ここへきて、世界ではロシアのウクライナ侵攻に加えパレスチナ・ガザ地区からロケット弾がイスラエルに打ち込まれて大騒ぎになっている。
いずれも遠い外国の話だし、そこに至る紆余曲折、例えばガザ地区からなぜイスラエルにロケット弾が撃ち込まれたのか、それまでの両国間の状況はどうだったのか？
突然数百発のロケット弾がイスラエルに撃ち込まれ、多数の死亡者が出た事実から報道が始まっているので、一方的にパレスチナ側から突然攻撃が始まったように見えるが、それだけで物事を判断してはいけないことぐらい普通の頭なら判りそうだ。しかしメディアの報道の仕方によって物事は思わぬ方向へ世論が傾いてしまう。
たとえとしては極端かもしれないが、今が旬の秋刀魚を例に挙げてみよう。
10月15日付の読売新聞には秋刀魚の水揚げが始まって、不漁で１匹25,000円超え値が付いたと値段の数字を大きく見出しに使い、「秋刀魚一匹25,000円！」と報じた。それがその後不漁が続き高値が続いていると報じた。初セリでご祝儀相場1匹25,000円が出たが、今年の秋のサンマの価格がその値段だと言わんばかりの誤解を生ませる記事がこれだ。
一匹25,000円は初期のセリで景気づけもあっての価格だろうが、その後根室漁港に大振りのサンマが大量に入りすぎ、無料で市民に配ったという報道もあった。この記事の見出しだけではそうは受け取られまい？
初セリで秋刀魚が高いという印象を国民に植え付けたのであれば、その後豊漁で安くなったことも同じくらいのレベルと大きさで報じないと、最初に報じた読売新聞は嘘の認識を植え付けたままという事になる。
一旦「今年のサンマはべらぼうに高い！」という認識を植え付けてしまった読売新聞は、「あれは初セリだから高いのは当たり前、実際は庶民が自分の目で確かめるからジャーナリストとしては問題ない、あれはあの時の話なのだ、それが常識さ」というだろうが、あまりの現実離れの錯覚・誤解を生ませる報道に少々むかつく。
いくら見出しとはいえ、見出しだけで早合点する読者が悪いのか？見出しは本文の凝縮でなければいけないのではないだろうか？かっての日刊ゲンダイや夕刊フジじゃあるまいに！
実際のサンマ市場価格はこの画像が示すとおり一匹180円、三匹450円だ。
実際店頭価格は一匹180円程度だ。 2023年10月21日御徒町吉池
秋刀魚の話を例にとったが、要はメディアというものは平気でこうした誤解を招くような記事を掲載するのだ。
ジャニーズ問題で各メディアが今までの自局の対応を反省し禊（自己反省・お詫び）特集番組を続々報道し始めている中、肝心のNHKは契約料を払っている国民に対してまだ正式に自局の罪を反省していない。そういった番組も作っていない。そんな中、フジテレビがお詫び・反省番組を報じた。ある面きちんとしている。
そんな中、ここ数年はジャニーズ事務所のタレントでかつかつ生きてきた「紅白歌合戦」に関し、開催するだの、ジャニタレは使わないだのレベルの低い次元でのコメントしか発していない。
ちょうど一週間前のこのブログで、早稲田大学の有馬哲夫教授が述べたＮＨＫへの「紅白歌合戦は無くせ！」という解説を全面的に支持したい。
今日までにあちこちからそういう意見がネット上に飛び交い始めている。
’60年代、昭和の時代にいろいろな音楽を聴き耳が肥えている団塊世代の者は、知っている歌手が誰もいない紅白など最近はまったく観ていない。
本来歌合戦なのだから並みのタレントじゃなく「実力歌手」の歌声を聴きたかったのに、安室奈美恵が出たころを境に紅白は観なくなったのではないだろうか？
今までジャニタレという学芸会レベルのショーを見せつけてお茶を濁してきたＮＨＫと紅白担当者たちに言いたい。「君たちは自分がいまや裸の王様だってこと知った方が良いと思う。」
紅白歌合戦っていったい誰が見ているか？ここに少し古いがデータがある。その少し古い時代ですら若者はほとんど見ていない。現在はさらに高齢者にシフトしていると思われる。
視聴者の年齢が高いににもかかわらず、視聴者が碌に知らないジャニタレを出し続けて視聴率の下落を抑えていたんだと勘違いしたNHKと紅白担当者、全とっかえで元のNHKに戻ってほしい。
・・・と、このブログを投稿した５時間後、この記事がネットに載った。NHK内部でも世論を敏感に感じている良識派と、裸の王様になっていることに気が付いていない紅白担当が揉めている様だ。
そもそも音楽番組がTVの花形だった時代は1980～90年代で終わっているのだ。
