2018年11月9日金曜日

団塊世代は最近のメディア報道のマッチポンプを憂える。The baby-boom generation is worried about the recent media's match-pump one-man show.

 最近のTVゴールデンタイムの報道ニュースショウや朝のワイドショウ報道を観ている限り、やらせではないにしても自分たちで種をまいて事を大きくして置いて、それをさも大きなニュースであるかのように報道しているように見えて仕方がない。

 団塊世代が育ってきた1948年、つまり昭和20年代から21世紀が始まる直前まで、つまり2000年ころまではこういう状況にはなかったように思う。中でも特に気になったのが安田純平という自称ジャーナリストの生還に関わる報道、及び渋谷のハロウィーン騒乱報道だ。
国民に代わってって、誰か頼んだのか?メディアの認識は国民の意識とかけ離れている。

 前者の安田純平関連は、彼がジャーナリストとして報道関係者の間では認識されてはいるものの、筆者は過去における彼の仕事をまったく知らない。他のジャーナリストたちが彼を擁護しているネット記事などを読んでみても「彼はこういう実績成果がある」という記述がない。Wikipediaを繰ってみても出てくるのは中東で幾度も拘束監禁され、解放されたという羅列ばかりで具体的な体を張っての報道実績の掲載がない。
ネット記事より

 むしろ、強気で政府を批判したり文句をつける発言で顰蹙を買っている記事の方が多いようだ。ご本人に会ったことが無いのでこれ以上の紹介はできないが話題になり人々に論争を巻き起こすタイプの人ではあるようだ。その彼を応援をしているのはジャーナリストと称する同業者や実態をよく調べもせず論評したがるコメンテーターばかりのようで、一般の国民は「ある種のお騒がせ者」という認識の方が強いのではないだろうか?
この報道に限らず、体操選手パワハラ事件の宮嶋泰子をはじめ、テレ朝モーニングショーのコメンテーターの視野の狭い偏りは最近少しおかしい気がする。

 筆者が尊敬している写真家の一人に星野道夫という撮影取材中にシベリアのクマに襲われて命を落としてしまった方がいる。作品は素人の自分には足元にも及ばない凄い写真が多いのだが、その対象であるクマを知りすぎたが為、己の判断にスキが出来、殺られたという。
 しかしその彼ですら一人では行動しなかった、最後の晩もすぐそばにスタッフやクルーやガイドが居たという。安田純平氏はどうだったのか?単純なミスで現地の知らない案内人について行って拉致されたというが、大自然も中東の危険地帯も単独行動のよそ者にとって危険は似たようなものだろう?

 しかし、少なくとも星野道夫氏はもの凄い実績と成果を残している、勿論危険に出逢って遭難しても政府に頼っては居ない、メディアに頼ってもいない。自己責任だと非難する人もいない。亡くなった後の写真展はいつも大盛況だ、このあたりが人間の質の差だろうと思う。

 今秋の一件は通信インフラ、情報量が多くなった現在だからこそ問題になる話で、これが1964年の東京オリンピックの頃であれば何の報道ネタにもならない事件に違いない。

 日本人が本当に問題にすべき「今そこにある危機問題」は、こんな自分勝手な自称ジャーナリストの伝えるシリアの惨状や生還騒動以外、いくらでも目の前にあるだろう。それは今でもまだほとんど解決していない福島の原発事故隠しだ。国民の眼を福島原発の大失態事故からそらす為のメディアネタ=2020東京オリンピック誘致、築地市場移転問題など挙げていけば限がない、実は安田純平問題もハロウィーン騒動もその一環のように見えてしょうがないが如何だろう?まずい事からメディア操作で国民の眼をそらす企みは昔からどの国の権力保持者も行ってきた事。しかし人の好い日本人種はあまりそういうことに敏感ではないようだ。

 日本人は自分の身に直接関係なければ、あまり物事を気にしない国民性を持っている。世界的に見れば極端な平和ボケ?ある所での調査結果に驚いた。「貴方の国が敵国の脅威にさらされた場合、貴方自身は武器を持って戦うか?」への回答で「身をもって戦う!」と答えた日本人はアンケート対象者の15%しかいなかったという。同じ第二次世界対戦敗戦国のドイツ人が45%だったのに比べると信じられないほど低い。ジャーナリストが如何に苦労して中東の惨状を伝えようと、日本国民のほとんどにとってシリアの事は他人事なのだ。

 ジャーナリストはそれを非難し嘆くが、そんな外国の事より拉致問題や原発事故問題、台風や地震被害問題の方が遥かに身に迫った重要な危機なのだから仕方ないだろう?この辺りの認識の差はこの先も埋まるまいとみている。

 もう一つ気になる渋谷のハロウィーン騒乱はもう完全にメディアのマッチポンプと言って良いだろう。メディアが煽り宣伝して若者達や外国人たちを夕暮れ以降の渋谷へ繰り出させ、酒を飲ませて暴れさせる・・・。サッカーワールドカップの日本勝利の際の前例を見て、サッカーボールをカボチャに替えただけだと思う。
google フリー画像より

ハロウィーンの本質などどうでもよい、ただ騒ぎたい人間達の年に数度のガス抜き場所が渋谷ってことだろう?メディアは早くこういう連中の本質を見抜き、騒動を煽り加担するのをやめるべきではないだろうか?ハッキリ言ってメディアが一番悪いような気がする。

 それで暴れる連中を報道し「困ったものです、何とかならないでしょうか?」などと良い子ぶって非難する。これって自分で火をつけ火事を起こして「真っ赤に燃えています!延焼が危ぶまれます、消防車はまだでしょうか!怪我をした方がいないと良いのですが・・・。」と言っているに等しい。典型的なマッチポンプではないのか?

 もともとハロウィーンなど異教徒の子供の祭りだろう?日本の伝統的祭り五節句もまともに祝わず、異教徒の祭りにうつつを抜かし他人に迷惑をかけるなど、日本の子供教育・学校教育の怠慢・責任と言って良い。文科省はいったい何をしているのだ?海外旅行者のインバウンドを増やすネタにハロウィーンなどを盛りあげるなどもっての外だ。日本人観光客を増やす為にロンドンやパリで七夕祭り盛りあげてをやっているのに等しい。

 SNSの情報、YouTubeの画像に頼ってばかりの昨今のTV報道。このままで良い訳はない。本来の意味でのメディアの役割、独自性、独立性を再認識してほしい所だ。