あのスバルが36年間続けた名車レガシィ・アウトバック・シリーズの販売を終了する様だ。
筆者は1996年まで旭川スバルから提供されていたスノボ大会のオフィシャルカーとしてのインプレッサを運転していたが、1997年から長野オリンピック時のプレ・オリンピック白馬男子スキー滑降PR用オフィシャルカーとしてレガシィ・ツーリングワゴンを運転していた。
大会ロゴをマーキングフィルムで貼り付けたPRカーで東京~白馬間を何度往復しただろう。本番の1998年には長野オリンピック・スノーボード種目・競技委員(広報担当)として、国際スキー連盟のTDハンノ・トラィンドルなどを成田空港まで迎えに行ったりもした。その際は全てレガシィ・ランカスターと云う車種呼称(=後のアウトバック)だった。
当時長野オリンピックのスノーボード日本代表選手発掘の為、シリーズ大会を企画運営していたので、北海道でのスノーボードの大会も同時に廻り、雪道・凍結道路での運転は随分熟練した。
北海道在住の人ほどではないが、雪道でも80㎞/hくらいでは平気で走れるようになった。その後21世紀になって主に本州で雪道を走るようになっても、無事故無違反で通せている。運も良く75歳になる今までずーっと無事故無違反だ。
これは北海道サホロリゾートでの国際大会中、深夜スキー場の駐車場で地元の関係者にありったけのスピンや急制動を実訓練されたお陰だと思っている。乗っている車の限界だとか圧雪やアイスバーンで制動をかけた際の反応・距離などに慣れることが非常に役に立っている。
奥日光の雪道下り走行の動画 ※運転席後部席から撮影者が手を伸ばしコンデジで撮影
https://www.youtube.com/watch?v=yIDL_CCLeOs
しかしこれもスバルの4輪駆動・レガシィ・シリーズだからこその事で、他メーカーのクルマではこうはいかなかったと今でも思っている。だからこそ今乗っているレガシイ・アウトバックも19年間乗り続けている。壊れない・・・ずっと調子が良いまま。これが筆者が車に求める最大の要因だ。他、荷物をたくさん積める、燃費が良い、それが筆者が車に求める必要条件。
色や形、附属装置に関しては殆ど気にしない。車はあくまで移動するに必要な道具。
大体において車は人に自慢したりカッコつけたりするものではない・・という考えを免許取った時から持っている。第一運転席に乗ってしまえば外観や色など判らないもの・・。
むしろそれで移動して移動先で何をするのかが重要。本来であれば目的地に瞬間移動WARPして欲しいほどだもの。ドライブが趣味などと言う人とは根本的に考え方が違っている。
かって、ハワイへ幾度もウインドサーフィン国際大会の運営で出張した際、地元の友人たちに訊かれたことがある。「日本人にはドライブが趣味とか、丁寧に自分の手で車を磨くやつがいると聞いたが本当か?」これに対し結構いるなぁ‥と答えたら驚いていた。
米国、特にハワイなど車しか移動手段がない場所での車に対する考え方と、日本では随分意識も価値観も違うのだと学んだ。
この辺りが日本国内においても車を製造して売って儲けるメーカーの人間と消費者ではずいぶん違うと思う。
かって広告代理店勤務時代スポンサーさん(車メーカー)のメンバー数名と会食をした際、この辺りの考え方が大いに違ったのを記憶している。購入者・使用者としての客の意見や希望など訊かないのかと聞いたら、呆れて様な顔で筆者を観て「そんな耳を持たない‥消費者に迎合してどうする?」と断言した。
メーカーとしての傲慢とも思えるプライドと自信が顔全面に出ていた、本音なのだろう。買う側の考え・声を訊こうとしない姿勢、消費者としては当時ちょっと嫌な気がしたのを覚えている。今思い返せば個人的資質の問題でメーカーとしての総意ではなかったとは思うが・・。
自分の知っているヨーロッパのメーカーの基本的考えと随分差があった。(仕事上深い付き合いのあったプジョーとBMWしか知らないが・・)仏・モンベリアールに在るプジョーの工場に1週間滞在した際、消費者からの注文・希望・意見を吸い取るセクションのスタッフとミーティングを持った。1983年の事だった。
消費者からの意見は聴くべき所はしっかりと聴く、しかしメーカーとしての個性を形作る主義主張は譲らない。是々非々をきちんとわきまえていたのが印象的だった。
車に対する伝統と歴史・価値観の差が感じられた。
かってステータスシンボルだった時計やジュエリーやネクタイ、それに車。もう時代が違う。高い車、希少車種を保有して見せびらかす時代は20年以上前に終わった。(・・とほとんどの消費者は思っている)
今や交通の不便な地方においては、爺さん婆さんも一人一台必須の時代だ。車を持つことを自慢する時代は30年前に終わっている。
未だにそういった考えを保持するガラパゴス系のクルマ好きも居るにはいるが、非常なマイノリティになっているのではないだろうか?少なくとも筆者はそう思う。
車好きが念願のクルマを手に入れて、’60年代や’70年代の様に女の子にもてても、女の子は車のオーナではなく、車そのものの魅力に惹かれているのだという事・・・。
話を戻して・・筆者が乗り続けているスバル・レガシイ・アウトバック、素晴らしい。だから他のクルマに替える気がまったくしなかった。頑丈で事故(故障)らないという保有者の期待に120%答えてくれているからだ。
以前にもこのブログで書いたが、九州3往復、南は鹿児島の鹿屋、開聞岳、枕崎迄行ったし、北は北海道のサホロ、厳冬期の根室、道東野付半島まで往復している。
人間一人乗って公共交通機関の発達した都内を荷物も無いのに走ったりはしない。此処は日本・首都圏だ、そんなのは「悪だし、地球環境の事を何も考えていない輩」だと思っている。
あくまで高速利用で片道200㎞以上の目的地へ撮影機材など荷物を積んで行く以外、筆者は公共交通機関を利用する。コストパフォーマンス、タイムパフォーマンスで考えればその方がはるかに効率的だ。
で、自分がレガシイ・アウトバックで行った各地の画像を掘り出してみた。