2020年5月15日金曜日

繁殖期に二羽で寄り添うヤマセミの繁殖状況は? How about the breeding status of the Crested kingfisher that nestles with pair during the breeding season?

 三鷹市に移り住んで50年が経つが、以前このブログでもご紹介した通り筆者がお世話に成っている床屋さんは1960年代からずーっとBarber石井。明るい親子で続ける伝承技術は今どきなかなか無い匠の世界だ。

 その床屋さんが4月中旬から5月連休が明けるまで新型コロナウイルス禍で店を開けなかった。バスで、あるいは徒歩でお店の前を通り過ぎる度、いつ開くのか?と気になっていた。

バスに乗るときは車内から撮影できる席に座る。今はコロナ禍で窓が開いているので撮影しやすい。
で、先週末バスで通過する際に覗いたら例の赤・白・青のバーバーサインがくるくる回っていた。一発で開いているか否かが判るこのサインは、世の中にいろいろ存在する職業のお店の中で、うなぎ屋の煙の匂い看板?と双璧を成す素晴らしい看板だと思う。

 人間が生きていくうちには重要な要素が三つある。衣・食・住だ。しかし床屋さんはまあ住の一部と考えられなくもないが一種独立した特異ジャンルだ。料理店の板前さんと同様刃物を持って客と対峙する数少ない職業だ。板前さんはカウンターを挟んでの対峙だからまだ刃物を持っていても緊張感は無いが、床屋さんはそうはいかない。

 時には髭剃りで喉に刃物を突き付けられる。しかも考えてみれば、感覚は無いとはいえ体の一部を切り取られるのだ。言ってみれば一時的にしろ他人に完全に命を預ける訳だから、考えてみれば大変なことだ。40年以上連れ添った我が家のカミさんにもされたことが無いことを平均月一でされているのだから、考えてみれば家族以上に信頼していなければ椅子の上で寝込んだりできない。だから、気の弱い筆者は、通う床屋さんを頻繁に変える人はよほど勇気があるんだと思う。

 客がこんなことを考えているのだから、理髪業の世界はもの凄く厳しいらしい。包丁を使う調理人の世界も資格だの技術だのやたら規則が厳しい様だが、理容の世界はより他人に近い状態で刃物を使用する訳だから人格、性格、技術の試験は相当厳しいはずだ。

 それが証拠に、歴代の映画で板前さんが懐に持った刃物で暴れまくる映画はいくらでもあるが、床屋さんが刃物やバリカンを持って暴れまくる映画を見たことが無い。技術だけではなく人間が出来ていなけりゃ務まらないのが理髪師という職業だろうと思う。

 頭の毛がすっきりしたので気持ちが良くなって床屋さんの話を書いたが、コロナが早く収まって頭の中身もすっきりさせたいものだ。


・・・という訳で、ウイークエンド直前の金曜日のブログは川辺川のヤマセミつがい。

 繁殖期、特に卵が孵化する前の親鳥はシラスの壁に掘った1.5mほどの巣穴の中で交代で卵を温めるようだ。雛がかえって餌をねだるようになると、つがいの親は雛の育ち具合に応じて頻繁に採餌しては巣に戻り給餌する。余程の早朝以外常に片方が巣穴もしくは巣穴の入り口を望める場所から付かず離れずで見守っている。

 この状態で巣穴に近づくとヤマセミは育雛を放棄してしまったりする。川辺川では幾度かそういう状況に遭遇している。筆者は地元ではないから毎日観察見回りできる訳では無い。1か月経って見回ったら静かになってしまって繁殖半ばでヤマセミの姿が見えなくなったことは数限りなく多い。繁殖成功確率はそれでも30~50%はあるような気がしている。年によって異なるようだ。

 雛がある程度大きくなると、早朝つがいで木に留まって居たりするので撮影する機会も出てくる。



この時は余裕が見えたので繁殖が順調だったのだろう、川辺川の深い峡谷部で。