クロツラヘラサギはご存じのように絶滅危惧種でレッドブックに記載されている希少な野鳥だ。勿論関東では目にする事が出来ない、いわゆる図鑑のみの野鳥だが実際に生で視てみると図鑑ではとても理解できない行動が見られて目から鱗状態になる野鳥だと言えよう。
偶然、今回掲載の沖縄での撮影時には普通のヘラサギと一緒に採餌をしていたので、ノーマルなヘラサギとクロツラヘラサギの違いを良く理解できる。何故か人吉から遠征した出水市のツル飛来地横の川で撮影した時もノーマルなヘラサギが一緒だった。面白い現象かもしれない。
兵庫県の豊岡市にあるコウノトリの里で学んだ事だが、コウノトリ科のコウノトリやトキ、そうしてこのヘラサギ、クロツラヘラサギはアオサギやダイサギ、コサギなどのようにジーッと水面を注視していきなり鋭い動きで魚などの餌を獲るのではない。どうやって採餌するかと観察していると、数羽で横一列に並んで水中と言うか泥水と言うか干潟の水中に長いスプーンのようなクチバシを突っ込んで左右に交互にまさぐって前進するのだ。何故そうなのかというと、彼らの種類にはくちばしの先にセンサーが有って、泥の中をかき回す事でそれに触れるか触れないかの微妙な状況下で餌を判別しキャッチするのだそうだ。魚と甲殻類が主食だが回遊する種の魚ではなく干潟に居るハゼやドンコ、ムツゴロウのような動きの鈍い獲物が相手なのでそのように発達したらしい。
干潟を大きな体が一列に成って同じ仕草をする様はどこか面白い。写真撮影の良い被写体だと思う。今年の課題は飛翔シーンを是非連写してみたいと思っている。
Black-Faced Spoonbill on a mangrove.
沖縄の漫湖でのマングローブ上のクロツラヘラサギ。
まず行った時は寝ていたが、30分ほど待ったら起き始めた。
Black-Faced Spoonbill in love.
そのうち2羽はお互い相手をなでたり触ったり・・恋の季節か?ディスプレイの一種だろうか?だったら超ラッキーかも?
right side is normal Spoonbill.
クロツラヘラサギの仲良しはほぼ20分も続いた。右上の一羽は普通のヘラサギ。
The colony of Black-Faced Spoonbill and Spoonbill.
普通のヘラサギは一羽だけだが、よそ者扱いもせず「何が違うの?」と言わんばかりに全く問題なく一緒に採餌し行動している。その画像は続編で。