夏の終わりころから、ユリのような壺形の花に集まるスズメガ、特にホシホウジャクやオオスカシバのような系統を撮影チャレンジすると、高速で動くモノを収録する良い訓練に成る。
この高速と言うのは二つの意味がある。
一つは蜜を吸う際、一つの花に留まる時間はほんの数秒である事。実に落ち着きがない昆虫なのだ。蝶のように花や樹に留まって翼を開いたり閉じたりしながらのんびりと蜜を吸ったりしない。
完全に花に留まることはなく、空中でホバリングしながら口を花壺の奥の方まで差し込んで吸蜜する。ハチドリと同じ要領だ。
実はよく知られているカラスウリなどもこのスズメガたちが受粉しなければ、あの赤い実にはならないのだ。カラスウリの花には雄花と雌花があり、雌花は花が咲いている時から其の花の根元が膨らんでいる。
二つ目の高速は、その翼の羽ばたく速さだ。なまじのシャッタースピードでは羽根が写らない。幾度かご自分でチャレンジしてそのスピードを覚えられることをお薦めする。
カラスウリの花は真夜中に咲く!朝になると白い髭が縮んでしまう。
左の花が雌花。根元が既に膨らんでいる。
こうして花には留まらず、ホバリングで吸密する。
長い管が良く判る。
ホシホウジャクを裏側から見るとこうなっている。