2016年10月21日金曜日

ヤマセミの寿命が7~8年というのは本当だろうか?Is it true that the life expectancy of the cested kingfisher says 7-8 years?

 今日は感動的な出遭いがあった。時折ポツポツと雨粒が落ちてくる人吉市中心部の球磨川。2010年以来6年通い続けている定番メインの観察場所だ。以前のブログで何度もこちらを認識していると思われるメスのヤマセミが居るという話をした。

 採餌ダイブの後、水中からジャンプして戻る際のジャンプ力が非常に強い個体で、撮影後いつものメスだと認識していた。もちろん同じ場所を縄張りとして生きているので、いつ行っても同じ場所で出遭うおなじみさんのヤマセミである事は当然判っていた。

 しかし、野鳥の寿命に関してはいろいろな説がある中で、ヤマセミのそれは7~8年だろうというどこかの記述を信じて来た。2010年にこの場所で初めてヤマセミに出遭って以来、こちらを認識してくれ(・・と考えなければとても理解できない行動が数多くある)色々パフォーマンスをしてくれた「当時のヤマセミ・メス」はとっくに死亡し、現在縄張りを引き継いでいるのはその子孫だろうと決めつけていた。

 ところが、今日ちょっと信じられない事が起こった。早朝いつもの地元の方2人と左岸の土手で集合、ウナギ塚に留まった「つがい」らしき2羽を撮影した先輩たちと別れた後、3時間ほどして早朝と同じ場所の対岸つまり右岸の堤防道路を走行中、堤防に1羽のメスのヤマセミが止まっていたがどうせ車が近づけば飛び去るだろうと思い、そのまま通り過ぎたのだが、その瞬間そのヤマセミと目が合った。しかしこちらを目で追うヤマセミは飛び去らなかったのだ。

で、80m程先の空き地に車を停め、念のためまだヤマセミが居るかどうか確認した。カメラを持って堤防の縁に行ったところ、何とそのヤマセミがこちらへ飛んできて堤防下から自分のすぐ横の堤防に留まったのだ。

 なおかつ、ちょこちょこと数歩歩いてこちらに近づいたのだ。以前似たような天気の日に車の中から観察撮影中、球磨川の河原から飛んできて車の3m後ろに留まりやはり歩いて近づいて来た事があったが、完全にそれと同じような状況だ。しかも今回筆者は車の外!

 ヤマセミ観察撮影時は常に同じ柄のシャツに迷彩ベストを着て臨んでいる。車はシルバーメタリック車にしている。今回も全く同じなのだが・・・。まさか2010年以来のあのメスなのだろうか?

 堤防上の道路は通行人が居ない昼前11時09分なのだが、,画像データを見ると正確には堤防に来て留まった最初のカットが10月21日11時21分50秒、飛び去る53カット目が24分20秒だからちょうど2分半そのままのお見合い状態が続き、おもむろにヤマセミは堤防からダイブして水浴びの後上流方向へ去ったが、すぐ先50m程の立柳に留まった。野生の、しかも深山に棲むといわれるヤマセミが人間と1対1で向かい合ってこれだけの時間対峙する事が普通の状態であるだろうか?

 どう考えても尋常ではない。決して筆者の個人的な思い込みでも何でもないと思う。

 この衝撃は非常に大きなものだった。はたして野鳥がたまにしか人吉に来ない人間を覚えているのだろうか?以前TVでアフリカのマウンテンゴリラが、20年前10mの距離で数週間観察した動物学者を覚えていて、再開時懐かしがるような素振りを見せたというのを観て驚いたことがあったが・・・。野鳥にも類人猿と同じようなことが有り得るのだろうか?

 現場で同席した訳では無い皆さんは作り話に決まっている!・・・と思うだろうが、取り合えず今日の画像を見て判断いただきたい。 
普通はこの距離で堤防上の人間に気が付きコースを変えて飛び去るのだが・・。

こちらを認識しながら堤防上へ飛んできた!



その距離10m程か?車の外なのに1対1でこの距離は初めてだ。

瞬膜を閉じたりしているが鳴きもせずしばらく目が合ったまま。

向きを変えても、何かを確認するかのようにこちらを注視している模様。

しばらく経って、おもむろに飛び去ったが、危機を感じて飛び去る場合とは方向が全然違う。

真横に飛んで水浴びをした後川上へ向きを変えて飛び去った。こちらは茫然自失。