2018年6月22日金曜日

緊急投稿!「総合写真展」が過ちを認め反省した! "General photo exhibition" headquarters acknowledged their mistakes and apologized !

 6月10日付のこのブログで「2017総合写真展」の上から3番目に当たる「衆議院議長賞」に入選した野鳥の写真「群翕の舞」について、その撮影方法が非常識だとクレーム投稿した。撮影した本人は早朝寝ている野鳥たちを刺激し飛び立たせた事を「してやったり!」と自慢するようなコメントを出していた。
 そのような状況が「良くない事」と認識せず「衆議院議長賞」に推挙した審査員達の無知を指摘すると共に、今後似たような撮影方法で応募する輩が増える事にもつながるので善処するよう投稿した。
http://yamasemiweb.blogspot.com/2018/06/2017there-was-no-nature-conservation.html

 この事は心ある野鳥観察者の方の憤慨されたTwitter投稿を見て、筆者が裏取りの意味で事実を調べ、このヤマセミ ブログで詳しくレポートしたのだが、全国から多数この「総合写真展」運営本部へ似たようなクレームが届いたものと思われる。筆者もこの最初のTwitterに投稿された心ある方(=Funaさん)の最初の一歩が無ければ知らないまま終わっていた。

 結果その後「総合写真展」のサイトがどうなっているか昨日確認した所、「衆議院議長賞=群翕の舞」と撮影者の顔写真付きコメントが削除され本部からの説明が掲載されていた。

現在の「総合写真展」のサイト

 この本部のコメントで、「当事務局といたしましては、この行為が「虐待」にあたるとまでは認識しておらず、行き過ぎはあったものの、表現者としての創作行為の範疇と判断して・・・」とあるが、火に油を注ぐような事に成らなければいいがと思っている。

 事務局の担当者がこの写真展の広報担当者なのか審査員なのか否かは判らないが、「虐待」でなければ良しとするこの考え方には、あまりにも非常識で無知だと思う。大自然や野生動物を見下した人間のオゴリを感じて仕方がないのだが如何だろう?

 2005年に世界自然遺産に指定された「知床半島」で、ヒグマに餌付けしながらクルマから出て近づき撮影するカメラマンたち。札幌国際スキー場へ向かう途中でドライバーのくれる餌を待つキタキツネたち、それを撮影するアマチュアカメラマンたち。これらは地元の方より観光でそれ目当てに北海道に来た他地域の人間の方が多いとも聞く。


 これらのアマチュア・カメラマンたちの行為が、人間に近づきすぎたヒグマを射殺せざるを得ない悲しい事実を生み出している事を「当事務局」の担当者や審査員たちはどう考えるのだろう?
 ヒグマを射殺せざるを得なかった知床の自然管理者は泣きながら「人間がヒグマを殺している」と嘆いているという。

 同じく知床でカメラマン目当てに異常に高い値段で撮影させる観光船が流氷上に凍った魚をばらまき、それを目当てに争そいながら集まるオオワシやオジロワシを撮り、さも大自然の中で撮影したかのように写真展に応募するカメラマン達の何と多い事か!

 それもなおかつ、「この行為が「虐待」にあたるとまでは認識しておらず、行き過ぎはあったものの、表現者としての創作行為の範疇と判断」するのだろうか?
 星野道夫氏のアラスカやシベリアの大自然の写真に憧れ、似たような写真を撮りたいのは良く判る。しかし努力とリスクを負わずして楽な道を選び、なおかつルールマナーを無視して撮り、パソコンによる画像処理や修正屋に手を入れさせて応募するような写真展が本当の写真展だろうか?

 血の出るような苦労をして、幾度もチャレンジして「最高の瞬間」をモノにしている、本物のプロの写真家の方々に失礼ではないだろうか?

 自然や野生動物に対して、さらに言えば撮影者としてのルールやマナーを守るどころか、自分の行った行為を自慢するなど無邪気な「写真老人」の今回の件は野鳥に限らず、野生動物を撮影する者たちにとって大きな問題を提起してくれた。
 これを受け、写真展主催者として「褒めて欲しい貪欲なアマチュアカメラマン達」が起こすルール・マナー違反、非常識・迷惑行為を押さえる何らかの「撮影・応募規則」を設けるべきだと思うが如何だろうか?

 審査員の皆さんは自分でも応募作品のような写真を撮れる技量・実力はあるのだろうか?まさか応募作品を見て好き嫌いのレベル、受けるか受けないかの判断基準で賞を決めている訳ではないだろう?
 はたしてイルカのバブルリングだって小学生ではなく、この道40年の年季の入ったベテランが同じモノを撮影・応募しても内閣総理大臣賞に成っただろうか?

 写真展に限らず、コンテスト・展覧会には「裏」があるのは重々承知。コンテストには必ず流派や教室(=先生や派閥)のバランス、スポンサーの意向が入るのは当たり前、単純に作品そのものの優劣・実力だけで賞の上下が決まらない事くらい、大手広告代理店勤務の長い経験上百も承知だ。

 しかし、その作品が「どういう状況下で撮影されたか」の判断を出来るのがプロの審査員だと思う。同時に撮影者のコメントが世の中にどのような反響を呼ぶか事前に判断するのが事務局の担当者の技量・責任だろうと思う。
 
 今回全国から多くの方々がクレームをした背景と理由をじっくりと精査して、次に繋げ2018年度は素晴らしい「総合写真展」にして頂ければと思う次第。