2023年9月9日土曜日

団塊世代はこの夏個人的に生き方と価値観と人間関係を見直す時期だったと思う。 I personally think this summer was a time by myself to reevaluate my way of life, values, and relationships.

  今年は夏の終わりまでに自分の身に大きな事が2件も起こった、ここ10年では非常に珍しい年だ。まだこの先何かあるかもしれないが、モノを見る目、人を見る目、価値観・考え方に大きな変化が生じたと言って良いだろう。

 その一つが、尊敬するプロの写真家さんに誘われて行えた、人生で初めての「写真展」だ。よくある、お仲間同士のグループ展へ数点出品したのでもなく、公募写真展へ入選して入選作が一点展示される形での「写真展」でもなく、一つのテーマに沿った1人25点展示する超本格的写真展なのだ。

 この手の写真展としては非常に来場者も多く、非常に好評だったとの事だが、もちろん著名でファンの多いプロの写真家さんプロデュースだからであることは言うまでもない。



 写真展までの詰めの3か月間はハイテンションのまま毎日が過ぎていった。やる事なす事初めてだらけで、70歳過ぎてこんなに新しいことを勉強するとは思わなかった。

 同時に写真世界のプロという壁の高さ、仕事への細かさ、気の配り、確実性、目からウロコの毎日だった。

 もちろん写真展を実施するという写真展プロデュースに関しての勉強だけではなく、基本的な写真の撮り方、被写体の狙い方、表現方法といった撮影者にしかわからない大きく広い諸々の重要事項から、常にレンズはきれいにしておく事・・・といった基本中の基本まで一つの写真学校を4年かけて卒業するに等しい時間だった。

http://yamasemiweb.blogspot.com/2023/06/1the-photo-exhibition-we-and-wild-bird.html

 ところが、これだけ準備して開催にこぎつけたとたん、開催二日目終了後に気力・体力が電池切れでダウンしてしまったのだ。原因は医者に言わせると喉風邪と蓄積疲労。一時は入院かというほどの肺炎前期症状にまで進んでしまった。珍しいことだ。

 これは筆者独特のパターンのようだ。全力で事に当たり明日から本番!、もうジタバタしたって仕方がない、本番は絶対に成功する準備を万端整えたから大丈夫!・・不安など一切無い!・・というのが気の緩みになり気力・体力オーバーヒートで動けなくなるのだ。

 1995年、野沢温泉村で開催された’95インタースキー野沢温泉大会。準備に半年かけていざ明日が開会式という前日ダウンしてしまったのだ。

 開会式前日の公式晩餐会に招待されていた筆者がダウンしたものだから、大会名誉総裁の故・寛仁親王殿下に大変ご心配頂き、お付きの宮務官にものすごく効く抗生物質を届けて頂いた。

1995年インタースキー開催記念晩餐会 招待状 ※禁複写

 酒を一滴も飲めない筆者がこれをチリビールとかいう唐辛子が浮いたビールとともに飲まされ、なんと30分で起き上がれたのだ。

 で、晩餐会にフラフラになりながらも出席できたのだが、入り口まで心配されて出てこられた殿下に「おう、元気になったか?何だお前、もう一杯ひっかけてきたのか、真っ赤な顔して」とお言葉をいただいてしまった。

 忘れられない一瞬だったが、今回写真展二日目日のダウンもこれに非常に似ている。これが筆者の「癖」なのだろう。後先考えずに全力(以上)で事に当たり、安心するといきなりダウンしてしまう・・・。パワー不足というか、エネルギーの配分を知らないというか、陸上で言えば400m競技をスタートから100m競技のスピードで走ってしまう馬鹿に近いのかもしれない。

 繰り返すがこの写真展、二日目の夕方突然の悪寒で倒れ発熱、しかし3時間寝たら熱も下がったが起き上がれなくなってしまった。翌日3日目からの事を考えたとき「残念ながら出展者は寝てます・・。」の恥ずかしさと運営の心配と責任感で、まあ我が人生でも滅多に無いどん底の気分だった。我が人生で一番のピンチだった気がする。

http://yamasemiweb.blogspot.com/2023/07/photo-exhibition-of-nogawa-which-was.html

 信頼できる友数人に電話で窮状を説明したところの反応がそれぞれ違い、人の有難さ、友の有難さを今までになく感じたことだった。この瞬間ほど人を見る目が変わった瞬間はなかった。

 人の必死の窮状を解かる人間と、そうでない人間の差がはっきりとみて取れた瞬間だった。

 自分の予定をすべてキャンセルして「そりゃ大変だ、何でも言ってよ!何時でも何処でも行きます」と言ってくれた友、そうでない友、人それぞれの違いをこれほど感じた瞬間はなかった。

 写真展も事前に個人的にEメール、案内状、Facebook(FB友は常時厳選99名)での告知を行い、何と小学校、中学校、高校、専門学校、大学、社会人になってから3社の同僚、いろいろな人生の各時代から82名(友人が同伴で来てくれた人数21名)もの知り合いが来てくれた。

友人知人のご家族・友人はカウントしていない。最終日集計

 これには腰を抜かすほど驚いた。一つの学校、組織の同窓会に出席しても、その時代の仲間にしか出会えないからこうはいかない。

 ここでも思いもよらない嬉しい来場者、期待したのに残念ながら来られなかった人、来てもらえなかった人・・・。千差万別、人間模様がしっかりと脳裏に刻まれたのだった。

 Facebook繋がりの友人も19名来てくれた。FB友達99名のうち19名来場(4人に一人)というのも、どれだけFBが効果あるかの実証だろう。

 来てくれた方82名への御恩は一生忘れないだろう。人生初めての事だもの82名の名前、忘れる訳がない。

 人間は正直だ。特に筆者は恩を感じた人へは何でもしてあげたくなる、役に立ちたいと思ってしまう。普通の人よりはこれが異常に強いかもしれない。

 その逆も非常に強い。期待に外れた人は脳裏からすぐ消えていく。疎遠になる、これはこの年齢からすれば仕方がないことだろう?人それぞれだもの。

 そういうわけで筆者にとって大きな転機になった今年の7月8月。9月になっていろいろ先を考えての行動に切り替えている今日この頃だ。