子供の頃、八代では学校の帰りに萩原橋のたもと球磨川と前川の分岐点の瀬でガックリ掛け(ころがし)で落ち鮎を引っ掛けて獲ったものだ。一本物ののべ竿に鉛の玉を付け、より戻しのついていない両開きの針を10本繋げて川を横に引く。そうすると大きな落ち鮎が引っかかってくる。小中学生には力が要る漁だった。
瀬にはテニスやバレーボールの審判台のような脚立が有って、漁協の方だろうか顔を覚えている子供には「お前の所は家族は5人だいけん5匹以上は獲ったらいかんぞ」と言われたものだ。しかし5匹獲れたことは殆どなかった。
獲れた鮎はそのまま塩焼きにして食したが、大きなものが残った場合は開きにして干して保存した。これは十条製紙に勤務していた父親の直伝。釣好きの父は日奈久でキスを釣ればすぐに開いて干し、ガラカブ(カサゴ)ですら開いて干していた。だから我が家の縁側は常に干し魚を吊るす網が掛かっていた。今の様な魚干し専用の市販の3段の虫除け籠はなく、父親が自作していたようだ。
It is very difficult to use the casting net.
投網はなかなか難しいので経験を積まないと流れの強い球磨川では使えない。
He gets sweetfish or dace.
彼が獲ったのはイダ(=ウグイ)もしくは鮎だろう。
The Gill net is the most popular in Kumagawa area.
刺し網は最も一般的なプロの鮎漁の方法だ。ヤマセミが良く留まっているのもこの網の上。
This is the King of river fish Ayu.
これが球磨川の天然鮎。食べ頃の25cmクラス。
Butterflied open and dried it.
鮎は背開きにし、綺麗に腑を取り塩水に付けた後日陰で一夜干しにする。雨天の場合は室内で扇風機を当てれば一晩で完成。
This is the finished product of "Ayu ichiyaboshi"
一晩で出来上がった自作の球磨川天然鮎一夜干し、超贅沢品。