2019年2月28日木曜日

いよいよ、人吉市のヤマセミがNHK・BSの「ニッポンの里山」に登場決定! Finally, Crested kingfisher of Hitoyoshi city will appeare in next Saturday morning at 07:00AM TV NHK · BS・Premium 's "Nippon no satoyama " !

 ついに長年の夢がかなって、人吉市のヤマセミがNHK・BSプレミアムの人気番組「ニッポンの里山」に取り上げられる。放映は今週土曜日3月2日(土)朝7時~7時10分。お見逃しなく!今日はこの直前レポート!


 NHKサイドのシステムの関係で3月2日(土)の詳細表記が少し遅れて掲載になった。確認した所、放送は間違いなくされるとの事。

 このブログを何気なくご覧になった番組の制作ディレクターさんから昨年の夏、連絡を頂き番組制作のプロジェクトが始まったのだった。
 東京で数回の打ち合わせの後、一緒に人吉市へ赴き師匠の古江さん、先輩観察者の医師・辻正彦先生等をご紹介。その他日頃からお世話になっている球磨川の鮎漁師の皆さん達と幾度も打ち合わせを行った。

 此のディレクターさん、熊本の阿蘇エリア生まれで人吉、球磨川にも縁の深い方。何と!筆者がヤマセミの虜になったきっかけとなる「ダーウィンが来た!」等のNHK自然番組中心の制作ディレクターさんでもあったのだ。まずこの辺りからして神がかり的繋がりの様だ。

 同時に筆者が広告代理店退職後10年間お世話になった早稲田大学(理工学術院総合研究所)と同じ早稲田大学卒で、奥様は三鷹市の筆者自宅隣のICU(=国際基督教大学)の卒業だという。プライベートでも縁の深い奇遇な方。

 球磨川土手の古江さん宅は収録の都度、ロケ隊の打ち合わせ本部として大変お世話になった。RKK熊本放送の「球磨川スピリッツ」収録スタジオでもあった。もう感謝に耐えない。

 勿論ヤマセミ観察の全ポイントは真夏の人吉盆地をロケハンして同行・ご案内。人吉盆地を西から東、南は鹿児島県との県境久七峠に至るまで走り回った。このロケハンその他収録に関しては、公私共に5回の人吉訪問、制作ディレクターさん(熊本県生まれ)単独でも2回以上人吉へ赴いている。

 筆者が裏方のお手伝いをしようと思ったのは、単に「山奥に棲む出遭い難いヤマセミを人吉へ行けば間近に見られる」といったような単純な話ではなく、「何故、本来山奥に棲み警戒心が強いヤマセミが、人口の多い人吉市のど真ん中で人間と共存出来ているか・・・。」を解き明かしたいという、筆者の長年の生態研究と一致したからに他ならない。

 やはり、その答えは地元に長年住み、毎日のようにヤマセミと接しておられる古江さん、辻先生を筆頭に川魚漁師の皆さんとのコミュニケーションの中から出て来るだろうと、出来るだけ地元人吉市の皆さんと接する機会を多く取れるようにサポートしたつもりだ。
鮎漁師の島津さん、塩見さんには特に多大なご協力を頂いた。

 筆者が日頃お世話になりっぱなしの温泉町で老舗旅館を経営される同じ団塊世代オーナー山本英一氏にも今回散々お世話になった。
 奇遇にも筆者と東京の阿佐ヶ谷美術学園時代(1968年頃)同窓だったという球磨焼酎「鳥飼」の蔵元鳥飼氏にも球磨川支流の水源・清流部撮影に私有地の撮影を許可頂きお世話になった。

 そのほかいろいろな方のお世話になりながら番組が出来上がったのだが、これも2010年からヤマセミを軸に広がった色々な方々との「共創」の輪が広がったものと考えている。
 現在、早稲田大学名誉教授の三輪先生のご指導の下、「共創学会」に所属している筆者の一番の研究テーマが、この「人吉市のヤマセミと人間の共創」である事の一環としての今回の「ニッポンの里山」放送は非常に大きな意味を持つものと考えている。

 ロケ中の話に戻ろう。

 別称ヤマセミ神社として名が広まりつつある矢黒神社の年一回の大祭(毎年10月29日)もNHKさんのカメラが入って神事の一部などを収録。(※内容的に放映されるか否かは不明)氏子の幹部でもある川魚漁師をされる塩見さん宅の祭りの後の宴にもご招待頂いた。

 ヤマセミ神社(矢黒神社)恒例大祭を収録後、塩見さん宅での祭り宴にご招待いただいた。塩見さんのお宅敷地内からもヤマセミを収録させて頂いたが編集で放送されるか否かは不明。        

 勿論番組そのものは10分間という短い時間だが、収録した尺はその何十倍にも及ぶのは当然だろう。収録した映像のほんの10%程度しか番組では放映されないが、ヤマセミが都市の真ん中を流れる球磨川流域で生息する姿を動画で実際に観る事が出来る野鳥の世界でも初めての番組として是非録画して幾度もご覧頂けると嬉しい。

 筆者も出来得る限り友人知人に告知して観て頂こうと思う。2006年頃「ダーウィンが来た!」で放送された北海道千歳川のヤマセミを観て以来、ヤマセミに興味を持ったのが最初。その後2010年に八代駅前ミック珈琲店の出水マスターに「シンジョー君!ヤマセミは球磨川流域にはどこでん居るバイ!」に尻を押されて人吉市でその生態を研究し始めてちょうど9年が過ぎた。昨年のRKKラジオ熊本の「球磨川スピリッツ」での数十回に渡るヤマセミ談義に始まって、ついに全国区のNHK・BS番組でご紹介いただける事になった訳だ。

 ここに至るまでには、ヤマセミを人吉市の鳥に追加認定する原動力になった人吉市在住の古江さんご夫妻、辻先生ご夫妻を始め八代市の鳥に「カワセミ」を制定する際にも人吉市の「ヤマセミ」制定にもご尽力なさった日本野鳥の会熊本県支部長・高野茂樹博士などの地道な努力があっての事。素晴らしい共創パワーだと思う。

 更には、特急かわせみやませみ号という素晴らしい列車をデビューさせたJR九州さんの英断も大きく後押しをして下さったと思っている。

 放送前に番組収録中の画像や映像を出すのは憚るので、放送後メイキング・シーンのご紹介や楽屋落ちのネタをご披露させて頂くとして、このブログでは、とにかく少しでも多くの野鳥ファンの方々、人吉市に関連の在る方々、球磨川に思いを寄せる方々にこの番組を観て頂きたいと思いこれをアップする次第。

2019年2月27日水曜日

クロツラヘラサギを観察していると、時々笑ってしまう。 While observing the black faced spoonbill, sometimes I'm laughing and blows out.

 ほぼ、九州でしか出遭えない貴重な大型野鳥のお話。
 福岡市の和白干潟、佐賀の大授搦(=東与賀干潟)、それに不知火海へ注ぐ砂川~鏡川河口部、八代市の前川河口部~球磨川河口部でのみ頻繁に観られる絶滅危惧種のクロツラヘラサギの事だ。

 最近は日本・韓国・台湾などでの保護活動が功を奏して徐々にその数が増加しているという事で喜ばしい限りだ。NHKのアーカイブで確認できる。

 筆者も熊本県の人吉市へ通う都度八代市に寄るのだが、最近は途中この砂川や八代の球磨川河口部を巡回し、クロツラヘラサギの世界的権威・高野茂樹博士の観察活動に接する機会を頂いている。

 単に野鳥が好きだとか、良い写真を撮りたいという刹那的な動機ではなく、もうライフワークとしてのクロツラヘラサギの研究に時間を割く高野先生の姿は、ただただ頭が下がるのみだ。
 この高野博士の存在とそのクロツラヘラサギ研究への気合いの入れ方は、筆者のヤマセミ生態研究に対する想い入れにも非常に良い刺激となっている。

 話は替わってヤマセミ!

 どうやら、昨年来幾度も人吉を訪れ、取材~収録をされたNHKBSプレミアム早朝7時の人気番組「ニッポンの里山・ヤマセミが暮らす川の街(熊本県人吉市)」のTV放送が今週末3月2日(土)朝7:00~7:10いよいよオンエアーが決まった。
http://www.nhk.or.jp/satoyama/library/detail/190302.html

 番組の詳細(あくまで放送前の予想だが)は明日のこのブログでご紹介予定、乞うご期待!

 その前に、今日はクロツラヘラサギの観ていて思わず吹き出してしまう、そのユーモアなしぐさ特集!
うるさいっ!あっち行けー・・・・と言っているかどうか。

ほーら、天使の羽根だって出来んだぞー・・・と言ってるかどうか。

次は左右に首振り体操・・・始めっ!まず右に、

振り子のように次は左!

だんだん深く、勢いを付けて⁉

そう、大きく深く首振り体操!しかし羽を広げなきゃ出来ないのは何故?バランスの問題だろうなぁ。

お次は水浴び!頭を入れても片目はちゃんと開けて警戒怠らず。

じっくりと腰まで浸かって・・・。

オナラをするときだけは少し腰を浮かすのがコツ?


2019年2月26日火曜日

関東では出遭い難いツリスガラ。 European Penduline is not available to encounter at east Japan area.

 冬季に九州へ行く都度、必ず探す野鳥がツリスガラだ。ほぼ確実に出遭える場所を知っているので外す事は無いが、今年は多かった様だ。

 筆者が行く場所的には不知火干拓、および不知火海(=八代海)沿岸の干拓地の殆ど、更には八代市の球磨川、前川の土手に在る葦原が多い。熊本市内ど真ん中の江津湖でも出遭える時がある。

 探すヒントは葦原でパチパチと何かがはじけるような音だ。其れもあちこちで聴ける。そう、オオジュリンなどの発見方法と同じだ。要は葦の枯れた茎に巣食うカイガラムシの仲間を探して採餌する為だ。

 朝のみならず、日中でも、夕方日暮れ時でも盛んにパチパチやっているので判り易いと思うが、なにせ警戒心が強いのと群れで移動うえ、葦原をチョロチョロ移動するので撮影するのが非常にシンドイ!

 オスとメスの違いはモズのオスとメスの違いに良く似ている。もうこれだけでお判りだろうが、オスは眼の所を横断する真黒い横ライン(=過眼線)が決め手。怪傑ゾロ、古くはローンレンジャーのような目出し黒タスキのような面構えだ。そうしてオスは頭がグレーがかっている個体が多い。 


オスは過眼線が黒で頭部がグレー。

メスは過眼線が茶色で、頭部も薄い茶色が多い。






ツリスガラの飛翔画像は小さい野鳥だけに難しい。


10~20羽程度の小群れで動くので、練習すれば飛翔画像も撮れよう。関西以西へ行かれた方は是非葦原で耳を澄ます事をお薦めする。


2019年2月25日月曜日

人吉ヤマセミ各ファミリー最新レポート。This is newest ecological report of Crested kingfisher family of City of Hitoyoshi.

 昨日は球磨川本流に生息しているヤマセミのファミリーで、一番筆者との付き合いの長い個体の現状紹介をお送りしたが、今日はその他のヤマセミファミリーの現状をもご紹介しておこうと思う。

 人吉市内の球磨川本流で完全にペアリングできているつがいは、あと二組生息している。これらは人吉市内と言っても上流域で、なかなか車で近づけないエリアなので、しょっちゅう観察出来る訳では無い。しかし時々観察・撮影可能エリアに飛来し展開してくれるので証拠画像を押さえられるという訳だ。

 で、球磨川本流のファミリーBとC(昨日のペアがファミリーA)はこの所、縄張り争いを断続的に繰り返しているようだ。その様子は静止画と動画で一部収録している。まだ粗編集の前の段階だが、ごく一部限定で録りっぱなし動画をご紹介。
 縄張り争いそのものはまだ編集前で、今日ごしょうかいするのは遠くにいる侵入者を発見して追い出しに向かう瞬間までの映像だ。

 あまりに近くにヤマセミが来たため、筆者もドタバタ慌ててビデオカメラを操作している状態が見て取れる。まことにお恥ずかしい映像だが、まだビデオカメラに慣れていない初心者という事でご容赦願いたい。静止画撮影とあまりに違うのでまだまだ慣れが必要と痛感した次第。

 支流部に関しては、一見まだ単独で行動しているようにも見えるが、実はある程度の間隔で行動を共にしており、ペアリングが完了している事も判った。中でも在る支流部のつがいは、偶然雨の日に非常に短かったが交尾の初期のプロセスを見せてくれた場面を動画収録できたので、これもご紹介。
 
これはつがいのメスがオスへ交尾を迫っているシーン。

メスがオスへ近づくと「まだ早い!」とオスが逃げ回る場面をよく目にする。筆者が2013年5月に自費出版した「川辺川・球磨川流域の山翡翠」のp95~p101のシーンと同じような場面を今回も目撃・撮影出来ている。上の2カットがまさにそれ。ちょうど今の時期はメスの方が繁殖に関して積極的なのだ。

 一方で、冒頭にもご紹介したが、此の上の画像のつがいが自分たちの縄張りにしている流域に、他のヤマセミつがいが侵入した際の様子を間近に収録できているので、ご紹介。

一方で人吉市街地から離れたエリアでの現状はこちら。

 球磨川支流部のペアで結構離れていは居るものの、ペアリングは出来ていると思われるのがこの画像の2羽。


 此処のエリアは5~6年前からヤマセミが営巣し、色々な生態を見せてくれていたのだが、最近2~3年迷彩テントで頻繁に間近から観察する方が訪れるようになり、つがいも200m程居場所を上流へ移動してしまったようだ。多分迷彩テントへの出入りをヤマセミが注目している眼の前で行ってヤマセミも警戒したのだろうと推察する。ほとぼりが冷めればまた戻って来るとは思うが。

 今回はそうして此処にいたヤマセミ達が移動したがために、さらに上流部縄張りのペアと争いをしている現場を偶然目撃してしまった。

 更に7km程離れた別の球磨川支流部では、これも一見単独で行動しているように見えるヤマセミだが、目の前で交尾行動をしてくれたので静止画と動画をご紹介。
細い支流部のヤマセミは本流のペアと異なって警戒心がに強い。

支流部は川幅も狭いが、こうして土手を散歩する人とヤマセミの距離感は本流と異なって非常に近い。

散歩する人達もヤマセミの存在に気を取られる事なく、普通にしているのがヤマセミ達が人吉で安心して生息出来ている理由なのだろう。

此処のヤマセミは、今シーズンまだ2羽で並んだ場面に出遭っていなかったが、動画を撮影中いきなり交尾行動の走りを見せてくれ驚かされた。

 これ以外の支流部のヤマセミに関しては情報だけ入って居るので画像・映像は無いが、少なくとも各ペアの繁殖活動に時期定期なタイム差がいつもの年より幅広い点で、繁殖活動の観察時期を絞り込むのが非常に難しい年になりそうだ。


2019年2月24日日曜日

団塊世代は1週間人吉でヤマセミ他野鳥と対峙して超満足! Baby-boomer generation is super satisfied with observe Crested kingfisher and other wild birds in Hitoyoshi for 1 week !

 例年二月のこの時期は野鳥の繁殖期の始まりの時期で、野鳥たちも活性化しだす観察・撮影に良い時期なのだ。しかし、今年は暖冬で自然界の動きもいつもの冬とはいささか異なっているようだ。南九州・人吉盆地でも梅の開花~満開の時期が例年より1~2週間も早く草地のホトケノザなどもすでに咲き誇っているようだ。

 球磨川流域では1月にもウグイスのさえずりを聴けることがあるほど普段から温暖な気候なのだが、今年はもう完全に囀る声を土手のあちこちから聴けた。熊本地方気象台が今年のウグイスの初鳴きを2月21日としたようだが、球磨川流域では暮れの12月から聴けるので初鳴きは1月1日元旦だったかもしれない。

 自分としての標準鳥ヤマセミの繁殖の兆しは、求愛給餌だったり、交尾の兆しだったりするのだが、今回1週間で人吉界隈のヤマセミ各ファミリーの動きがバラバラだったことを思うと個体差による繁殖時期の速い遅いがこれほど明らかに違う年も珍しいような気がした。

 どのつがいが何処で今どのくらいの状態かを詳細にご紹介するわけにはいかないが、少なくとも人吉市界隈の5ファミリーの動向を撮影した画像でご紹介。

 5ペアのファミリーとは球磨川本流の3家族と支流域の2家族。このなかで一番行動範囲が広く見えるのは本流のAファミリーでその行動範囲は本流域沿い2.5㎞に及ぶ。生息密度的に言うと全国的に見ても濃い人吉市界隈で、この球磨川沿いの行動範囲の広さは群を抜いているようだ。支流部などのヤマセミファミリーの行動範囲を地図上に落とし込んでみたが、同じく平均的に2㎞の範囲は動き回っているようだが、川に沿って2㎞の範囲を縄張りとするファミリーはそう多くない。

 今回撮影できていないので証拠を上げられないが、目視で確認できたヤマセミファミリーは川辺川で2つがい(4羽で縄張り争い確認)、万江川下流部で1つがい(交尾を動画撮影)、胸川で2つがい(目視)、球磨川本流で3つがい(動画と静止画で撮影)、辻先生情報で山田川流域に1羽(情報)の計8ファミリーと単独1羽だった。

 これが何を意味するかというと、支流部からの侵入者などと常に縄張り争いをして闘わねばならないという意味で、球磨川本流でいつも目が合う個体は体力的にも非常にタフなヤマセミだという事が言えると思っている。

 まずは、ほぼ完全に筆者を認知していると思われる、そのタフなファミリーのヤマセミの現状からご紹介。このペアはもう何時営巣行動に入ってもおかしくないと思われる。画像からも、つがいの接近度が高まった状態にいると視て良い二羽。
2010年以来、二代目に成ったと思っていたが、条件さえよければヤマセミの寿命が14~5年あると事実(証拠データ在り)を知った今、このヤマセミは筆者が人吉に来て以来ずーっと認識しあっている個体(メス)だと確信している。

毎日ほぼ2㎞の彼女らの範囲で出逢う際には、こちらを見て確認する素振りが見える。

川中の岩に留まっていても、いつもシルバーのレンタカーの横に居るという筆者を認識しやすいのかもしれない。

その、タフなヤマセミファミリーは現在こういう状態になっている。2羽でいる時間が目撃したうちの60%以上になってきているので、繁殖は間違いないし近いと思われる。

行動もほぼ一緒だ。

採餌の際も

午後の羽根休めの際もこのでっぱり部分の隣どうして留まることが多い。

早朝の採餌の際は付かず離れずで行動する。

昨日、人吉最終日の朝8時ころの採餌シーン。その場で自分で食したので営巣行動には入っていないものと思われる。

 残りの5ファミリーの状況は明日以降ご紹介の予定。

2019年2月23日土曜日

球磨川支流の土手で摩訶不思議なキジに遭遇! I encounter a mysterious pheasant at branch river bank of Kuma river at Hitoyoshi.

 日本の国鳥は北海道のタンチョウでも佐渡のトキでも山鳥でもない。キジなのだ。しかし、世界各国で自国の国鳥を食っちまう所はそう多くないと思うが、日本の食用のキジは皆養殖なのでアメリカで牛食っているのと変わりない話。

 人吉の郷土玩具がキジ馬というのはよく知られているが、その玩具が出来るほど人吉盆地にはキジが多い。まじめな話、春先にはレンゲ畑や野菜畑にひょこんと首を出すキジをあちこちで観ることができる。

 今日人吉最終宿泊日、雨の中車を走らせていたら畑にうずくまる物体を発見!瞬時にキジだと判別。車を降りて撮影。いったん草むらに隠れたが、そんな事は慣れっこのこちら平気で畑の広い畔道を歩きで近づいた。限界を感じたのかポンと刈り取られた乾田をヒョコヒョコ歩いて行くキジを撮影。顔に大きな赤いビラビラ(肉腫)を付けた立派なオスだった。

 その後1分も車を走らせていない、つまり500mも移動していない所でとてつもなく奇妙なキジと思われる個体に遭遇。

 数年前、出来損ないのメスとオスをミックスしたような変種のキジを撮影したことがあったが、場所としては同じ所だ。まさかあの個体が目の前にいるこいつなのだろうか?

 その際は珍しいので撮影した全画像を送ってくれという「日本野鳥の会」の地元熊本市内在住のメンバーに送ってあげたが、その後何のレポートも見解も送ってこない。ただそういう珍しい画像が欲しかっただけなのだろう、後で調べたら研究者でも何でもない人間だった。野鳥界にはこういう失礼な輩が多いのだが、その当時はそんなにひどい世界だとは思わなかったので残念至極。

 今回のは前回よりはるかに詳細が判った。やはりキジのオスなのだが、繁殖期になると大きくなるあの真っ赤なビラビラ(赤い肉腫)があるはずが、まったく無くわずかに目の周りに非常に小さい赤い枠取りのようなものが有るのみ。

 この時期繁殖期を目前に控えて他のキジが皆肉腫が発達しているのにどうした事だろう?今後の研究を待ちたい。
立派な赤い肉腫が発達したオスを発見!

畑の畔を歩いて行ったら飛び出してきて田んぼをスタコラ走っていった。

もう大股で田んぼのど真ん中を横切っていく。

其処からほんの数百メートルしか離れていない球磨川支流部の土手でこの画像は始まる。最初の2枚は雨の中運転席からの撮影だった。

白いくちばしで最初正面から見た際はオオバンかと思ったほど。

小雨の中、こちらの車の方へ寄ってきた。

キジにしては細身で首が長いのが気になった。

普通のキジは身をかがめて歩行するのだが、こいつは堂々と歩いていた。

土手の斜面にうずくまったようだ。

目の周りの赤みはヤマドリに似ていなくもないが面積は狭い。大体にしてキジの目玉の虹彩は黄色い筈だがこの個体はヤマドリやキジのメスと同じ様な色をしている。

きっ!とこちらを見た顔はキジというより山鳥のそれに似ていたかも。

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