今日から4日連続で人吉のヤマセミの面白い生態を雨の日の画像でご紹介したい。写真集「川辺川・球磨川流域の山翡翠」をご覧の方々は後ろの方の141ページで2年前のヤマセミ個体(雌)と旧交を温める・・と言う記載をご覧になったと思うが、此れからご紹介するヤマセミはその個体とつがいの雄のほうだ。
実は写真集では雌の方が堤防の上をチョコチョコと近く(と言っても12~3m)まで寄ってきてこちらの顔をしげしげと見て、くるっと後ろを向いて「ピッ」と脱糞したのだったが、その翌日同じ場所で今度はオスの方が傍の小舟の錨に留まってこちらを見てやはり「ピッ」とやらかしたのだ。夫婦で毎日迷彩服を着て同じ時間に同じレンタカーに乗って同じ場所でカメラを構えているのに慣れたのか、ウザったいと思ったのか面白い態度で歓迎してくれたのだった。いずれにせよヤマセミと人間の距離としては破格に近い距離だと思う。いずれも最初は架線に留まっていたのがワザワザ舞い降りて来たのだから最初はこちらの方が「嘘だろお前?」と思ったのは間違いない。
その2羽の脱糞シーンは後回しにして、今回このつがいの雄が雨の中、橋桁からダイブして見事に餌をゲットしたシーンから順番に4日間掛かってそのいきさつをご紹介したい。この項は来年発行予定の「続・川辺川・球磨川流域の山翡翠」への掲載を予定している。
最初は雨降る10月24日平日の朝10時頃、人吉市内の川幅200mに掛かる橋の橋桁からダイブするヤマセミ雄の様子からご覧頂きたい。当日は2日前からの台風の影響による球磨川増水濁流のさなかの採餌行動となる。
ハッキリと雨の滴が見えるほどの雨量だが、車の窓から50-500mmのレンズを迷彩ヤッケの腕の部分に通して出して撮影を強行した。堤防上の道路には他に車は一台もなく、勿論雨なので堤防下をウォーキングや犬の散歩で歩く人も誰一人いない状況だった。ヤマセミの方から観ても堤防上の生き物はこちらしか認識できない状況だと思われた。
腕が痺れるほど待って、約20分が経過した頃幾度かそぶりを見せた後飛び降り始めた。羽根の裏が見事に真っ白で雄である事を示している。
雨だから視難いのか、普段はもっと一気に落ちるのが既にこの段階でブレーキを掛け始めている。
全制動を掛けて調整し・・・・・・・。
ホバリング状態に入りホワッと降りながら再度見定めて・・・・。
其処から改めて急降下!
周りの石を視ても判るとおり、オイオイそんな所飛び込んで頭打ちゃしないかい?状態でも平気で飛び込んでいく。
しかし、いつもはドボンと云う音と共に姿が見えなくなるのだが、やはり浅いのだろう尾羽が見えたままそれ以上入って行かない。この後ゲットした餌を咥えて近くの食事岩への移動シーンは明日掲載予定。