今日はそう簡単にはいかない肉食系で川魚を主な餌としている同類項の他の野鳥との関係をご紹介。但し、カラスだけは肉食系だが直接自分で川魚を採餌しない特殊なポジションに居るので最後にご紹介。
まずは、天敵猛禽類のトビから。
トビは食事の時以外は真横にこうしてヤマセミが居たとしても、全然気にしないで羽根休めしている。アフリカのサバンナで満腹に成ったライオンたちが横にガゼルやヌ-やシマウマが居ても全然見向きもしないのと一緒なのだろうか?
人吉界隈の球磨川流域に生息するトビは水面近くを泳ぐ魚を急降下から掴み取る技を覚えた様で、盛んに採餌している。しかし、ヤマセミが求愛給餌の為や巣に居るヒナの為に持ち帰る川魚を襲う方が手っ取り早い事も学習しているので、上の2枚の画像の様な事が起きるのだ。
筆者も7年間の人吉での観察中、何も咥えていないヤマセミをトビが追い回しているのは観た事が無いし、当然画像もない。上記2枚はヤマセミが咥えた餌を狙ってのチェイスだと断言できる。
この上の2枚は冬季の球磨川支流浅瀬でほぼ同じ獲物をヤマセミとカイツブリが狙って採餌しようとした瞬間の場面。この場合はヤマセミがカイツブリを脅かしカイツブリが慌てて急ターンして逃げ戻るシーン。
もうお馴染み、人吉市のヤマセミとカワセミの仲の良さ、朝の語らい。
セキレイ系はヤマセミも全く無視をしている。
オシドリとの種のツーショットが視られるのも人吉ならではの事。
寒い霧の朝は架線上でムクドリの群れとの同居が多い。
同じ川魚を餌とするダイサギとヤマセミのランデブー飛行。
で、いよいよ問題のカラスとの関係。
正直、観察していてヤマセミはカラスが大の苦手、大っ嫌いらしい。架線上でにじり寄ってくるカラスを完全にシカト!あらぬ方向を見て無視を決め込んでいる。これは別テイクで辻先生が撮られた証拠画像もある。全く同じ様に真上を見上げて無視を決め込んでいた。
この上の2枚は6月初旬なので、カラスも繁殖期で、巣の場所から数百メートルの距離に近づく他の野鳥はどんな種類だろうが、猛禽類だろうが攻撃を仕掛ける。いわゆるモビングと言われる行動に近いモノだろう。
球磨川流域のカラスは特にモビング行動が多く、ミサゴ、オオタカ、ハイタカ、トビ、タゲリ、ヤマセミなどへの絡みを撮影している。