2022年5月26日木曜日

カラスの寄生虫駆除行動を間近に観察。 I observed the crow's parasite extermination behavior up close.

  野鳥の体・主翼には寄生虫やダニが沢山付いていて、年がら年中くちばしでその体や羽毛を突いているのはよく見る生態だ。何処に留まっていても、身づくろい、羽づくろいに余念がない姿を見たことがあると思う。

 あれは決して野鳥が綺麗好きだからではなく、体中寄生虫だらけだからという説の方が正しい様だ。

 その寄生虫やダニの多さを実感した事があった。数年前、我が家の巣箱からシジュウカラの雛が7羽孵ったことがあった。すべてが巣立ったので巣箱を掛けてあった樹の幹から外そうとした際、ダニの大群に襲われたのだ。トリサシダニという人間にも取り付き刺すという。

 慌てて風呂に入って全身を洗い防疫剤を噴霧してしばらくは動けなかった。

 ハトやカラスにも当然これが全身に寄生していると思われる。雛も同然だ。

 で、彼らはどうするかというと、年がら年じゅうをまさぐるのとは別に、熱くなった砂地やコンクリートの地べたに主翼を広げてダニや寄生虫を主翼や体から追い出すのだ。ヤマセミも川沿いの熱くなった岩に羽を広げてこの行動をする。幾度も撮影した画像がある。

 今回、カラスがこれとは異なる方法で寄生虫やダニを追い払う現場を観察できた。場所は明治神宮境内。まずカラスが樹の洞に巣食ったアリをつまんで体にこすりつけ、次に地上のアリの巣の上に羽を広げてアリを誘い出し、くちばしでアリを咥えて羽をしごくのだ。

 これはアリの出す蟻酸により寄生虫を追い出すのだという。普段と違うカラスの行動にしばし見とれてしまった。

最初は樹の洞に首を突っ込んで何か(アリ)を漁っているのに気が付いて・・・。

そのカラスが今度は地上で羽を広げて何かをついばんでいるのを発見!



よく見たらアリを咥えていた。

この行動を動画でも収録できた。




この行動を見て、カラスに親近感を覚えたように思う。