基本的には海岸エリアに生息しているが、海岸線から直線で20km以上離れた熊本県の人吉市では球磨川本流並びに支流のいくつかでほぼ毎日通年で多数見かける事が出来る。その密度は意外に高い。
その理由は餌になる魚類が豊富だという事だろう。同じく魚を餌とするヤマセミが多く生息するのと同じ理由だ。野鳥が生息しやすい環境はまず何を置いても餌の豊富さが第一だろう。人間が多いか否かなどは二の次と言っても良いらしい。ハヤブサがアメリカのニューヨークやシカゴに多く生息するのも都市のドバトやネズミが餌である事は学術的に証明されていると聴く。
数年前のある日、大雨で球磨川が増水し、まだ少し濁りが残って白濁状態の際にいつもなら上空から急降下してドボン!と大物をゲットするミサゴが幾度も同じように球磨川の水面上ギリギリを滑空していた。
詳しく観察すると、水面ギリギリを滑空しながら両脚を水面に着けて一直線に航跡を残していたのだ。
3度ほど繰り返していたが、そのまま何処かへ去っていった。此の生態を何と解釈したらよいだろう?あくまでこれは筆者の想像だが、足で水面を引っ掻きながら水音を立てる事で水面近くにいる魚を驚かせ、逃げたてる事で、その魚の位置を見極めゲットしようとしたものではないかと考えるのだが如何だろう?少なくとも余程の理由がなければこのような生態行動の説明が出来ない。
普段流れが澄んでいれば、こんな事をしなくて済むのだが、白濁の場合は水中を透し出来ない為、こういった工夫をしているのでは無いだろうかと考える。どなたかその実際の成果でも撮影されていたらご教授願いたいと思う次第。
球磨川の本流の流れに対してほぼ45度の角度で上流方向から下流に向かアプローチしている。
増水した球磨川の流れが速い為の方向付けと思うが定かではない。
けっこうな水しぶきを立てつつ高速で流れに乗って飛翔・滑空していた。
約30~40m航跡を残す意外に長い行動だった、最後は片足で・・・。
航跡残しを終えて1セット飛び立ったミサゴ。波の荒い海でも同じような事を行うのだろうか?