味わった経験を想い出させてくれた。

 しかし、観察し慣れたヤマセミと違っていつ何が起こるか?を予測しにくいオオタカの場合気を張る時間が長い上、明るい球磨川と異なって薄暗い樹林地帯での猛禽類の動きを注視するのは眼も疲れてしまう。たかが3時間だったが改めて野鳥観察の体力的消耗を感じた一日だった。

 猛禽類の営巣観察と言えば、数年前やはり都内の池のある公園で偶然出会ったツミの営巣~巣立ちを数日間通った経験があるのみ。

 昨日NHKBS4Kで深夜放送された4Kプレミアムカフェで再放送されたワイルドライフ 東京 奥多摩の山々 源流の森にクマタカが舞う」で放送されたような何日もかけた収録とは訳が違うモノの、筆者的には偶然出会えた猛禽類の観察はたったの二度目だ。

 都会のオアシスで繁殖する猛禽類はなかなか観察しにくいと思うのだが、明治神宮のオオタカも周回路の木の梢に営巣していたし、「人間、通行人」の事は見切って警戒はあまりしないようだ。

 周辺を通行する人間も長い望遠ズームレンズを付けたカメラを首からぶら下げ、さもバーダーだよ・・・の身成で周辺をウロウロする一群以外、気が付く人も少ない。

 ただ、バーダーさんのグループはオオタカの動きが無い時(実はあっても話に夢中で気が付かない事が多い)は必ず一カ所に集まって、おしゃべりに夢中で声高に笑ったりするから、「何だかなぁ?」状態に陥ることが多い。

 筆者思うに自然相手の真剣な撮影を多人数で和気あいあいで行うことのメリットはあまり無いと思う。仲間内で野鳥撮影を楽しむサークルのような感じの方が多いようだ。

珍しくオープンエアーに出て来て剪定樹木に留まったオオタカ

飛び立ちの此処からが筆者大好きな追い写しのランダム画像

まるで床の間の掛け軸のような松(実はヒマラヤ杉)に鷹の絵?

樹林帯の追い写しは樹木の隙間からの偶然モノが多い

オープンエアー、空抜け画像は露出をマニュアルで撮らないと全てがシルエット

小さな獲物を掴んでいるか否か?観察は大事だ

予想より速いスピードでブレブレ ※ファインダーノールック撮影100㎜

樹林帯を抜ける雰囲気だけでも・・。※ファインダーノールック撮影100㎜

林間コースを抜けて去っていった。※ファインダーノールック撮影100㎜

2025年5月19日月曜日

オオタカが営巣中の樹林地帯を飛び交う! Goshawks fly over the nesting woodland!  

  東京の緑地で営巣中のオオタカ、三回目の今日は巣の出入りを遠くから観察した行動画像。

 くどい程言い続けているが、筆者の野鳥撮影に関してのモットーは「野鳥と航空機は飛んでいる時こそ美しい!」なので、3回目のオオタカ観察は樹林帯を飛ぶオオタカの画像。

 70ー300㎜Zoom装着のAPSCサイズなので実際は最大480㎜程の望遠になるはず。しかし実際動き飛ぶオオタカを樹林帯で追うにはその半分ほどの焦点距離だったろう。調べると大体180~200㎜あたりのレンジで手持ち撮影をしていた。

巣からの飛び出しは下降しながらスピードを加速させる

これは毎回同じ様だ。

メスへの給餌後また狩りへ出かけるオスと思われる個体


超望遠ではこれを捉えるのは非常に難しいと思う。ツバメやカワセミの追い写しで普段訓練していて初めて撮れよう。上空を舞うアカハラダカの群れなど、空抜けで同じ場所で撮れる猛禽類とは全然違う条件下。野鳥の生態撮影は意外に体育会系の特訓が必要なのかもしれない。



これも一旦巣から出た個体が7~80mほど離れた樹へ移動し鳴いて戻って来た時のモノ。


何故か口に木の葉を咥えて戻って来た!理由が判らない。虫を咥えたら葉っぱが付いて来たものか?葉っぱ自体に意味があるのか?猛禽類の生態に詳しくないので何とも・・。

2025年5月18日日曜日

東京の緑地で初めてオオタカの営巣に遭遇。 I encountered first time of goshawks breeding nest in green spaces of Tokyo.

  昨日のこのブログでは筆者が過去において遭遇・撮影したオオタカの画像をご紹介したが、あくまで東京の緑地での遭遇。

 これが全国となると、熊本県人吉市、八代市、熊本市内、鹿児島県霧島市、岡山県倉敷市、大阪市万博公園、長野県霧ヶ峰・八島湿原他、八ヶ岳山麓、奥日光戦場ヶ原、北海道北札幌野幌森林公園、霧多布湿原他、ありとあらゆる所で遭遇、撮影できている。

 要は、探鳥を兼ねて行く先々必ず何時かはオオタカに遭遇している事になる。勿論ほとんどが空を舞っている状態だが30%は枝留まり。しかし営巣している巣に出遭ったことはない。

 「オオタカが営巣しているから行って観ない?」とのお誘いは幾度も頂いた。

 しかし昨日のブログにも書いた通り、「NHKの「ダーウィンが来た!」の放送でもあった通り、一家族のオオタカ繁殖に群がるメディア(NHKも含む)やバーダーたちの常軌を逸した大騒ぎが嫌で、どこどこで営巣しているとの知らせを受けても一度も行かなかった・・・」という事だ。

 野鳥観察の醍醐味と達成感は、「調査と勘」を頼りに自分の足と注意力と観察力で歩いて探すことで倍増する。人から訊いて目指す場所へ行って皆で並んで同じ画像を撮る・・のでは、ちょっと厳しい言い方かもしれないが上野動物園の檻の前に行って目指す被写体を撮影するのに等しいと筆者は思う。

 ましてや警戒心の強い野生の猛禽類の繁殖を「野次馬撮影」で群がり、より警戒心を強めて繁殖に影響を与えては元も子もないだろう?

 以前、九州某県のバーダーさんが営巣中の野鳥の巣をストロボを発光させて撮りまくり、写真集(決して学術的なものではない)を出版し、野鳥関係の某団体の副支部長が「素晴らしい!」とAmazonでコメントしていたが、日本の野鳥関連団体にもこういった無知で非常識な輩がまだ居るのは悲しい事だ。

 

 今回の営巣地は土日になると沢山の人々、特に高齢者たち(自分もだが)が集う東京の緑地。営巣している巣の真下を全く気付かず多くの方が毎日通る様な状況。

 考えてみれば明治神宮のオオタカの巣も境内外周回路を歩いて見上げられる樹上に在った。

 意外に野生の猛禽類は脅威にはならない人間の沢山いる場所に平気で営巣するのだ。

 猛禽類ではないが人吉の奥の相良村の民家のすぐ裏の崖にヤマセミが穴を掘って営巣しているのを通りがかりの車の中から撮影したことが有ったが、非常に驚かされた。

 左上隅の黄色い丸で囲った部分がヤマセミの巣穴 2022年撮影(シラスの崖は毎年4~50㎝崩れて後退するため現在はもう無い)

 要は、野鳥は人間が滅多に入らない大自然の山奥に沢山いると思いがちだが、水と餌があって危害を加えない人間の生活圏内に意外と多く生息しているのだ。

 ある時、北海道の支笏湖に在る「野鳥の森」へ期待に胸を膨らませて行ったことが有った。ヒグマに最大限気を付けながら数名で行ったのだが、2時間でたった1~2種の野鳥に出遭えただけで、皆うなだれて帰って来た。

 そうしたら戻った宿舎の休暇村支笏湖の庭の白樺の根元に「ケッ♪ケッ♪」鳴きながらアカゲラが二羽居るではないか!この時は千歳川流域の住宅街の電線でオオカラモズにも遭遇した。良い経験だった。実は「何とかの森、だの野鳥の森」と称する区域に野鳥は少ないと思って良い。

 だからと言う訳では無いだろうが、オオタカが田園の鎮守の森の4~5本の高い樹に営巣するのも人が周囲に居る場所の方が安全だと知っているのだろう。近隣の住人も「キャアキャアうるさいのだけは気になるが」程度で熱心に見上げたりしないのだろう。

 今回の東京の緑地に在る営巣地もそういうことを考えると合点が行く。

今回の営巣を最初に気づかせてくれたのはこの飛翔カット。

林の中を横切って飛ぶ白い猛禽類、枝に留まってピャーピャー鳴くのに遭遇。

すぐ傍の樹木の巣から覗いているオオタカを視認できた。

眼が合ったが

別段気にもせず何度も向きを変えて

足場を確保していた。

鳴き続けるのがオスで、餌を運んだあとだったのかもしれない。

2025年5月17日土曜日

現在、東京のあちこちの緑地でオオタカの繁殖が盛んのようだ。 Currently, goshawks appear to be breeding vigorously in green spaces all over Tokyo.

  筆者は過去において幾度かオオタカの撮影を行っているが、営巣中のオオタカを撮ったことが無い。

 理由はNHKの「ダーウィンが来た!」の放送でもあった通り、一家族のオオタカ繁殖に群がるメディア(NHKも含む)やバーダーたちの常軌を逸した大騒ぎが嫌で、どこどこで営巣しているとの知らせを受けても一度も行かなかった。

 山でも都内の緑地(公園・植物園・神社境内)でも、探鳥していて偶然出会ったオオタカは観察をし撮影もするが、ハナからそれを狙って目指して行くことはなかった。

 今回も東京の緑地で新緑の中の野鳥を観察撮影しようと思い緑地帯を徘徊していたら、猛禽類独特のピャーピャー、キャァキャァ♪という鳴き声が聴こえて来た。

 で、ゆっくりその方向に足を進めたら針葉樹の高さ10mほどの所に木の枝を組み合わせた巣があり周りを見ながら鳴いている親鳥の姿が見て取れた。

 すぐさまレンズを向けて撮影はしなかった。巣があるという事はしばらく観察できるという事だから決して焦らなく他も良い。これはヤマセミの巣穴観察で学んだ大切な事だ。

 予想外の野鳥に出遭って、慌ててレンズを向けて逃げられてしまうバーダーさんのなんと多い事か?

 観察30分、シャッター1/2000秒・・・が野鳥観察撮影の基本だと思っている。営巣中の野鳥ともなれば観察が1~2時間あってもおかしくはなかろう?どうせそこへ戻ってくるのだから。

 今回の偶然出会えたオオタカのご紹介は2回に分けてアップしようと思う。

 

 まずは今までのオオタカの記録から。営巣情報を知って赴いて観察した事が無いので、全て探索中に偶然出会ったオオタカばかり。

明治神宮周回路で遭遇、筆者の頭上2mを抜けて後ろの道路のネズミを採餌した際の奇跡的な1カット。この際の様子はかってブログにも投稿。異常なアクセス数だった。

目黒の自然教育園のオオタカ

目黒自然教育園のオオタカ

明治神宮で別のオオタカ

野川自然観察園でのオオタカ

野川流域のオオタカ幼鳥

真冬の明治神宮御苑、南池で1時間以上たたずむオオタカ

明治神宮外周路でのオオタカ

飛び出しの瞬間ボケてしまった、林間での飛翔を撮るのは結構難しい。

 これら過去のオオタカ観察・撮影とは今回の営巣観察はちょっと異なっている。

巣に居るオオタカは初めての観察。長くなるかも。

2025年5月16日金曜日

団塊世代が観察した繁殖やり直しのカワセミの生態 その3・交尾. The ecology of rebreeding kingfishers observed by the baby boomer generation: Part3.

  明日以降、日本列島は梅雨入りに近い状態になるらしい。下手をすると南九州は沖縄エリアより早く梅雨入りするかもしれないという。

 長年続いた世界最大の潮流・海流「黒潮」の蛇行が収まった事で日本列島の気象条件が変わったような気もする。

 そんな中、野川のカワセミ。二度目の繁殖行為の真っ最中、交尾の状況を捉える事が出来た。

背後でホバリングしながらソフトランディングに挑むオス

徐々に接近して

ソフトランディング

しかし体重バランスを崩すまいとオスもメスも力が入るので瞬膜が閉じる

その後数秒して尾が見事にバッテンに重なり

射精が成功

今回も11秒間の交尾、2~3秒で離れる場合は大抵不十分で失敗。