終日、パソコンのデスクに座って、写真集に相応しいヤマセミの画像を過去の撮影フォルダーの中から見つけ出しトリミングするだけで1週間掛かってしまった。6年間に撮り貯めたヤマセミの画像総数は既に10万カットを超えている。
フィルムの時代と違い、デジタル化されたカメラの連写機能により必然的に多くなってしまうのは仕方がないが、有効ショットは10カットに1枚と云った所だろうか。
その作業の合間をぬって6日に明治神宮へ行ったには理由がある。大相撲の横綱3人による奉納土俵入り(手数入り=でずいり)を見物したかったからだ。
毎年、夜のTVニュースで新春恒例行事として観てはいたが、生で観られるのであれば生きている間に一度は観ておきたいと思ったのだ。日本人として生まれて日本の伝統文化・伝統行事をどれだけ知っているか?どれだけ経験したか?よく考えてみると、なかなか思っても生で接したり経験していない事に気が付く。
少し前から1月15日では無くなった成人式にしても、筆者が20歳の1月15日は明治大学校舎で行われた、旺文社の全国大学入試模擬試験を受けていた。大学に行くつもりもなく、2年間美術の専門学校に行っていたため、先輩に「大学だけは出ておけよ!」と言われ、慌てて受験の準備をした頃だ。
そういう訳で、還暦を超えたこの歳になって初めて日本人らしく日本独自の文化・行事をこの目で視て、経験する努力を始めたという訳だ。入谷の朝顔市、浅草寺のほうずき市、羽子板市も生で観た!京都祇園祭もしっかりと視た!そうして今回は新年の奉納土俵入りなのだ。
鶴竜は控えめで真面目そうなところ(実態は知らぬが)が人気。
日馬富士はアジアの外人らしいエキゾチックさが人気。
白鵬は日本の伝統・神事を非常に尊敬しているので一番人気だった。
4~5千人の観客の見守る中、堂々とした3横綱の土俵入り。普段本場所で毎日行う土俵入りと違い、横綱(しめ縄)には注連飾りが付いている。神事だからこその事だろう。日本の伝統行事の主役が3人ともモンゴル出身というのも時代の流れを感ずるが、良い意味で日本の国技(実は国として正式に認められてはいないが)相撲もインターナショナルに成ったという事だろう。
外国勢が勝ってしまうからと、その都度ルールを改正して勝たせまいとする卑怯な西欧のノルディックスキーを筆頭とするスポーツ界などとは違い、日本のスポーツは正直で公平だと思う。