その中で、一度に二匹の獲物を同時に咥えて戻ってきたシーンは7~8回撮影できただけだ。それでも思いのほか多かったので、野生の凄さにただただ驚かされるばかりだ。
2016年に北海道根室の沖でエトピリカを撮影した際は、口一杯イワシのような小魚を8本ほど咥えていたが、7匹咥えたまま8匹目をどうやってゲットできるのか?不思議で仕方がなかったのを覚えている。
冬の水温の低いときは魚の動きも鈍いので、冬季に限ってダブルキャッチが出来るものと思ったのだが、実は人吉での撮影で一度に二匹獲った例が一番暑い8月にもあったので、水が冷たい冬だからという判断は間違いだと判った。
このヤマセミの撮影を始めた初期の頃、諸先輩たちから「ヤマセミは一度地べたや岩の上に落とした獲物には二度と口を付けない」と教わっていた。
しかし、自分で撮り始めて生の生態に接してみると、まず最初に水に取り落とした獲物は躊躇せず再びダイブして咥えることを知った。次に同時に二匹を咥えてきた際、一匹を岩の上にそーっとおいて最初の一匹を飲み込んだ後、周りを見渡してから岩の上に置いたもう一匹を続けて「サッ!」と咥えて飲み込んだのを記録している。
これは3度ほど撮影できている。で、今日はまず同時に二匹咥えて来て、一匹だけ飲み込んで二匹目を放棄してそのまま飛び去った際の観察画像をご紹介。
昨日と同じ個体だが、今日は刺し網漁の川舟の上でのパフォーマンス。
一度に二匹同時に咥えてきたヤマセミのオス。
しばらくどうしたものか考えていたのだが。
二匹同時に船べりに叩きつけて息の根を止めようとしたが・・。
上の画像の拡大の図。二匹咥えていることが見て取れる。
とうとう諦めて一匹を船べりに置いてしまった。
で、一匹を飲み込んだ。
しかし、二匹目はそのままにして飛び去ってしまった。