巣立ち後、まだ採餌行動がまともに出来ない段階、つまり水中にダイブして木の葉や木の枝などを咥えて持って来て、それを何度も咥え直したり、岩に叩きつけて獲物の息の根を止め骨を砕く練習をする時期の事。
たまたま幼鳥複数羽がいつも集合している枝があって、其処に留まっている幼鳥がその枝の先が枯れているのを見つけ、枯れ枝の先端をくちばしでへし折って咥え、水辺の岩に降りて、採餌した魚を叩く練習をしたというのだ。その一部始終を収録されている。距離は120m以上あり、大きくは出来ないが、その生態はしっかりと見て取れる多分ヤマセミの生態としてもまだ誰も知らなかった事だろう。論文レポートにまとめるとなると想像や見聞ではいけない、証拠の画像もしくは動画があってこそ文献と成る。そういう意味からするとこの画像は非常に価値が高いもの。
このように、ヤマセミは色々ユニークな行動をする。過去の文献等においては記載のない事が沢山の方々の貴重な情報で集まりつつある。これも、やはり縄張りがしっかりとしている野鳥だからこその観察成果なのだろう。
例えば、以前木の枝を使って器用に木の実の中身を穿り出す野鳥が居たような気がするが、それ以上の衝撃だった。これ以外にもヤマセミが己の風切羽を抜いて弄ぶ画像を別の方が撮影している。これらも追々掲載させていただく。
ヤマセミ幼鳥の向こう側の枝先をご注意願いたい。
枝先をへし折った直後の画像。枝先が短くなったのと折れ口が少し赤みがかっている。
幾度か咥えなおして向きを変えた画像。
へし折った小枝を咥えて水辺の岩へ降りんとするヤマセミの幼鳥。この後岩の上で獲物を叩くように岩に小枝を打ちつける様が記録されている。論文レポートでは10カットほどの説明になる予定。版権は撮影者の辻 正彦先生に所属するのでその旨版権表示をさせていただく。無断転載、無断使用は勿論法的ご法度となる。
現在これらの貴重な生態を一冊にまとめているので本邦初のヤマセミ生態集が暫くすると完成しそうだ。勿論今までの生態写真集と同じで販売はせず、無償配布の予定、乞うご期待だ。