筆者は今年二度の酷い急性胃腸炎(自分で勝手につけた病名だが間違っていないと思う)で七転八倒した。今までには無かったことだ。小さい頃から「お腹が痛い」と思った事は殆どない。腐った物、傷んだ物、あるいは毒のある物を食べたようなケースは殆ど記憶がない。
ただ一度完熟していない渋柿で「干し柿」を作っていて、干し上がる前の柿をアイスクリームに混ぜて食して腹痛を起こしたことが有った。今から3年前の話・・内科の医師も知らない人が多い「柿胃石=柿を食べ過ぎて胃に石が出来る病気、高齢者に多い)だった。
3歳の時、自家中毒(自分の体内の何かのバランスが狂い中毒症状を起こす事)を発症し、ある晩陸軍軍医少将だった祖父が「今夜が峠だから親族を集めるように」の一言で東京の北区西ヶ原に在った十條製紙の狭い平屋社宅に12名の親類が集まった。
真夜中12時頃社宅の玄関先にカーキ色の米軍ジープが止まり、祖父へ薬が渡され注射された30分後筆者はケロッと生き返ったそうだ。薬は抗生物質の試薬ペニシリンだったという。
AIによる説明⇒
「自家中毒は、医学的には「周期性嘔吐症」や「アセトン血性嘔吐症」と呼ばれる、小児に多くみられる病気です。肉体的疲労や精神的ストレスなどが引き金となり、激しい嘔吐を繰り返すのが特徴です。
- 誘因:精神的なストレスや興奮、肉体的な疲労、感染症などが引き金になります。」
これ以降70年間、筆者は腹痛、下痢、嘔吐という胃腸関係の症状はあまり経験していない。
筆者は小さい時から基本的に体調が悪くなる一般的に「病気」と呼ばれる症状より、すり傷、切り傷、火傷、かぶれ、打撲・打ち身など怪我の方がはるかに多い。高校生になるまでは体中何処かに絆創膏や赤チンが付いていたような気がする。
成人してからも変わらず、骨折こそ一度もないが骨にひびが入った事は数度ある。ウインドサーフィンで浅い海に入り海底のサンゴで足を切ったり、アイスホッケーの試合でパックを咥えてしまい前歯4本(うち2本が差し歯)が抜け落ちた事すらある。
55歳広告代理店勤務の際はサッカーの試合でジャンプして競り合った際、敵の肘鉄を食らい知らぬうち肋骨にヒビが入っていたこともある。(※3年後に胸部レントゲン撮影で痕跡を医者に指摘された)
こんな生い立ちなので、今になって4月と9月の年2度も強烈な胃痛を味わい、相当慌てたしショックだった。その時点ではこの腹痛2回とも間違いなく外因的理由だと思っていた。
夕食後、なんか胃に違和感あるな?と思っていたら突然しゃがみ込むような強烈な胃痛!海老のように体を二つ折りにして胃に手を当て温め(いわゆる手当?)ながら横になるのが精一杯!汗びっしょりだ。が、熱はまったく無かった。一時は感染症かと思ったが違う様だ、感染症なら普通発熱するはず。
痛みからして普通なら即救急車を呼ぶレベルなのだろうが、とりあえずビオフェルミン+ガスター10を飲んで寝た。しかしなかなか強い痛みが取れないので2~3時間経って無理やり腹の中をカラにすべし・・・と無理やり胃の中のモノを強制的に戻した。強制嘔吐だ。昔毒物を摂取した人間の胃をカラにしたり睡眠薬を過剰摂取した自殺願望者の胃洗浄方法を実地研修していたので役に立った。
これをやると見事に胃痛は治りやっと寝られた。
が、胃が弱っているとの自己判断で「お粥」を作りその上澄み「おもゆ」を摂取したのが30時間後、つまり1日以上経ってからだった。
自作のおもゆは鶏ガラスープかホタテ貝柱エキスを入れて作った。
こうして4月に七転八倒の第1回目を経験した。
が、完治したつもりの3日後に同じことを繰り返してしまった。この時も強制嘔吐(学習能力は在った)で24時間寝込んで回復した。本人、原因はまだ残っていたウイルスが原因だとばかり思いこんでいた。
この際は39度を超える熱が出たが、4月にはめったにない28℃の暑い日だったので室内熱中症を併発していたと思う。クーラー全開と頭を氷で冷し熱は下がった。
気温28度の特異日、軽い熱中症だろう熱の下がり方は急激だったが・・・。
此処で少し気になり、歩けるようになって初めて町医者へ行ったが「もう終わってますね?」でビオフェルミンとガスター20という市販薬の2倍の効能が期待される処方薬を貰った。とりあえず最初の時の自分の投薬は間違っていなかったんだとホッとした。
しかし、担当医師は「問診」だけで血液検査もせず処方箋をいきなり書いて「お大事に!」だけだった。病名も何も言わずに薬だけ・・?
これが終わって実は体重が8㎏も減った、顔の皮膚などシワシワで、鏡を見るとストーンズのキース・リチャードといい勝負だと思うほど(涙)
だが体重が8㎏も軽くなるとどうなるか?2005年くらいからかれこれ20年、週一でサンセットランと称して野川沿いを走るのだが、これがメチャ軽い!普段8㎞が普通の所10㎞走れたりする。1時間走りっぱなしでも疲れなかったりする。
これが何を呼ぶかというと、腹が減るのだ!団塊世代が晩飯を丼で食べてしまう。自分で握る寿司も12貫くらい食べてしまう。良いネタを自分で握るのだから美味いに決まっている。
これが、暑い今年の夏を越えて9月後半にまた急性胃炎を呼んだのだ。今回は前回より酷く30時間以上寝込んだ。熱も7度6分迄上がった。
今回も強制嘔吐で治ったが、さすがに原因を真剣に考えた。何か大きな病気の前兆なのか?はたまたもう治らない大病の末期段階の症状なのか?
でも、体調も悪くなく、特に不具合や違和感もないのに定期健康診断と癌の早期発見検査だけは「ヤルナ!」と親類の医者二名と友達の医師に教わっているので、病院へは行かなかった。これが理由で問題だらけのコロナワクチンも1回打っただけで、二度打ちの二度目はパスした。
それでも、1回打っただけで擦り傷などの治りが昔の倍の時間かかる(加齢のせいかも知れないが・・・。)ワクチンのせいか否かは証明できないが・・・。
今回今年二度目の劇症「急性胃痛」を体験して団塊世代は考えた・・その原因を。
何かの大きな病気が原因なら、自己判断で治っても野川沿いなど問題なく疲れず走れる訳が無いだろう?鰻重やニラレバ炒めや湯麵を美味しく完食できないだろう?
・・・じゃぁ何なんだ?
今回治りかけの際、おもゆを啜りながら考えて「ハッ!」と気が付いたことが有った。
それは、「ちゃんと嚙んで物を食べていないからでは?!」…だった。
笑われるかもしれないが、筆者は中学校の頃からモノ食べた後必ずキャベツの芯や肉の筋の部分、魚の骨、果物の種や芯が胃から戻ってくるのだ。
そう、牛と同じで「反芻=はんすう」していたのだ。
高校のバレーボール部で、大学のサッカー部で、社会人になってVANのアイスホッケー部で練習や試合中先輩やキャプテン・監督から「シンジョー!ガム噛みながら試合するんじゃない!物を食べながらプレイするな!」とよく言われていた。その都度「違うんですさっきの昼めしが胃から戻って来たんです、すぐ呑み込みます!」とい言って試合を続けた。
詳しい検査をしたら、一種の慢性胃炎で緊張したり体が次の行動の準備に集中し過ぎると体内の胃に血液が行かなくなり「胃の機能」が低下して消化しずらい食物を「もう一度咀嚼しろ」と口腔に戻すらしいのだ。
サッカーの試合前、ウインドサーフィンで風が上がって来て出られそうになると緊張と集中力でゲーゲーやるのが常だった。森戸海岸の神社裏などで風待ちしていて「げーげー」やると「アッ!シンジョーさんのゲエゲエが始まった、風くるぞぉ!」とよく言われたものだ。
50歳の頃広告代理店でイベントが無事終了して、若手社員とスタッフを連れて焼肉で打ち上げを行ったことが有った。皆若いから我先に半生の焼肉を群がって食べた。
何故か筆者も嫌いじゃない焼肉だから、一生懸命食べた。で、解散して1時間後三鷹のバス停でバスから降りたら先ほどのカルビが口の中へ戻って来た。4枚も五枚も!それも短冊状の四角いままのカルビ肉が歯形こそ付いて入るだろうが、そのまま出て来たのには自分で笑ってしまった。
自分の胃が「もう一度よく嚙め!」と反芻したのだ。50歳でもまだこんな状態の強度な我が胃だったのだ。それが70歳を越えてもうその機能が衰え、胃から戻れず急性胃痛になったというのが今回2度の急性胃炎の原因だとやっとわかったのだ(汗)
もう漫画のような体質!
で、2度目の終息期からはいつもの3倍の時間をかけてよく噛んで食事をした。肉であれサラダであれ、すべての食べ物がひきわり納豆のようなサイズになる迄のみ込まないようにした。これが功を奏したのか?これをやり始めて以降胃痛は全く起きていない。
ビオフェルミンだけは毎食後摂取している。これは父親から3錠でも4錠でも嚙んで良いから飲むようにと小さい時から教わっていたので・・。しかし同時にネットで調べて良かれと飲み始めた漢方薬「上味平胃散エキス(顆粒)」はあっと言う間に全身が痒くなり発疹が出たので廃棄した。
効能・副作用をみたら発疹・食欲不振の項がぴったりだった。漢方薬は体に合う合わないが非常に多いようだ。副鼻腔炎に関しては漢方が効いたが・・・。
こうして団塊世代は二度の酷い急性胃痛を経験して「食事はよく噛んでゆっくり食べなさい!」を70歳を越えて初めて身にしみて感じたのだ・・。