人吉と同じ熊本県内氷川流域で立神峡という一時的に物凄い峡谷に成る名所が在る。国道3号線からそう遠くない場所なのだが、岩場の切通しを越えて氷川が突然八代平野に流れ出てくるところだ。
この峡谷エリアにヤマセミが居そうだと思い、何かの折にクロツラヘラサギの世界的権威・高野茂樹博士と子の立神峡の無料駐車場で待ち合わせた事が在った。
で、ちょうど先生と合流した際に駐車場の目の前をヤマセミが飛んで抜けたので、驚いた事が在った。
今日のヤマセミは、其処でもなく熊本県ではない隣接県のつがい。どちらにせよ仲良く飛翔し、寄り添って行動している。此処の場合はオスの方がどちらかというと撮影者の筆者に興味を持ったようで、盛んに近づいてきたが、決して警戒はしていなかった。しかしメスの方は幾度も鳴きながら警戒しては遠ざかっていた。ヤマセミにも個性というものが在るのだろう。
人吉でもそうだったが、ヤマセミのつがいの二羽の距離は季節によって微妙に異なる。繁殖期は肌(羽根?)をくっつけて寄り添うが、子育てが終わった真夏は20m以上離れて一緒に行動する。この地でも同じだった。
寄り添って飛ぶさまは、球磨川本流ではなかなか視られないが、川辺川や万江川など支流では連なって飛んでいる。此処の小さな湖沼でも寄り添うように飛んでいた。
見下ろしての撮影に成るが、あまり気にしていないようだった。
湖畔の木々がずい分水面に近い。
時々、こうしてこちらの様子を偵察に来るが、それ以上の警戒はしない。
結局5日間、観察に通ったが飛び去る事もなく、此処のつがいはいろいろパフォーマンスを見せてくれて、最終日には手まで振って名残りを惜しむ・・・訳はないが、結局は野鳥に脅威を与えることなく済んだ。