2020年5月3日日曜日

川辺川のヤマセミはより接近できるのだが・・・。 You can observe get closer the Crested kingfisher at the Kawabe River , but ...

 川辺川が球磨川本流と比べて違う点は川の水の色だけではない。川幅が狭い部分が多いことにより、より接近してヤマセミを観察・撮影できるのだ。しかし、ご存じのとおりヤマセミは警戒心が強い権化のような野鳥だ。いわゆる一見さん、初めてその場所・エリアに来た観察者はチラ見はできたとしても逃げられてしまいまともに観察はできない。

 球磨川本流であれば、橋の上や土手の道路上から観察も可能だが、川辺川の場合はよほど条件が良くても車の中からの観察・撮影、もしくは迷彩ブラインドなどのハイド(隠れ場所)の中から行わなければ難しい。

 しかしブラインドからの撮影は、タイミングさえ合えば素晴らしい写真が撮れるのだが、生態を裏付ける証拠画像を沢山撮る場合には周りの状況・環境に目を配れないので筆者は使用しない。

 車の中からの観察撮影、もしくは河原で寝転がって撮影することが多い。これはあくまで経験値から来るもので、三脚を使用したくない、タイミングとチャンスを逃したくない一心から来るものだ。
 数日掛けて、同じ時間に、同じ場所に、同じ格好で行くことでヤマセミにその存在を顔を覚え認識してもらい、「其処に居ても警戒しない状況」に慣れさせることが出来ればブラインドなどに閉じこもらず接近観察・撮影が可能だ。

 筆者の場合、3日掛けて川漁師さんのように毎日早朝、陽の出のころから迷彩の上下にギリースーツを着て河原に降り、石ころの間に腰を下ろして1時間待つことを繰り返した。目の前をヤマセミが幾度も通過しても最初はレンズを向けず、コンビニで買ったおにぎりとサーモポットに入れた珈琲でしばし大自然の朝の佇まいを楽しむことを繰り返した。

 2時間ほどすると、4日目辺りからヤマセミも目の前の岩に留まったり、求愛給餌をしたり、交尾行動をしたりする。時には別のヤマセミが飛んできて目の前で縄張り争いをしたりもする。撮影者がいるのは河原(更にギリースツを着て寝そべっている)なので球磨川での撮影画像とは違うアングルで狙う事が出来る。

 川面を飛び抜ける画像であれば、星の数ほど撮ったが、やはり何かしらの行動を伴う生態画像が狙いなので球磨川よりは大変だが、期待値以上の成果が多いのも確かだ。
 但し、川辺川も川漁師さんの生活の場だ、車の置き場所、居場所などは必ず声を掛けて了解を取っておくこと。ゴミは必ず持ち帰る事が必須条件だ。

 5月に入って、この先しばらくはすべて川辺川、並びに支流部でのヤマセミ生態画像をご紹介していこうと思う。しばらくは人吉市と球磨川から遠ざかることになる。
河原で寝そべっていればヤマセミからは見降ろすことに成るので警戒心は半減する。

野鳥は自分より上方にいる生き物を警戒する。下の位置にいるとより自然体を観察可能。





大雨の直後などには無理な観察だが、天候を読めればチャンスは多いはずだ。