2020年9月2日水曜日

緊急投稿!球磨川沿いの肥薩線の復旧を考える。その6.  Consider restoration of the Hisatsu Line along the Kuma River. Vol 6.

  先日、この球磨川沿いの肥薩線の復旧シリーズ#4で取り上げた四国高知県の四万十川。球磨川より多くの市町村(3市7町1村)を流れる割には市町村など行政の枠を越えた「四万十川ブランド」の確立とそのマーケティング戦略でまとまっており、球磨川流域の商売より勝っていると述べた。

※過去のブログ、いわゆる過去ログは右の投稿月一覧をクリック後タイトルや日付を選んでクリック頂ければご覧いただける。5年ほど前まで遡れる。

 なおかつ上流から下流まで市町村(四万十市・宿毛市・宇和島市など)の個々のイメージより、四万十川のイメージの方が全国的に浸透しているとも述べた。理由は宣伝PRが上手い為・・と書いた。四万十市と四万十町が両存するなど、呼び方がユニークな「しまんと」という音の覚えやすいという訴求力に利点もあるだろう。

 流域全自治体が「四万十川」を合言葉に産物・観光資源をブランド化し、宇和島市、宿毛市などが勝手に独自の魅力アピールを行わず流域で全国に打って出ている点が球磨川流域と異なった優れた点だと筆者は思う。

 これを球磨川の場合に当てはめ、なおかつ知る限りで人吉市ほか球磨川流域の自治体の現行のPR戦略を思い起こし、「人吉・球磨の強みと泣き所」を筆者なりに出して行ってみたい。勿論筆者は観光客に毛の生えた程度の「よそ者」だ。しかしその地で生まれ育ち、生活している人々がその地の魅力や全国から見た評価を公平に正確に認識出来ていたためしがない事は、長年の地域活性化・観光活性化の経験値から自信を持って言える。

 これは10日前のこのブログに投稿した「今回の豪雨災害人吉市の復興は人吉市単独で考えても無理だと思う。」= https://yamasemiweb.blogspot.com/2020/08/it-would-be-impossible-reborn-alone.html の2003年実施の八代市の大マーケティング調査の結果で述べたとおりだ。

 人吉市、あるいは球磨村など郡部を入れて人吉・球磨で全国調査をしてみれば、八代市と同様、地元の期待値とは相当異なったショッキングな捉えられ方をしている実態が判ろう。

 当時の中島隆利八代市長が首をうなだれ、プライドを崩された挫折感が「これではイカン!」と観光活性化見直しを始めたのだから、人吉・球磨も一度自分たちの郷土がどう観られているのか勇気をもって実態を知るべきだと思うが如何だろう?
 八代市と言われて何を思い浮かべるか・・の知名度ランキングは次の通りだった。

➀ 八代亜紀     324票
② 水俣病・公害    41〃  ※全国から見れば八代も水俣も混同されるのだ。
③ 鶴         24〃  ※鹿児島県出水も八代も全国的には似たような場所なのだ。
④ いぐさ       20〃
⑤ 球磨川・球磨川下り 18〃  ※球磨川は八代市のイメージの方が強いかも。
⑥ 温泉        17〃  ※決して日奈久と言う地名は出てこなかった。
⑦ 有明海       14〃  ※八代は有明海には面していない事を知らない。
⑧ 焼酎        11〃  ※八代の焼酎はメルシャン製だが。
⑨ 阿蘇山       10〃  ※まるで地理・位置関係が判っていない。
⑩ 魚・太刀魚      9〃
⑪ 全国花火大会     9〃
⑫ 秋山幸二       9〃  ※プロ野球選手
⑬ 柑橘類・みかん    7〃
⑭ 水前寺清子      7〃
⑮ ダイエー松中     7〃  ※プロ野球選手
⑯ 新幹線        6〃
⑰ 熊本城        6〃
⑱ 八代海・不知火海   6〃
⑲ ちくわ        4〃
⑳ 晩白柚        4〃
※ デコポン       3〃
※ 妙見祭        2〃
※ 松濱軒        1〃
※ 鮎          0〃  ※まだ頼藤商店の有名駅弁「鮎屋三代」は出来ていない。
※ トマト        0〃  ※生産高日本一 2003年データ

 自慢のデコポン、鮎、生産高全国一のトマトが番外と言う結果に一時は大騒ぎになった。2位の公害・水俣病、3位のツルに至ってはショックを越えて商政観光課のメンバーは黙り込んでしまったのをよく覚えている。一生懸命PRして伝わっているつもりの八代市の魅力と全国レベルでの受け取られ方・イメージがまるで違っている事実に気が付いたのがこの時だった。

 この経験値を人吉球磨に当てはめてみると・・・。

 多分、地元の方が自慢するキーワードは、次のようなものではないだろうか?
人吉温泉、人吉城址、武家屋敷、青井阿蘇神社、球磨焼酎、球磨川下り、鮎釣り、鮎料理、人吉梅まつり、ひな祭り、水上村市房湖畔の1万本桜、人吉おくんち祭り、永国寺ゆうれい祭り、SL人吉号運転、特急かわせみやませみ・・。こんなものだろうか?

 あくまでこれは全国へPRを行い、それ目当ての観光客が来ることに成った場合に十分期待に応えられるだけの体制が取れる、観光資源として競合に勝つに足るレベルであるという事が条件で頭に浮かべたもの。もちろん筆者が「よそ者」だけに、十分知らない文化・資源・祭りが在るかもしれないが、それは大目に見て頂きたい。

 しかし八代市のマーケティング調査による知名度ランキング結果を参考に、これら人吉の観光資源、物産・文化資源を分析すると多分こうなるのではないだろうか?筆者はある程度人吉球磨を知ってしまっているのでこう書いたが、実際はもっと悲惨で予想外な結果になるような気がする。特に渋谷辺りで「人吉」と書いて何と読むか問えば20%以上が「じんきち」と読むのではないだろうかと危惧している。首都圏では「天草」と書いて「テングサ」と読む人が半分を占める現状に照らしての事だが・・・。

➀ 人吉温泉、
② SL人吉号(SL列車)
③ アニメ夏目友人帳
④ 内村光良 (ウッチャンナンチャン)
⑤ 球磨川下り
⑥ 人吉のひな祭り
⑦ 球磨焼酎(首都圏では米が原料の焼酎の存在を知らない人が殆ど)
⑧ 鮎釣り、鮎料理
⑨ 鰻の上村
⑩ 川上哲治
番外 洪水災害(今年来年あたりにアンケートするとトップに来る可能性が高い)

SL人吉号

繊月大橋背景の「夏目友人帳」

鰻の上村

アユ釣り(友釣りは本当の釣りではないという指摘もあるが・・)

 このあたりは、一昨年車で東京から人吉へ行き、2週間ほどヤマセミの繁殖を観察・記録した際に人吉の事を憂いてブログにシリーズ化した際の投稿を参考にされたい。言葉はきついし、泣き所をストレートに書いたので不快に思われる方も居ようが、多少のご縁があり県外から来て同じような事をする方がもしいれば、似たような感じを抱くのではないだろうか?

団塊世代のジジ放談 #4.『人吉ファンとしてあえて言う、今人吉が危ない!』 


団塊世代のジジ放談 #5.『人吉ファンとしてあえて言う、今人吉が危ない!その2.』  


団塊世代のジジ放談 #6.『人吉ファンとしてあえて言う、今人吉が危ない!その3.』


 要は、人吉市並びに球磨エリアが全国レベルの認知度を得るには、それぞれが単独でPR活動を行うより、四国の四万十川ブランドの方法を見習い、上流の水上村から河口部の八代市に至るまで球磨川繋がりでのマーケティング戦略を立てる事が一番早くて効果的だと思うのだ。

 そのためには、まず人吉市並びに球磨地方が全国からどのように見られているのかを知るためのアンケート調査(インターネットではなく、対面調査が必須)を行ってみる事が大切だろう。

 この後、「人吉球磨の強みと泣き所」に進みたいと思う。