撮影者としてはそうして使って頂ければこれ以上の喜びはない。今日は更に面白いオオワシ同士の餌争いだが、どうもオオワシの場合はお互いの動作を観察して「遠慮」の様な動きが時折見える。
更に、餌争いごときでお互い怪我などしては本末転倒とでも思うのだろうか?時々漫画の様に見える事さえある。猛禽類の争いはきっと凄惨で獰猛なのだろうと決めつけていた筆者は相当「目から鱗」状態だったのを想い出した。
大きいが故、その動作は悠々として神々しさすら覚えるが、雪上に降りた後のヨチヨチ歩きや、重たい身のこなしは非常にユーモアを感じざるを得ない。
野生の本能とか言って猛禽類同士の凄い闘いを撮影しようとする方が多いが、実際の猛禽類たちは王者の風格というか、全てを悟った形で日々を過ごしている様だ。この時の撮影ではどう猛さより仲良く平和を保つ猛禽類の佇まいに感心した。
猛禽類がぶつかる部分だけのシャッターチャンスを考えるのではなく、ぶつかる前、ぶつかった後、周りとの関係を観察しながら撮影する必要が在ろうと思った。
毎日顔を合わせているだろうこの猛禽類たちは、此処の判別は勿論出来ている筈。無駄な争いなどするわけもない気がした。
争いの前も、受ける側は結構平静を装っている。
雪上すれすれでもみ合っても、
結構みっともない格好で分かれたりする。羽根は決して傷めない様だ。
吹雪だろうが餌に対する執着心はやはりすごいものがある。
アッ、テメー、俺の方が先にメッケたんだからなー・・・。
えーい、来るんじゃねーよ!良いじゃないか良いじゃないか!
オ、オ、おまえそれはないだろう?・・・。