ネットはもの凄い拡散パワーがある反面、間違った情報や悪しき中傷情報も同じ勢いで拡散するので非常に怖い。したがって常日頃から、自分が発信する情報には幾重ものフィルター、校正機能を設けて「嘘」や「誤情報」を極力出さないように努力している。
今日から暫くは、早稲田大学理工学術院への提出レポート(論文)に掲載する内容を順次ブログアップして行こうと思う。ヤマセミに関して非常に細かい生態観察のレポートなので、それほど野鳥の生態に関して詳細部分に気を留めない方には「一体それがどーした?」と言うような内容かも知れないがご容赦願いたい。
ヤマセミに関しては、その生態に関しては権威ある文献が殆ど存在しない。羽根が何枚で、足がどうなっているなどの解剖すれば判る事はいくらでも本に書いてあるが、どうやって生きているかという生態に関する部分はまだまだ謎が多い。実は川魚漁師さんや、球磨川下りの船頭さんの方が学位をお持ちの鳥類学者よりはるかに詳しいのではないだろうかと思う。出遭う頻度が全然違うのだ。
学者だから、偉いからヤマセミに詳しい等という事は絶対に有り得ない。どれだけヤマセミに出遭って、どれだけ証拠画像を残せるかが唯一ヤマセミの生態に詳しくなれる原点だと思っている。
その意味からすると熊本県の人吉市にお住まいの古江之人氏と、辻 正彦氏に敵う方は居ないと思う。球磨川~川辺川流域の生息範囲が広い為、常時3~4個体の生態を比べながら観察できると言う他のエリアにはない利点を持っている。ブラインドに等入らずとも毎日360度全方向を観ながらヤマセミの生態観察が出来る意味では、人吉市は稀有な存在だと言って良いだろうと思う。
300m遠方からヤマセミを目視できる環境は他の河川では考えられない。それゆえ撮影出来た画像もついに7万カットを超え外付けのハードディスクは増える一方だ。
まずは、昨年までの撮影画像から飛翔時の滑空画像をご紹介。今後、続々と本邦初公開の誰も観たことが無いユニークな生態などを順次ご紹介する予定。
川辺川の人気者、地元での愛称は川辺川太郎。今回生態レポートに主役級で出演する。胸部の男らしい幅広の褐色が特徴。筆者の事を認識しており、それなりに興味を持ってくれているようだ。
今日の飛翔画像は羽ばたきではなく、滑空的なフライト画像。球磨川では川幅の広さ、風の強さが理由なのだろうか、高速で羽ばたかずターンするシーンを良く見かける。山奥の川幅の狭い渓流ではなかなか見ることが出来ない飛翔だと思う。
人吉に来始めの頃は、遠くから見ると白いのでカモメかと見間違う事すらあった。
ターンの際は翼の翼端が水面に着くような高さを飛ばない。水面から1~2mを飛ぶ。
尾羽は必ず開いて揚力を最大限活用するようだ。この画像では尾羽で舵取りをしている。