キャプション、コピーを入れ込んで最後の文字校の段階まで来た制作中の13冊目の写真集「明治神宮 100年の杜の野鳥」。連日のPCデスクワークでもう体はガチガチ。
2015年NHKスペシャルで放映された「明治神宮 不思議の森~100年の大実験~」に影響されて今回野鳥の写真集を思い立ったのだが、この放送と同時期に全国から140名もの動植物研究者が神宮の杜に集まって、生物調査を行った結果3000種ほどの動植物が存在することが判ったという。
で、其れのオフィシャル写真集があるというので手に入れてみた。出版数が少ないのか講談社から発行されたそれは定価税別で3,200円。しかし販売完了なのかプレミアムがついて6000円近い値段でネット購入した。今回制作中の写真集の何か参考に成る事があるかと思い大枚はたいて購入したのだが・・・。
届いた本を開けて、中を見て・・・期待しすぎたせいかとても残念だった。南方熊楠ではあるまいが、まあ3000種も居る生物をすべて一冊の写真集に網羅できる訳もないとは思っていた。決して此のオフィシャル写真集を貶すわけではない、本を造る大変さは誰よりも良く知っているつもりだ・・。決して同じ努力をする者を蔑んだりはできない。
しかし画像的に言えば本当に明治神宮内で撮った画像だろうかと訝しがるものもあって、明治神宮の杜を背景とした此処でなければ撮れない・・という写真集では無かったのが非常に残念だった。
本来であれば、昆虫編、野鳥編、その他の生き物編、植物(樹木・草花・菌類)に分けてシリーズものにすべきでは無かったろうか?NHKスペシャルに乗じて商売したという感じが否めなかった。
今編纂中の筆者の野鳥版は極力被写体のどアップは避けて、背景を見れば「間違いなく明治神宮で撮った絵だな・・・。」と判るモノを最優先で入れ込んだ。10年以上ため込んだ画像の中から掲載画像を選ぶのと、TV特番に合わせて1~2年前からの企画で撮影した中からの画像では、どんなに腕の良いカメラ担当でも無理があると思う。
やはり、生き物、生物学的な写真集を創る際の理念というかコンセプトは一本筋の通ったものであって欲しいと思った。そういう意味で言えばもうすぐ完成する「明治神宮 100年の杜の野鳥」は期待に応えられる内容だと自負している。最も、出来上がっても印刷物は仲間内で分けてしまい販売はせず、ネット上で全頁を無料公開する予定なので、比較にはならないが・・・。