最近、ネットで調べ事をしていて、やたら目につき見出しが引っ掛かる記事があったので読んでみた。どれもこれも「ホントかよ?」というような各種ランキング記事なのだ。
我が国は世界で何番目に「人気の在る国か?」、「安全な国か?」だとか、国内47都道府県で一番餃子の消費量の多い所は何処だ?、沢山観光客が訪れる所は?などの類だ。
どうやってその結果をはじき出したかなどはほとんど触れていないので、どこまで信用してよいのかもちろん判らない。筆者的にはテレビのクイズ番組の元ネタの様なものだと思っている。
日本人は何故こういったランキング、成績、いわば人が「自分、あるいは我が国をどう観ているか?」が気に成るのだろう。
昭和の時代から、外タレ(古いなぁ!)が公演などで訪日すると、テレビのニュースなどで判で押したようにインタビューアーが「日本の印象はどうですか?」あるいは答えを押し付けるように「日本は好きですか?」と訊きまくるのを不思議に、同時に恥ずかしく見ていた。
実は随分前からミシュランの「星の数」に一喜一憂する日本のレストランの様子をメディアで見て呆れていたのだが、評価、ランキングに異様に反応する日本人の姿を観ながら「何だかなー?」と思っていたのだ。「星」が付くだけで有頂天になる関係者に呆れていた。
何で一生懸命日本人の味覚に応えようと頑張っているレストラン(和洋中華共に)が紅毛碧眼の西洋人のタイヤ屋にランクをつけられなきゃいけないのだ?すべてのお店で味を試した訳でもあるまいし、それに一喜一憂なんて、・・・何でよ?だ。
ミシュランの調査員(日本人だろうがフランス人だろうが)人吉のチャンポン屋「ま心」へ行ったのか?それでミシュランはちゃんぽんの味が判るのか?やるなとは言わぬが、ミシュランてフランス人なんだろ?フレンチだけのランキングにしときなよ。本場フランス人が日本のフレンチ料理を評価するなら納得だよ。
ミシュランは銀座のひょうたん屋(鰻の老舗)へ行ったのか?北九州の田舎庵(鰻の老舗)へ行ったのか?蒸して焼く鰻の蒲焼と、生から炭火で焼く蒲焼の差が判るのか?どっちが良いかは好き嫌いの問題だろう?星の数の問題じゃないだろう?
寿司屋も評価している様だが、何様だ?ネタは季節で変わるのだし、ネタがその美味さの90%以上を占めるのだから、時差や季節の要因の少ない卵焼きだけで比べるってのが本当だろう?ガリの味まで判るのか?
それも寿司屋に限らず、我々庶民がそうしょっちゅう行けそうもない店ばかり。広告代理店現役時代は義理飯でいくつかの星印のお店に行った事はあるが、決して「星三つです!」の堺正章の様な納得は出来た例が無かった。
この頃の笑い話がある。ミシュランなどに載らない日本の飲食店協会のお店連合で世界中の車のタイヤランキングを発表したらどうだという話。パロディでも面白いじゃないかという事だったが、当時自分で勤務していた広告代理店内で没になってしまった。ミシュランの扱いをしている部門から「俺たちを殺す気か?」とクレームが入ったらしい。
高い料金を払って、最高の食材を経験豊富な料理人が造ったものを、演出たっぷりのスペースで最高の食器にのせられて目の前に出されれば「美味くない」とは言えないだろう?
でも、日本人は己の味覚に自信が無いのだろう。余程無いのだろう。だからスマホの「食べログ」などの書き込みや、TVのグルメPR番組を参考に混んだ時間に混んだ店に並ぶのだろう。長時間並んで腹が減っていればなんだって美味しく感じるのではないだろうか?
広告代理店時代お昼のランチに皆を誘って「何を食べたい?」と訊いた時の話。「美味しいものが食べたい!」と手を上げて叫んだ若い女性スタッフが約2名いた。おじさん(筆者)は如何にそれが可笑しいかはくどくどと説明しなかった。しても判るまい。日本人の味覚なんてこんな程度なのだ。
味覚・美味しいと思う感性は各個人個人で全然違うのだ。だから筆者は公にレストランの味にランキングをつけるなどというのは大嫌いだ。信用しない。私的に各個人が思うのはもちろん自由だ。各個人個人でランキングが異なるのが当たりまえだと思う。
食べ物だけではない。最近笑ったし呆れたのが日本国内の47都道府県をその魅力でランキング評価した結果、最下位に成った栃木県の知事がランキングを発表した会社にクレームをつけに行ったという話。
それまで最下位を続けてきた茨城県の知事は達観して、決してそんなことはしなかった。むしろどうやったら評価を上げられるか努力したと聞く。栃木県の県民は恥ずかしい知事を持ったものだ。
百歩譲って栃木県の知事は、知事選の直前だったのでメディア狙いのパフォーマンスだろうと思うが、逆に相当評価を落としたのではないだろうか?「あまりに大人気ない」
これに係わらず、日本のメディアはランキングがお好きなようだ。ネット上にも数々の世界ランクがあって、「我が国は一体どのあたりだ?」という日本人の「気にする心」を見透かしたような記事にする。
大体この手のランキングは評価基準や算出方法がいい加減なモノばっかりだ。その昔米国のエスクワイアという雑誌にあらゆるスポーツをブレイン・レベル(=頭脳力)とフィジカル・レベル(=肉体・運動神経)の必要性を両面で評価したものがマトリックスグラフで出ていた。
頭脳・肉体双方でトップなのがアメラグだった。で、自分がやっていた(1973~76年)アイスホッケーはと見たら肉体・運動神経ではアメラグ同様トップなのに、頭脳は最低レベルで良いと出ていた。無性に腹が立ってそれ以後エスクワイアは二度と見たことが無い。
このデータの出どころは西海岸UCLAのスポーツ学科だったような気がするが、偏見がありすぎだと思った。これが東部のアイスホッケーの盛んなエリアの大学、例えばハーバードやM.I.Tでのデータだと変わるような気がした。ランキングなんてそんなものだろ?
ご参考に、こういうブログにした理由はこのランキングネタ記事をお読みいただければ判るだろうと思う。
https://news.yahoo.co.jp/articles/05c8cc3b0f6aa7749fb18b317ecade81e8d22392?page=1
http://life.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/06/18/2020061880110.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/10/28/2020102880058.html