先週7月5日(水)に始まった佐藤秀明さんプロデュースの写真展「私たちと野鳥の楽園・野川」、いよいよ明後日7月13日(木)最終日を迎える。
最終日は15時頃から撤去に入るので、佐藤さんの切り取る野川の佇まいを楽しみたければ遅くとも14時30分には会場「調布市文化会館・たづくり」2F南ギャラリーに着いておく方が良いと思う。
しかし、しかしだ・・。筆者お手伝いさせて頂いて、ある意味非常に珍しい写真展のような気がする。もちろんカメラ博物館隣接のJCIIサロンや恵比寿の写真美術館での大小取混ぜた色々な写真展、あるいは街中のサロンでのプロ、セミプロ個展も良いが、これだけ来場者の幅が広くて和気あいあいの会場って観たことがない。
来場者が佐藤さんのごく近い関係者の場合は会場内のテーブルで写真談義をやったり、単に野川で野鳥を撮影することを楽しみにしている普通の人々が、写真展を見て自宅に一旦帰って、自分が撮った野川の野鳥の写真のミニアルバムを持ってきて会場で他の顔見知りの地元来場者に見せて意見交換したりする。あるいは来場者が首から下げたデジカメの野鳥撮影過去データを色々見せてくださったり・・・。滅多に目に出来ない写真展になっている、よそよそしさが微塵もない。
筆者としてもこんな写真展初めてだ。しかも出展者側の一人だなんて・・・。
プロはプロの世界の人が集まり、アマで素人に近い人はそれなりのレベルで写真の楽しさを語り合う「場」が出来上がっている。不思議な空間だ。これは来てみなきゃそれが判らない。アマで素人さんも決して写真教室とか何とかの集いのメンバーではない、単に野川を散歩しているとか野川でも野鳥の写真を撮っている・・という方、いわゆるジモティ?の方々が多いのだ。
写真が、あるいは野鳥が判った振りなんか誰もしていない。判らない事があったら佐藤さんに訊く!丁寧に教えてくださる。野鳥の事は筆者に訊く・・・。
佐藤さんの写真だって普段小川を散歩されている方にとっては「あっ、此処いつもの所じゃん?」の声が出るし、野鳥の場合はニューギニアや南アメリカの綺麗な極楽鳥ではなく、メジロやカワセミや下手すりゃカラスだもの!野鳥を撮っている方にとっては圧倒的に知ってる鳥の方が多いのだから、安心して皆さんじっくり観ておられる。
市民文化会館で開催の地元の方が多く集まる写真展を著名な写真家さんがプロデュースする・・・、これは全く新しいスタイルかも知れない。その意味では大成功だろう。