2015年7月31日金曜日

ダイサギの新しい漁法か? New fishing method discovery of great egret.

 今年はササゴイの撒餌漁法が全国各地で撮影報告され、また海外の動画でも紹介されて、ササゴイ系の通常漁法の一つとして認識した。決して一部の地域だけの現象ではない事がよく判った。ところが、現在編纂中の「東京武蔵野・野川流域の野鳥」の画像をチェックしていて、今まで気が付かなかった2007年頃の撮影画像の中に「オヤッ?」と思われるものを発見したのでご紹介。

 まだ当時は野鳥撮影を始めて1年足らず。連日のように朝から野川に出て撮影の練習を行った時期だから、手当たり次第に動く野鳥は皆カメラを向けてシャッターを切っていた頃だ。まだ3カットに2カットはフレーム内に野鳥が入っていなくて単なる景色画像だったり、ピンボケや露出不適正で使えない画像だったりする。

 そんな中発見した、ダイサギの採餌シーンで思わず見入ってしまった。自分の羽かどうかは確認できていないが、白い羽根を水面に落として魚が寄って来たところを捕まえたとしか思えないシーンがあったのでご紹介。自分だけが知らないでサギの類は皆このような事をするのだろうか?またまた興味が沸いてきた。これだから野鳥観察は止められない。

特に真冬に良く行う漁法で、川底で足先を震わせ魚を驚かせ動いた所を採餌する。じーっと立って魚を待たずに、水温が冷たい時期活性の悪い魚を発見する漁法。波紋が広がるので良く判る。

写真集「江津湖の野鳥」にも掲載したが、水面近くを足先を水面に付けながら羽ばたいて移動し魚を追いやって採餌する漁法。このコサギは画面の右から羽ばたきながら移動してきている。

このダイサギは白い羽根をフワリと水面に落としている。

これは数回まったく同じことを繰り返し採餌した瞬間!

獲物は小さいが確実に獲れている。しかし羽根は何処へ行った?

また別のところで同じしぐさを繰り返しているようだ。そのうち丸裸に・・・そんな訳は無いな。
これがこの個体だけの獲得形質なのか、野川だけで流行っているのか、まだ判らない。






2015年7月30日木曜日

ヤマセミ百景 球磨川本流編 その6. Crested kingfisher at Kuma-river. Part 6.

 いよいよこの連載、連続撮影も最終回!本来であれば動画で撮りたかったが、技術も機材も経験も乏しいので、肝心なその瞬間を記録するにはこの先も静止画の連続写真に頼らねばならない。しかしもう直ぐ4K一眼デジカメがこなれた価格で出てくるので秒間30コマという動画並みの撮影が出来るだろう。その1コマを切り出せれば、決定的瞬間もモノにできて生態解明が一歩進むと思われる。

 今日の最終回は最期に4度目のダイブで獲物をやっとゲットし、近くの岩に運んだ所で終了したい。其処から先の獲物処理・呑み込みは更に時間が掛かったので別の機会に。


ダイブ後、真上に上がるのがこの個体の専売特許。まず他の個体はこういう行動は出来ない。




目的を持ったダイブである事は一目瞭然!


加えた大物は相当大きかったようだ。

超大物をゲットして凱旋!誇らしげにこちら向きに留まってくれた。この後この大物を呑み込むのに約6分間掛かっている。そのシーンはまた別の機会に。



2015年7月29日水曜日

ヤマセミ百景 球磨川本流編 その5. Crested kingfisher at Kuma-river. Part 5.

今日のブログは昨日の続き、今日の続きはまた明日!って・・・。大好きだった1960年代に横浜のラジオ関東(今のラジオ日本)で毎日やっていた5分間の人気トーク帯番組(草笛光子の妹=富田恵子・前田武彦・永六輔・大橋巨泉)の決まり文句じゃないが、今日のブログは昨日の続きなのだ。
 一旦、採餌ダイブしたヤマセミ♀が水中から上がると暫く3mほどの高さで4~5秒ホバリングして再び水中に採餌目的でダイブした。これは口を開いてダイブしたのでそのように判断できる。

 そうして、再び水中から上がったら、今度はホバリングせずに1mの高さにも達さないで再々ダイブを行った。今度もオリジナル画像を開くとくちばしを開いているので採餌目的と判断する。真冬の渇水期ではないので、球磨川の水量は豊富だ。上から逃げ惑う獲物が見えるのか?はたまた最初の採餌ダイブで獲り損ねた大物が弱って水面近くを泳いでいるのが見えるのか・・・普段余り観られない生態なのだ。

 画像一コマづつには説明は要らないだろう。










何と!この後引き続きもう一度ダイブを行うのだ!その結果どうなったかはお楽しみ!


2015年7月28日火曜日

ヤマセミ百景 球磨川本流編 その4. Crested kingfisher at Kuma-river. Part 4.

 人吉球磨の背景をバックに清流川辺川・球磨川を飛び交うヤマセミの画像を中心にお届け中だが、今日の画像は本流で一旦ダイブした後水中からジャンプして真上に上がり、数回妙なダイブを繰り返した生態画像。
 ほんの1分間の間に4回ダイブを繰り返している。逃がした獲物を上空から追いかけて再度アタックしたものか、はたまた気分が高揚してはしゃいでダイブしたのか知る由もない。
 または、最初のダイブが失敗に終わって切れてしまい、苦やしまぐれの八つ当たりなのかもしれない。ヤマセミにも喜怒哀楽の感情があることは観察していて充分理解しているが、これ程行動に反映するのも珍しいと感じた。

 この早朝の撮影時は、このダイブの10分後、超大物をゲットして相当苦労しながら飲み込んだ場面を収録できている。双方の生態観察記録は次回のヤマセミ生態観察写真集に掲載予定。

一旦採餌ダイブを行った後、真上に上がる癖を持つ矢黒のメスである事はすぐに判った。

水面を見ているからには採餌行動であるのは間違いない。

このホバリングはカット数と秒間コマ能力を掛けると5秒間ほどだった。



ホバリング姿勢からダイブに移る瞬間!

狙いを定めて急降下。

獲物が水中で動いたらしく体の向きを変えつつ・・。

体をひねってダイブした。くちばしを開いているので採餌行動であることは明らかだ。

果たして成果はどうだろう?

結局最初のムキから裏返しでダイブした。

このダイブにはこの後まだまだ面白い動きが記録されている。明日掲載予定。




2015年7月27日月曜日

ヤマセミ百景 球磨川本流編 その3. Crested kingfisher at Kuma-river. Part 3.

 球磨川本流では夏の早朝でも朝霧が掛かる事がある。晩秋からはまず毎日のように掛かるのだが、真夏は前日雨が降った場合など湿度が高かったりすると掛かるようだ。そういった環境下でもヤマセミの活動は朝早くから始まっている。濃い霧の中果たしてモノが見えるのだろうか観察すると、まるで普段と変らない行動をしているようだ。

 画像処理で見える霧の中のヤマセミも実際は殆ど見えないのだ。繁殖期が終わった時期、梅雨明けの時期、つがいは子育ての後期で親子で飛んだりつがいで飛んだり複数で飛翔する機会が多い時期となる。二羽で飛んでても必ずしもつがいという訳ではない。母娘だったり父息子だったりする。
実際、生の状況ではここまで岩やヤマセミは見えない。白い霧の中。

視難いので飛んだ直後にシャッターを切れなかった。

霧が晴れると複数で飛ぶ姿が見えてくる。これは親子と思われる。

これも親子の飛行訓練か。

その習性から水面ギリギリを飛ぶ親子

こちらはつがい。早朝は採餌時間帯であることは他の野鳥と同じだ。

初夏は解禁になった鮎釣り太公望たちの間をぬうように飛ぶ。

この時期の撮影はサバイバルだ。炎天下の湿地の川原にはマムシ、マダニ、スズメバチなど危険が一杯。それ相応の準備・対策が必須だ。時には迷彩テントを張る事もある。水分は欠かせない。(人吉の辻先生撮影)


































2015年7月26日日曜日

ヤマセミ百景 球磨川本流編 その2. Crested kingfisher at Kuma-river. Part 2.

 今日のブログは昨日の親から幼鳥への給餌が、暫く経つとなかなか容易に渡さなくなっている時期のハプニングを記録したもの。遠くから親が餌を獲って運んできて、幼鳥が自分の順番とばかりに集まってくる。でも親はなかなか渡そうとしないで岩を移りながら幼鳥をじらす。

 そうやって幼鳥をコントロールしようとしていた所へトビがその獲物を横取りしようと襲ってきて、ヤマセミファミリーがパニックになって逃げるという場面。5年間生態観察をしていて初めての事だった。

母親が上流から大きめの獲物を咥えて戻ってきた。

尻尾のほうを咥えているが大物だ。

目立つ岩に留まるか留まらない段階で既に一羽目の幼鳥が寄って来る。

直ぐに2羽目も寄って来た。3羽目は既に給仕されているのだろう来ない。

母親はじらすように岩を移る。

更にじらしてこちらへ飛んでこようと・・・した、

その時!いきなり上からトビが急襲した。慌てて親は獲物を放って全速力で退避!

トビはヤマセミに目もくれず、放られた獲物を掴みに水際へ!

親子三羽は全速で左のほうへ逃げ惑う。

気が付いたら、何処かにいた3羽目の幼鳥も気配を察知して合流しながら逃げる逃げる!