ネズミを視ても本来の本能が機能せず、襲えない猫を観てしまった。
ヤマセミの生態観察・研究を始めて14年。野鳥中心に大自然の生き物の本能に従った行動に遭遇、時には撮影もしてきた筆者には目の前を横切るネズミを追い切れない猫を撮ったは良いが、現代の人類を観ているような気がしてショックを受けてしまった。
ヤマセミの繁殖、ヤマセミとカラスとの攻防、トビに採餌した獲物を横取りされるヤマセミの様子。ハヤブサから水遁の術で逃れるヤマセミ、ヤマセミとカワセミの朝の会話、ヤマセミとカワセミが並んで飛ぶ様子、カラスにモビングされる猛禽類。コミミズク同士の闘い、トビの獲物追い訓練・・。飲み込んだ獲物が生き返りお腹で暴れた際のヤマセミの行動、野鳥の寄生虫除去法。
その他、ツキノワグマ、猪、鹿、きつね、タヌキ、テン、イタチ、野犬、攻撃をしてくるシマヘビ、カナヘビの集団日向ぼっこ、アオダイショウ、マムシ、沖縄オオコウモリ、アブラコウモリなどの生態。
いずれも本能に任せた自然な行動に接し撮影が出来たもの。プロの写真家さんなどのようにアフリカや南米、オセアニアな海外でこうした野生動物に接する機会はあまり無いのでチャンスは非常に限られたものだが、一般の方よりは多いような気がしている。
そんな中、4月28日のこのブログでも書いた通り、人類がいまや動物として本来あるべき姿ではなくなりつつある現状を憂えている筆者は、このネズミを捕れない猫の生態を観てその思いをより強くしたものだ。
https://yamasemiweb.blogspot.com/2024/04/from-zoological-perspective-baby-boomer.html
で、目の前のネズミを追えない猫!後にも先にも一生に一度の撮影チャンスだった。