2025年6月25日水曜日

再びオオタカの水浴びと羽根乾かし行動レポート その2。 Another report on the goshawk bathing and drying its feathers. Vol.2

  水浴びをしたオオタカのオスがその後どうするのか?探してみた。観察10回目

 水に濡れたものを乾かすのは大変なのだ。ウインドサーフィンをやっていた頃、海水で濡れたセイルを乾かすにはどうしたか?初期ウインドサーファー艇のダクロン製のセイルはマストにセイルを付けたままいつまでも海岸で吹く風になびかせながら自然乾燥させていた記憶が在る、45年も前の事だ。

 最近では汗かきの筆者が首に巻いた手ぬぐいサイズのタオルを乾かすのに、手で持って歩きながらヒラヒラさせるとすぐに乾く。

 こんな経験をしているので、水浴びをしてびしょびしょ状態で飛び去ったオオタカがどうしているか?調べてみたのだ。

 昨日既報の水浴びは11:30頃完了、飛び立った。

相当暑い日だったからか、いつになく入念な水浴びだった。

濡れて相当重くなった体で飛んで行った。11:47の事

水浴びオオタカは濡れたまま針葉樹の大木の日当たりの良い場所に発見!

回りにバーダーは一人もいないが、レンズをしっかりと見据えられてしまった。

背中を乾かすため後ろ向きになった状態の時、カラスのモビングを受けていた。

時々、羽ばたいて主翼を乾かしていた。

ほぼ乾くと、少し日陰に移動、しかしこちらはちゃんとチェック!

ほぼ完全に乾いて13:15、営巣の巣に異変を感じたのか急に戻っていった。

 かれこれほぼ1時間30分お付き合いをした。人吉でのヤマセミの観察でさんざん慣れているので決して長くは感じない。
 野鳥の観察撮影は、「行って撮っておわり・・。」ではないのだ。こんな事している人は他に一人もいなかったが、実は毎日現場で出遭う中年女性がいる。大きなカメラはもっていないが小さな双眼鏡とスマホかパッドで観察を続けている。

 毎日同じいで立ちというのは、対象のオオタカに警戒心を与えないという点で野鳥観察のベテランという事が見て取れた。

 メモを取りながら、筆者が追うオオタカの動きに合わせて現場で幾度も出遭う。筆者の場合は証拠画像を沢山収録して生態を分析するが、メモを取りながら黙々と足で歩いて観察をする・・・。これが本当の野鳥観察ではないだろうか?頭が下がる。

2025年6月23日月曜日

再びオオタカの水浴びと羽根乾かし行動レポート その1。 Another report on the goshawk bathing and drying its feathers. Vol.1

  やっと今週少し雨が来て梅雨らしくなりそうな東京首都圏。昨日実施された東京都議会選挙、筆者も投票はしたものの、昨夜の開票速報を見る限り思った通りの結果に、自分の政治認識と感覚がそう世間とずれていないことに少し安心した。

 都民ファースト復活、国民民主、参政が新規参入、自民大敗は予想通り。都知事選で蓮舫候補を抜いて2位になったネット・SNSの寵児石丸伸二候補の「再生の道」や大阪発の「日本維新の会」はこれも予想通り全滅した。

 政治の事はこのヤマセミWEBブログで極力述べないようにしてきたが、やはり東京緑地でのオオタカ繁殖を連日レポートしている手前、少し触れておきたい。

 日本人は基本的に「勤勉で、冷静で常識があり、争いを好まない」人種だ。そういった国民性はやたら上から目線で攻撃的な石丸伸二氏の「論破・言い訳・攻撃性」は東京都民に限らず、一般的に教養のある普通の日本人には受け入れ難いのではないだろうか?

https://news.yahoo.co.jp/articles/f5e4085525f4bd572178ef88f83010f412b47106

 昨年の都知事選でも、元祖攻撃性の主「蓮舫氏」を毒を持って毒を制す候補として石丸氏に票が集まっただけだという政治評論家の話が載ってた。ほぼ同感だ。昨年の都知事選で石丸氏に投票した人の32%しか「再生の道」に投票していない事を見る限り、ネット時代の「盛り上がりの寿命の短さが印象的だった。有料ネット記事だがグラフだけでもご参考・・。

https://www.asahi.com/articles/AST6Q4GVFT6QUZPS008M.html


 で、昨日投票を済ませて東京の緑地へオオタカの様子をチェックに行った・・・。

昔からコストパフォーマンス(=費用対効果/和製英語・本来はvalue for money)という判断基準が在るが、最近は時間の無駄・ロスを嫌う傾向からタイムパフォーマンス(=時間対効果)という和性英語判断(本来はtime efficiency)がネット上で市民権を得始めている。

 そもそも野鳥観察は時間に堪える事が基本だ。人から目指す野鳥被写体を教えてもらい、駆け付けるイージーバーダーの方々は別として事前調査・生態研究をベースにして自分の足と眼で野鳥を探す本来のスタイルは非常に「時間的無駄が生まれてしまう」

 しかしそれが上手くいって、目指す被写体に出遭えて撮影成果が上がった時には「至福感」が最高潮になるのだ。これはイージーバーダーの方々には絶対感じる事が出来ない「ご褒美」

 昨日はまさにそれ!

 都議選投票済ませて既に太陽も南中する1時間前、緑地に向かい考えられるポイントを数カ所歩いたら先日「寝落ちした水浴び場」にオオタカのオスが居てくれた。まさに行水の真っ最中。

 たぶん早朝から2時間は粘っただろう撮影者の皆さんの邪魔にならないよう、まず遠巻きに撮影をして、徐々に現場に近づいた。

10名ほどの先乗りバーダーさん達に遠慮して、最初は遠いポイントから

アングル的には他と違う意味で良かったかもしれない。

これ以降は傍に近づいて・・・。




重く濡れた体で思いっきり飛び上がった、先日の水浴び時とは違う迫力!

ちょうど水浴びの頃緑地に到着して、ほんの5分撮影できて今日は終わり!で凄いタイムパフォーマンスで納得する所だったが、実はこの後1時間緑地にとどまることになった。

2025年6月22日日曜日

炎天下のオオタカ営巣見物・撮影者たちの観察日記。 An observation diary of gathered photographers shooting a goshawk nest under the scorching sun.

  今年観察のオオタカが営巣した東京の緑地、2番目の営巣地の幼鳥は既に巣立った頃と察する。低層灌木の葉で遮られてしまう巣の様子が盛夏に向かいますます見えなくなってしまった。したがって鳴き声で判断するしかなくなったため、巣の周辺での撮影確認が出来なくなった。

 したがって夏至を過ぎた今は、最初に偶然出くわしたもう一方の営巣ポイントでしか観察撮影は出来なくなっている。

 カイツブリやカモが行きかう池と園内の樹林帯の水路附近での営巣ポイントは、普段から作業車や公園の巡回自転車が行きかうし、人の往来が多い場所にもかかわらずオオタカはたいして警戒もせず三羽のヒナを順調に育てている。

 しかし、いつの間にか見物人・撮影者(ベテランも、にわかバーダーさんも)達も日に日に増えており炎天下で気分の悪くなる方も増えている様だ。


くれぐれも暑さ対策は充分に行って活動されたい。(画像は炎天下のイメージ)

 何故か営巣している巣の周りにだけ三脚を立て常駐する方が多いようで、親鳥のヒナへの餌獲り・採餌⇒オスからメスへの受け渡し⇒メスのヒナへの「ご飯コール」⇒巣への餌の運び込みなど一連の幅広い給餌行動にはあまり関心がないようだ。

 これ以外でもメスが巣へ木の枝葉を運び込む様、水浴びの様子など繁殖中のオオタカの多岐にわたる生態観察はごく一部のグループ以外なさらないようだ。

 長年野鳥の生態観察をされているベテランの方の行動にくっついて園内を移動し、リーダー格の方と同じアングルで同じ様な写真を撮られる方が殆どと見受けられる。

 この点、現場を走り回る筆者は熊本県の人吉市中心に10年余りヤマセミという希少種の生態を観察撮影した体験が今回のオオタカの観察撮影にまちがいなく役に立っていると思う次第。

 

 筆者は幾度もこのブログで「野鳥の枝留まりなど奇麗な写真は撮らないし撮れない」と言い続けている。その野鳥が「何かをしている瞬間、思いもかけない瞬間」を撮りたい!と思い続けている。

 例えば目黒の自然教育園でカルガモが子育てしている様子を撮るにしても、「可愛い親子」だけではなく、その様子を撮影する人間と一緒に収めたい・・などというへそ曲がりに近い性格なのだ。バーダー道からは相当外れているかもしれないが・・。

普通はこうしたカルガモ親子を望遠レンズでアップで撮るだろう。

 しかし、筆者的には誰もが知っているカルガモの親子連れ、皆さんは望遠でカルガモの親子しかフレーミングしていないから、逆から撮影者・観察者を入れて撮るとバードウォッチングの面白い写真になる。

 皆さん夢中でカルガモ親子を追いかけているから反対側に居る筆者は邪魔にはならない。…とは言うものの4~5カット撮影したらすぐにその場を離れたのは当然だった。

 実はこれ1980年初期の日本ウインドサーフィン協会の会長をされていた報知新聞のカメラマン小林嘉禄氏から伺った話がヒントなのだ。

 その話というのは・・ゴルフのトーナメントの優勝の瞬間を撮っていて、プロゴルファーの背中からピンを狙う瞬間を撮ろうとカメラマン皆は普通ゴルファーの後ろからその瞬間を狙う。

 が、私はグリーンの反対側に回りカメラマンを大勢後ろに引き連れたプロゴルファーを正面から狙ったんだよ…というもの。そのカットは大きな賞をもらい、スポーツカメラマンたちに大きな衝撃を与えたという。

 例えば、プロ野球のピッチャーと打者の写真・映像は球審の後ろから撮るのが普通だったが、今をときめく大谷選手の登板シーンは殆ど大谷選手の後ろからの映像だ。これは機材の進歩、その他多くの理由が在るが、野鳥撮影も色々変化が在っても良いと思う。

 筆者は野鳥撮影に時々これを真似する。更にいろいろ工夫して撮影をしてみたい。

 此処からの数カットは「後ろから、正面真近から」の画像の一部。




 これに近い類似の画像は明治神宮で10年ほど前撮影した目の前のオオタカ画像に匹敵する。しかし今回はさらに近く、オオタカの体臭まで感じそうな距離だった。

2025年6月20日金曜日

暑さのせいか思わず一瞬寝落ちしたオオタカ! Perhaps because of the heat, the goshawk fell asleep one moment !

  今日のこのタイトルを見て、いったい何のことかと思われたろう。

 営巣中のオオタカ親鳥が、水飲み場で水を飲みホッと一息ついた瞬間瞬膜が閉じて頭が後ろにカックン!まさかの「寝落ち」したのだ!

 若い頃、連日サッカーの練習に明け暮れ、東京駅から家に戻る中央線快速のシートに座ったまま寝てしまい、頭が後ろにカックンして窓ガラスにゴーン!・・経験おありだろうか?これと全く同じと思われる。

 野鳥の食物連鎖の頂点に居る猛禽類のオオタカ!いくら営巣中子育てで疲れている上にカラ梅雨で連日暑い毎日とはいえ、ヒナへの給餌の途中いつもの吸水・水浴びの場所で王者オオタカのオスが思わずカックンしてしまうか?個人的には子育ての大変さは経験上とても良く判るが・・・。

 しかし、野鳥の生態研究・撮影者としては大自然の猛禽類が目の前で寝落ちするなど今だに信じられない。あのNHK「ダーウィンが来た!」でも観た事がない。コレは何なんだ一体?!

先ずは動画でその瞬間を!

https://www.youtube.com/watch?v=AFVxZcrRSGA

 此の親鳥はいつもこの場所で水浴び・吸水を行い子育てをしているようだ。東京の緑地で作業車、自転車等が往来する林の中なので人間を脅威と感じていないのだろうが、それにてもあまりの無警戒・無防備に呆れてしまった。

 静止画でも飛来してから去るまでしっかりと撮影させてくれた。

いつも同じ所に舞い降りる!

獲った獲物の羽毛を付けたまま水を飲む・・。

飲み終わって眼が合ったがここ1週間毎日顔を合わせているので認識したか?

安心したのか、一瞬瞬膜が閉じて頭が後ろへカックン!初めて観た「寝落ち」

ハッと我に返ったのか、睨み付けるようにして

水路沿いに飛び去って行った

手前へ飛んだのでこの後はボケボケ!営巣観察もこういうハプニングが面白い。

 ※Google AIで調べたらなんと!猛禽類も「寝落ち」するらしいことが判った!
Googleで検索した結果。

2025年6月16日月曜日

気のせいか、オオタカを観察していて顔を覚えられたような気がする。 Maybe it was just my imagination, but I felt like the goshawk had memorized my face while observing it.

  連日、オオタカの営巣を観察・撮影していて気になったことが有った。

 かれこれ東京の緑地に7日間以上通い、毎回ほぼ同じ場所(緑地内営巣周辺100m内4ポイント)で観察を続けている。人吉でのヤマセミ観察10年と同様毎回同じ格好(迷彩系が多い)で同じ迷彩帽子(被ったり被らなかったりする=オオタカの鳴き声の方向を正しく聴き定めるため)を被っている。

 もちろん空を飛ぶ動物の撮影だから三脚など使わず、重たいカメラは手持ち。座る腰掛も使わず飛び立ちを撮影する場合はしゃがむことが多い。一般の見物人がたくさん集まり営巣の巣を見上げる一群にはまず入らない。単独行動でオオタカの動きを予測して樹林帯を走り回っている。

 こうして、数多くの撮影を続けているのだが、画像を整理して此処へ来てオオタカに睨まれることが多くなったことに気が付いた。

 これは10年に及ぶ人吉市周辺のヤマセミ観察・撮影時に確信したのだが、スズメやカラス、あるいは小鳥系などと違い、生育エリア(縄張り)が確実で目の前の個体が昨日の個体と違わないと確信できる野鳥の場合、その野鳥は同じ時間帯に同じいでたちで同じ動きをする人間をしっかりと認識するという事。

 具体的に言うと、球磨川本流2カ所のヤマセミ、川辺川1カ所のヤマセミ。万江川1カ所のヤマセミ。野川のカワセミ(2カ所)、我が家の巣箱で営巣したシジュウカラ、八代市の金剛干拓地のチョウゲンボウ、ミサゴ。それに毎朝の愛犬散歩中同じ場所で出遭うカラス、オナガなど。

 これに今回のオオタカが入ったような気がする。

 人間を認識し、警戒感を持たなくなると逆に興味を持ち始める。その結果、ヤマセミの場合は近づいて来て脱糞をする。(これは幾度も撮影している)

 オオタカの場合、興味を示すと真っすぐ飛んできて目の前で反転し飛び去る、一種の威嚇なのだろうか?

 この行動を最初に受けた時の事をブログに掲載しているのでご参考。

https://yamasemiweb.blogspot.com/2018/12/what-do-you-do-if-you-are-pressed.html

 昨日オオタカを撮影していて、似たようなことが有ったのでレポートする次第。先ずはここ数日の画像を見て頂ければ筆者の言わんとしている事が多少理解して頂けると思うのだが・・・。

 まずは撮影者を注視・睨む画像。

 筆者は長い撮影経験で、この行動は視力が人間の8倍以上あると言われる猛禽類が、キラキラする大口径レンズを通して撮影者の目が見えて注目しているのではないかという仮説を立てている。いつか実験で証明してみたい。



もうヒナの時からレンズのキラキラは気になるようだ。




餌を持っている場合は非常に鋭い睨みを利かせる



7日以上も同じ格好で同じ時刻に同じ場所に居れば覚えられもしよう。

雨上がりの昨日は、とうとう周りに人がいなくなった頃

獲物を持って撮影者の方向へまっすぐ突進してきた!



 当然ターン時は近すぎてポンボケは仕方がない!まさにこの行動は2018年球磨川河口での状況に酷似している。



昨日のターン時と同じ!撮影終わって瞬間的にこのカットが頭に浮かんだ。

この距離を一直線にレンズめがけて飛んできたオオタカ!昨日の行動を撮影してある種の核心を得られたような気がする。これは実際にそういう体験をしなければ判らない事だと思う。