野鳥の生態を研究している身からすれば、こんな事があって良いのだろうかという、まことに非常識な事態だ。投稿された方はいたたまれず投稿したのだろう。筆者も煮えくり返るほどの怒りを覚えた。
これが今日投稿されたTwitter。
情報はTwitterへ投稿した入賞者の自慢げな受賞コメントに呆れた心ある方の怒りの投稿からだった。
SNSの情報を鵜呑みにして裏を取らないメディア報道にクレームを言い続けている筆者なので、あらゆる方法でそれが真実なのか、どういうレベルの写真コンテストなのか調査した。
結果はなんと!「総合写真展2017」という堂々とした一般のアマチュアカメラマン対象の入門者用の写真展だったが、東京都美術館で展示されるしっかりとした写真展だった。
全国公募「総合写真展」⇒ http://shashinten.info/index.html
此処に入賞者紹介のページがある。⇒ http://shashinten.info/winning_work.html
その中の衆議院議長賞が問題の入賞作品と応募者だった。
これが問題のクレーム投稿のオリジナル
※この衆議院議長賞の部分は世間のクレームが効いたのか、主宰者が反省したのか6月20日現在公式サイトからは削除されてしまっている。やはり主催者側で、公募作品も撮影方法も撮影者の理念もまずいとの判断が成されたのだと思う。
次回(今年2018年度)の応募要項
この写真コンテストのHPによれば審査員たちはこのメンバーだそうだが、自然や自然保護に関する神経はまるでお持ちではない方々ばかりらしい。水族館でバブルリングを出すイルカと大自然で寝ていて起こされた野鳥の違いも判らない自然音痴らしい。
審査員がこんなレベルで、撮影者の撮影時の苦労や撮影ルール・マナー自然保護に関して無知なので、どうしようもない状態。だからこそ本当に優れた野鳥撮影者はこういった尊敬出来ない人々が審査員を行っているコンテストになど応募しないのだろう?
残念ながら決して優れてはいないが、勿論筆者もその最右翼だ。
感動さえ伝われば何でもありなのであれば、今後この手の撮影・応募作品が激増するだろう。無知で無邪気な入賞者本人も柳の下のドジョウを狙うだろう。
こういう写真を「賞」に押して推奨した審査員たちの責任は重いと言わざるを得ない。自然や自然保護に無知などうしようもない連中だという事だ。
野生の動物を刺激して、危機感を感じさせ飛び立たせることで得た画像作品など、どんなに感動を覚えようが良い訳無いだろう?
そのうち、こういう写真が上位に入賞できるのであれば、ヒナを育てている巣にストロボを当てて親子の画像を撮影し応募してくる輩が出て来てもおかしくないと踏んでいる。
このあたり、アサヒカメラなどで野鳥撮影時のマナーを高らかに論じていた日本野鳥の会などの団体はなぜ黙っているのだろう?正面から正式にクレームをつけるべきではないのか?入賞者がどうやって作品を撮影したか堂々と自慢げにコメントしている以上「悪い」という意識・反省はみじんも感じられない。まさか受賞者が野鳥の会のメンバーだったので忖度したのではあるまい?
この手のルール・マナーを守らぬ野鳥撮影者が居るお陰で、一般の善良な自然に配慮しつつ撮影している数多くの愛好家全体が白い眼で見られてはたまったものではない。猛省と事後措置を促したい。